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NTT主導のIOWN、国際標準化に一歩近づく

IOWN構想

NTTは、ITU-Tの会合にて、IOWNの技術仕様の公的標準策定に合意したと発表した。今後はIOWNの団体とITUとの連携を強化し、技術仕様の標準化を進めていく。

12月5日にアラブ首長国連邦ドバイで開催された、ITU-T局長が主催するCxO Roundtable(企業のハイレベル幹部とITU-T幹部の会合)では、NTTからIOWNの国際接続性の担保や、途上国も含めた世界展開に向けた公的標準策定の重要性が提案された。

参加した世界各国のキャリア、ベンダー、公的機関などのハイレベル幹部からは賛意が示され、IOWN技術仕様の公的標準策定を推進することが合意された。またIOWNの業界団体であるIOWN GFとITU-Tとの連携を強化することも合意された。

ITU-T局長が主催するCxO Roundtableの出席者

「IOWN」(アイオン)は、Innovative Optical & Wireless Networkの頭文字からとった名称で、次世代の通信網の構想。技術的には光技術のオールフォトニクス・ネットワークが中心になり、2024年の仕様確定、2030年の実現を目指し、開発が続いている。

国内外に通信サービスを提供する上では、国際標準化は大きな影響力を持つ。複数企業によるフォーラム標準化の後には、ITUやIEC、ISOなどで行なう公的な強制力を持つ公的標準化という段階があり、NTTはインテル、ソニーとともにIOWN Global Forum(IOWN GF)を設立して、これまでフォーラム標準化活動を進めてきた。

今後は、IOWNの国際接続性の担保や、途上国も含めた世界展開に向け、公的標準化も両立して進める事が重要になるとしている。NTTは、これらの合意を踏まえ、公的標準化と親和性の高い国際相互接続に関する技術仕様などについて、ITU-Tにて標準化活動を進めていく予定。

なお、ITU-Tの局長は現在、「LTEの父」と称され5G標準化にも貢献した、元NTTドコモCTOの尾上誠蔵氏が務めている。