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「キャッシュレス・ポイント還元事業」ってなに? 10月から最大5%還元

10月1日から「キャッシュレス・消費者還元事業(ポイント還元事業)」事業がスタートする。事業対象のお店で「キャッシュレス」で支払うと、最大5%ポイント還元が行なわれる。6カ月の期間限定だが、「現金よりお得」にキャッシュレスで買い物ができるようになる。

キャッシュレス・消費者還元事業

期間

2019年10月~2020年6月(9カ月間)

対象決済手段

クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードなど電子的に繰り返し利用できる決済手段

還元額

5%、もしくは2%(店舗によって異なる)

同事業は、消費税率引上げ後から2020年6月末まで、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する政府の事業。中小企業のキャッシュレス決済導入支援とキャッシュレスの普及促進のほか、消費者には対応店舗でのキャッシュレス利用で2~5%を還元、消費増税に伴う痛税感を軽減するのが主な狙いだ。同事業の予算は2,798億円。

なお、正式名称は「キャッシュレス・消費者還元事業」だが、最近は「キャッシュレス・ポイント還元事業」と表記されることが多い。同事業を推進する経済産業省に確認したところ、消費者のメリットがわかりやすい“愛称”として、「キャッシュレス・ポイント還元事業」の表記を使うようになったという。どちらの表記でも意味は同じだ。

利用可能な店舗は、9月2日時点では約27万件。8月29日時点での加盟店登録申請数は約51万件。対象店舗の中でも、5%の店舗と2%の店舗がある。また、大規模事業者は制度の対象外となるため、同じチェーンで、2%と0%の店舗が分かれることもあり、例えばマクドナルドは2,900店舗のうち、2,000店舗のみが2%還元対象となる。

わかりにくい部分もあるが、9月20日には対応店舗が確認できるアプリも公開された。また、対象店舗においてもステッカーやポスターでも告知が行なわれる。

「キャッシュレス・ポイント還元事業」に公式アプリ

支払手段がキャッシュレスであれば、「ポイント」や「実質値引き」が行なわれるため、消費者としては、きちんと理解し、大いに活用・節約していきたい。一方、まだ不明点も多く、またカードやコード決済などの「支払手段」や「店舗」によって還元手法が異なるなど、わかりにくい部分も残る。そこで、キャッシュレス消費者還元事業について簡単にまとめてみた。

なお、同事業には事業者向けのレジ購入代金の補助なども含まれるが、本記事では消費者側のポイント還元に絞って紹介する。

支払い手段によって還元時期や方法が違う!

キャッシュレスでの支払いで2%、5%還元だが、支払手段によって、還元の時期や還元の方法が違ってくるので注意してほしい。

クレジットカード・デビットカード

クレジットカードは、還元上限が概ね1.5万円。各社の違いが現れるのは、還元手段で、「カードの請求額からのポイント還元分の減額(相殺)」と、「ポイント付与」の2種類があり、発行会社やカードのブランドによって異なっている。

三井住友カードや、UCカード・クレディセゾンなどは前者の「請求額からの相殺」だが、楽天カードやポケットカード(ファミマTカード)などは後者の「ポイント還元」で、楽天スーパーポイントやTポイントなどで還元される。

カードブランドごとに対応が異なっているので、正確な情報はお手持ちのカードの公式情報を確認してほしい。例えば同じ三菱UFJニコスのカードでも、「MUFJカード」は引き落とし時にポイント相当分を相殺するが、「NICOSカード」、「DCカード」は商品と交換できるポイントとして還元するなど、同一企業でもカードブランドごとに対応が異なっているケースも有る

ただ、請求額からの相殺でもポイント付与でも、付与時期は利用月の2カ月後でほぼ共通のようだ。なお、ほとんどのカードは、月15,000円相当が還元上限だが、TOKYU CARDのように月5万円上限というカードもある。

クレジットカードでの支払いだけでなく、カードに紐付いたApple PayやiD、QUICPayなど非接触決済での支払も、ポイント還元の対象となる場合が多い(カードによる)。詳しくはカード会社の情報を参照してほしい。

デビットカードの多くや一部のプリペイドカードでもポイント事業対応している。デビットカードの還元方法は「口座に付与」、上限は「1.5万円/月」、還元時期は「利用日の翌月」が多い。

1.5万円/月の還元枠ということは、5%店舗で30万円の支払い、2%店舗では75万円使わなければ、月額の上限には届かない。使いこなせれば、「お得」になるはずだ。なお、Discoverや銀聯などの海外クレジットカードは、ポイント還元事業の対象外となる。

コード決済

コード決済も還元方法や上限などが若干異なっている。

PayPayは、還元方法が「PayPayボーナス」で、還元時期は決済日の翌月20日前後。還元上限は1回の決済で25,000円相当、ひと月25,000円相当。また、アプリ上のマップで、還元事業対応店舗を紹介する予定。

PayPayの「キャッシュレス還元」上限は月2.5万円

また、還元事業の5%PayPayボーナスに加え、最大5%を加算し、最大10%のPayPayボーナスが獲得できるキャンペーン「まちかどペイペイ」も実施する。

PayPay、10月から5%還元+5%キャンペーン

楽天ペイ(アプリ決済)は、還元方法が楽天スーパーポイント。還元時期は利用月の翌々月末日頃。上限は1回あたり25,000ポイントで、月の上限はなし。

また、楽天ペイでは、還元事業の5%対象店舗“以外”でも5%還元を実施する。ポイント還元事業の対象外の店舗およびフランチャイズ等2%還元の対象店舗において、「楽天ペイ(アプリ決済)」で支払うと、それぞれ5%、3%のポイントを補填し、どのような店舗でも「合計5%」ポイント還元が行なわれる。

上限は期間中3,000ポイントまでで、付与ポイントの利用期間は2020年1月31日23時59分。第1弾は10月1日から12月2日を予定しており、キャンペーン登録が必要。

楽天ペイ、還元なしや2%の店舗も5%に“補填”

au PAYは、au WALLET ポイントで還元。買い物から約1カ月後にau WALLET ポイントで還元する。上限は15,000ポイント/月。ポイントの有効期限はポイント付与日から4年間。

au PAY、キャッシュレス還元事業に参加

J-Coin Payはポイントで還元。ポイント相当額を利用者のJ–Coin Pay残高に入金する。取引日の翌月末頃に1カ月分をまとめて利用者のJ–Coin Pay残高に入金し、上限は15,000円/月。

ユニークなのは「Origami Pay」だ。最大5%をその場で還元し、実質値引きのような動作になる。1回あたりの上限は2,000円で、Origamiの通常の割引とは別に、5%が割り引かれる。

Origami Payは10月以降も最大3%割引

LINE Payは、QRコード決済、LINE Payオンライン支払い、LINE Payカード、QUICPay+の4つの支払い方法で対応。還元方法は「LINE Payボーナス」で期限は2年。支払い方法によって、付与時期が異なり、QRコード決済、オンライン支払いは即時付与、LINE Pay カード、QUICPay+は、月末締めで翌月に付与となる。上限額は3万円相当/月。

LINE Payの「キャッシュレス還元」対応は4種の決済

メルペイは、コード払いとiDで対応。上限はコード払いとiDでそれぞれ月15,000ポイントまでとなり、合計3万ポイント/月。「メルペイ残高払い」だけでなく「メルペイあと払い」も還元の対象となる。コード払いの場合は、毎週月曜日に前週の還元対象決済分のポイントを還元、iDの場合は、毎月25日に、前月の還元対象決済分のポイントを還元する。還元されるポイントの有効期限は、付与された日を含めて90日。

メルペイ、キャッシュレス還元事業に対応。コード払いとiD

d払いは、dポイントで還元。還元上限は上限は30,000ポイント/月で、買い物の翌々月にdポイントを付与する。

ドコモの「d払い」、ポイント還元事業の還元上限は月3万

Suicaなど電子マネーも

交通系など多くの電子マネーもポイント還元事業に参加する。

「キャッシュレス・消費者還元事業」における主要な決済事業者(8月19日時点)

JR東日本のSuicaは、JRE POINTで還元。登録済Suicaでの決済で20円(税込)につきJRE POINT1ポイント(2~5%)を還元し、コンビニチェーンや飲食チェーン等、フランチャイズチェーン傘下の店舗の場合は50円(税込)につき1ポイント(2%)還元。ポイントは対象となる決済の翌月上旬頃に1カ月分まとめて還元する。 JRE POINT登録済のSuicaが必要となる。

JR東、キャッシュレス・消費者還元はSuica決済でJRE POINT還元

大手私鉄系の「PASMO」は、この還元事業のために新たに「PASMOキャッシュレスポイント還元サービス」を立ち上げ。対象店舗でPASMOで決済すると、決済額に応じてポイントが貯まる。ポイントは同社指定の場所で、1ポイント=1円で換算してPASMOにチャージする。なお、参加には専用サイトでの登録が必要。還元事業の6カ月間を3期にわけて還元を行なう。

また、PASMOのカードの上限は20,000円で、残高との合計が2万円を超えてしまうと還元を受けられなくなる。例えば、PASMOの残高が19,500円の場合、500円を超えた還元はできなくなってしまうため、残高に注意する必要がある(PASMOのQ&A/PDF)。

PASMO、10月からのキャッシュレスポイント還元事業に対応

交通系ICでは、manacaやTOICA、ICOCA、はやかけん、SUGOCA、PiTaPaも還元事業に対応予定だ。

nanacoは、nanacoカードやnanacoモバイルの使用に対し、nanacoポイントで還元。利用翌月の15日にnanacoポイントで還元し、nanacoポイントから電子マネーnanacoに交換し、店舗等で支払い可能になる。事前エントリーは不要。

nanaco、10月からのキャッシュレス還元事業対応。翌月ポイント付与

WAONは、「消費者還元WAON」で還元。カードなどに直接付与されず、イオン店舗などに設置されているWAONステーションや、イオン銀行ATM、ファミリーマートに設置されているFamiポートなどで受け取る。1カ月間の還元上限は15,000WAON。

WAONは10月以降「消費者還元WAON」で還元。上限は月1.5万

楽天Edyは、電子マネーのEdyで還元。Famiポート、Edyの赤いチャージ機、楽天Edyアプリなどでの受け取り処理を行ない、通常のEdy電子マネーとして利用できる。1回あたりの還元額は最大2,500円分。支払日から30日を目処にEdyを付与。受け取り期限は付与日から90日間としている。

楽天カード・ペイ・Edy、キャッシュレス還元事業に対応

「コンビニは即時充当」など、店による違いも

また、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートやポプラでは、レジでキャッシュレスで支払うと、その場で2%の還元(即時充当)を行なう。還元対象の決済方法は、クレジットカード、電子マネー、デビットカード、QR/バーコードなど。この場合は、決済するキャッシュレス支払い手段を問わず、店舗での取引がその場で2%引きされる。

コンビニは即時に2%引き

ファミリーマート、10月からキャッシュレス利用で即時2%引き

セブンイレブンも即時2%引き。10月からのキャッシュレス還元

ミニストップ、キャッシュレス決済で即時2%引き

コンビニのように、取りまとめて立替払い等を行なう事業者は「准B型事業者」として、還元事業に参加し、この即時還元を実現している。

決済事業者の定義

なお、コンビニでもフランチャイズではなく「直営店」の場合、還元事業の対象にならない可能性があるとも報道されている。また、マクドナルドも2,900店舗のうち、フランチャイズの2,000店舗が対象となるが、直営店は対象外となる。利用者には、制度対象の中小事業者か、大規模事業者など、普通はわからないと思うので、この点は利用前に注意が必要になりそうだ。

マクドナルド、10月1日以降も店内飲食・持ち帰り税込価格を統一

キャッシュレス・消費者還元制度については、まだまだ不明点やわかりにくい点も多いが、きちんと理解して、使いこなしてほしい。この記事も適時アップデートしていく予定だ。

関連情報

・キャッシュレス推進協議会から
主要な決済サービスの概要(PDF)

・カード系
三井住友カード
楽天カード
三菱UFJニコス
JCB
イオン銀行
アメックス
ユーシーカード
ポケットカード(ファミマTカード)
セディナ
ダイナース セゾンカード アプラス
オリコ

・コード決済
PayPay
Line Pay
楽天ペイ
メルペイ
au PAY
Origami Pay
J–Coin Pay
d払い

・電子マネー
Suica
PASMO
nanaco
WAON
楽天Edy

更新履歴

9月30日:d払いの情報など追加
9月26日:ミニストップの対応状況など追加
9月24日:公式アプリの情報を追加
9月23日:LINE Pay、メルペイの情報を追加