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マイナンバーカードを作ってみた。申請は簡単。でも1カ月かかる

2020年、にわかに注目を集めつつあるのが「マイナンバーカード」。

これまでは写真付きの「身分証明書」で、行政の証明書がコンビニで取れるぐらいの“微妙”な位置づけだったが、2020年2月の確定申告では、iPhoneなどのスマートフォンとマイナンバーカードを組み合わせた電子手続きに対応。さらに9月には、マイナンバーカードと「マイナポイント」を使ったポイント還元施策の実施も決定。25%、最大5,000円相当の還元が受けられることになる。政府の後押しもあり、徐々にマイナンバーカードが「あると便利」になっていきそうだ。

「マイナンバーカード」とはなにか。作るべき? 必要性を考える

25%還元のマイナポイント事業、ホームページ公開

ただし、注意したいのはマイナンバーカード取得には「時間がかかる」ということ。最低でも1カ月は必要とされている。東京都 世田谷区で実際に取得したが、たしかに時間がかかる上に、戸惑った点も多々あった。マイナンバーカードの取得体験をまとめた。

スマホで申請を試す。約1カ月半の道のり

マイナンバーカードには、2つの申込方法が用意されている

ひとつは、「申請時」に区役所などの指定の場所に行き、申請処理を行なったあとで自宅にマイナンバーカードが届く方法。もう一つは、パソコンやスマホ、郵便、まちなかの証明用写真機から申請し、「受取時」に窓口に行く方法だ。

今回は、スマホから申請し、マイナンバーカード専用窓口で受け取る方式を試した。マイナンバーカードには写真が必要なので、スマホで写真を撮って申請するのが、一番手っ取り早そうだったからだ。

スマホからの申請の前に用意するものは、運転免許証やパスポート(日本国のもの)、運転経歴証明書、在留カードなどの写真付きの本人確認書類と申請書ID、メールアドレスだ。


    スマホ申請の入力項目
  • 申請書ID(半角数字23桁)
  • メール連絡用氏名
  • メールアドレス

いきなり戸惑ったのが「申請書ID」。このIDがなんなのか、どこで入手できるものなのかがわからない……。調べてみると、「通知カード」(マイナンバー所持者全員に郵送される紙製カード。顔写真、身分証明機能なし)と一緒に届いていた「個人番号カード交付申請書」に記載されているとのこと。

通知カードが家に届いたは数年前だし、申請書が付いていた記憶もまったく無かったが、家の中を漁ったら無事に交付申請書を発見できた。これはわかりにくい……。

「個人番号カード交付申請書」。裏側に申請書IDとQRコードがあった

申請書がない場合は、郵送での申請、もしくは申請書の再発行が必要となる。

申請書と申請書IDが入手できれば、スマホでの申請自体はそれほど難しくない。

申請書のQRコードをスマホのカメラで読み込むと、申請書IDが自動で入力され、メールアドレス確認により端末を認証。次は顔写真を撮影・登録し、スマホのカメラで、白背景で正面を向いて撮影する(参考:顔写真のチェックポイント)。あとは、生年月日、電子証明書の発行希望の有無、氏名の点字表記希望有無を指定するだけで、申請は完了する

スマホで申請
顔写真を登録

「さああとは引き取りに行くだけ!」と思いきや、世田谷区では、すぐには引き取れない。

まず、申請されてから4週間程度で、自宅に「個人番号カード交付通知書」が届く。

個人番号カード交付通知書

これを受け取ってはじめて、窓口における引取の「予約」が可能になる。交付通知書に記載されたIDとパスワードを使って引取日時を予約するのだが、その予約日も交付通知書の受け取りから最短で7営業日以降でないと指定できない。つまり、ここでも最低1週間はかかる。しかも、今回申請した世田谷区では、土日の引取枠はほぼ満杯になっていたため、たので、平日の月曜日朝に引取に行くことになった。

なお、世田谷区では上記の運用だが、自治体によっては、個人番号カード交付通知書が届けば、予約無しで引き取りに行ける場合もある。

筆者の場合は11月8日に申請し、11月下旬に交付通知書が届き、11月29日に予約日を取得、12月9日に引き取りに行った。申請からほぼ1カ月かかったことになる。

・11月8日:スマホで申請
・11月下旬:交付通知書届く
・11月29日:引取予約
・12月9日:引取

あとは引き取るだけ。必要なひとは早めの申請を

引取日に必要なものは、交付通知書(はがき)と、通知カード、運転免許証等の本人確認書類、住民基本台帳カード(所有者のみ)。

11時の予約の15分前に着き、すでに4人目だったが、11時を回るとすぐに窓口に案内された。あとは本人確認と簡単な説明をうけ、暗証番号の設定を行なうだけ。

暗証番号は、e-TAXなどの電子申請利用時に使用する「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」「住民基本台帳」「券面事項入力補助用」の4種類もあるが、16桁の署名用電子証明書以外の3種類は4桁で同じ番号でも構わないとのこと。窓口では暗証番号をメモする紙も渡される。

マイナンバーカードの有効期限は、20歳以上は発行から10回目の誕生日、20歳未満は、発行から5回目の誕生日となる。ただし、電子証明書の有効期限はいずれも発行の日から5回目の誕生日まで。

マイナンバーカードの発行にあわせて、通知カードと交付通知書は窓口で回収される。

なお、筆者はかつて住基カードを持っていたが、利用機会が少なかったため、その後に引っ越した自治体では更新していなかった。今回窓口で「住基カードをお持ちですよね?」と言われたが、持ってくるのを忘れていたため、廃棄に同意する書類に署名することとなった。

これで、カード入手は完了。マイナンバーカードは、通知カードと異なり身分証明書としても使えるようになるほか、様々な自治体サービス、e-Taxなどの電子申請が可能になる。

ついにマイナンバーカードを入手

試しにセブン-イレブンのマルチコピー機で住民票(200円)を取得してみたが、窓口に行かなくて良いのは便利だ。

また、金融機関における口座開設など、マイナンバーの提示と本人確認が同時に必要な場面では、マイナンバーカード1枚で完結できるほか、e-TAXによる確定申告や2020年9月の開始が決定した官製ポイント還元施策「マイナポイント」でも必要になる。これから活用シーンは広がっていくはずだ。

コンビニのマルチコピー機で住民票の写しが取れる

マイナンバーカードは、「あると便利」なシーンが増えていきそう。ただし、申請から取得まで1カ月以上かかるほか、申請後の待機時間や予約、引取などがあり面倒なのも事実だ。一番利用者が増えると思われる確定申告シーズンは、いまからの申請だとギリギリかもしれないが、使う機会が見込まれる人は、早めの申請を心がけてほしい。