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渋谷再開発のラストピース「サクラステージ」 11月30日始動
2023年11月23日 19:31
東急不動産は、渋谷再開発における駅中心地区のラストピースと位置づける「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の内覧会を実施した。11月30日の竣工以降、順次開業し、店舗等がおおむね開業する2024年7月26日に、まちびらきイベントを実施する。
渋谷駅前の桜丘エリアにて進められてきたプロジェクト。渋谷駅中心地区における、渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷スクランブルスクエア、渋谷フクラスに続く開業で、駅中心地区のラストピースとなる。
施設のポイントとしては、歩行者ネットワーク整備による回遊性向上、賃貸面積約10万m2となるオフィス、渋谷駅中心地区で唯一整備される住宅(ブランズ渋谷桜丘)、低層階の店舗面積約15,200m2、100店舗超の商業施設などがある。そのほか、国際医療施設、サービスアパートメント、子育て支援施設といったワーカー、居住者向けサポート機能や、世界初となるまちづくりへのIOWNサービスの第1弾として、APN IOWN1.0を導入する。
渋谷サクラステージはSHIBUYAサイド(A街区)とSAKURAサイド(B街区)で構成される。SHIBUYAサイドの延床面積は約184,700m2、高さは最高約179m、SAKURAサイドの延床面積は約69,100m2、高さは約127m。今回の内覧会では、主にSHIBUYAサイドを見ることができた。
構成要素は、SHIBUYAサイドは地上39階のSHIBUYAタワーと地上17階のセントラルビル、SAKURAサイドは地上30階のSAKURAタワーとSAKURAテラス。
大きく変わる周辺の歩行者動線
渋谷サクラステージ開業により周辺の歩行者動線が大きく変わる。従来はJR線を挟んで西側(サクラステージ側)と東側(ストリーム、明治通り側)の動線が少なかったが、3階の渋谷ストリーム側からの北自由通路と、恵比寿方面にあるホテルメッツ・渋谷駅新南口からの南通路が開通する。渋谷区の発表によれば開放日時は、北自由通路が12月1日10時頃から、南通路が同日5時30分頃から、通行可能時間は北自由通路が5時30分から23時30分、南通路が5時30分から24時30分。
なお、南通路が開通するまでは、桜丘エリアからJR線を跨いで明治通り側に向かう動線は、国道246号線の次は、代官山方面へつながる八幡通りまでなかった。
2024年秋には、北自由通路と接続する渋谷駅南口新改札口が開通予定。
また、渋谷駅周辺は谷底に位置するため、歩行者が駅から周辺に向けて回遊するには高低差のある坂道をのぼる必要があった。この高低差を解消に向け、歩行者デッキを整備したほか、地下からの移動をスムーズにするためのアーバンコア整備を行なった。地下2階には、フクラスとつながる地下通路が開通する。
また、SHIBUYAサイドとSAKURAサイドの間に、渋谷区主導による都市計画道路(補助線街路第18号線)が整備される。サクラステージには、この道路を横断するための歩行者デッキが整備された。
来街者に様々な体験を提供する多様なスペース
渋谷サクラステージではコンセプトとして「渋谷の新たな玄関口の誕生～めぐり歩いて楽しいまちへ～」を掲げており、その一環として様々な体験を提供する広場、イベントスペース、サイネージを数多く設置している。
広場は、光の演出等に出会える3つのSTAGEを設け、自主開催の参加型イベントから季節の催事、企業によるPRイベントなどの様々な体験の場を創出する。
アーバン・コアを含めた、メイン動線の階段・エスカレーター・エレベーターで各階をつなぐ場所を、立体広場「ときめきSTAGE」と位置づける。アーバン・コアから様々な方向へ誘う路地のような軽い階段で人の動きが可視化されて、もっとまちをめぐり歩き、探索したくなる構造を意識しているという。
SHIBUYAサイドとSAKURAサイドをつなぐ横断デッキには「にぎわいSTAGE」を設置。場所は前述のSAKURAテラスと接続する歩行者デッキよりも恵比寿側に位置する。
にぎわいSTAGEでは、気象情報や人流などのデータを活用した、365日異なる演出のライトアップを行なう。また、にぎわいSTAGE内には、渋谷桜丘(Shibuya Sakuragaoka)のイニシャル「S」を取ってデザインしたまちのシンボル「しぶS」を設置する。
渋谷駅から見てSAKURAサイドの裏側には、緑や果樹と菜園、大きなヤマザクラに出会える「はぐくみSTAGE」を設置。体を動かすリラクゼーションイベントなども実施する屋外広場として展開する。
イベントスペースは、3階に「BLOOM GATE」、4階に「404 NOT FOUND」を設置する。
BLOOM GATEはA/B/Cの3つのゾーンで構成されており、様々なイベントやプロモーションに対応する。AとBには大型ビジョンが設置されているとともに、渋谷駅新改札接続口に隣接することから視認性が良く、人の滞留が期待できる。Cには厨房が設置されており、イベントスペースと連動してコラボカフェとしても使用できる。面積は、Aが127m2、Bが118m2、Cが58m2。
また、渋谷サクラステージはNTTによる「IOWN(アイオン)構想」のまちづくり分野導入の初事例となる。イベントスペースにはIOWN構想の構成要素であるAPN IOWN1.0が搭載されており、最先端の技術で次世代の体験を生み出すとしている。
404 NOT FOUNDは2024年7月より利用開始。渋谷あそびば制作委員会により、世代や国・ジャンルを越境し、多種多様な次世代のクリエイターが集うグローバル・クリエイション拠点として展開する。インディゲームクリエイターの聖地となることを目指しており、STUDY(学ぶ)、PLAY(遊ぶ)、STUDIO(伝える)、EAT(食べる)の4つのエリアにて構成し、4つのエリアがシームレスに繋がることによるコラボレーションや、最先端のトレンドやカルチャーの創出、情報発信を促す。
具体的な施策として、世界初となるインディーゲームクリエイターのコンテンツ制作・パブリシティ活動・国際交流・海外展開支援等を一気通貫で実現するエコシステムの構築を推進。また、音楽・食・アート・エンターテイメントなど、多種多様なイベントを同時多発的に開催する。
サイネージは、ときめきSTAGEの吹き抜けや施設外壁に設置。ときめきSTAGEでは空間意匠に合わせてデザインされた大型LEDビジョンを設置し、公共空間におけるデジタルアートの新たなプラットフォームになるとしている。
具体的には、壁にモザイク状に格子状エレメントを配置し、LED照明や映像で華やかさを演出する。イベントスペースなどで行なわれるイベントやまちのアクティビティに関する情報発信も行なう。
施設外壁は、100mを超える長さのLEDビジョンを設置。ときめきSTAGEなどと表現連動することで、独自の表現が可能なメディアとして利用できる。
内覧会では37階のオフィスフロアと38階の企業支援施設「manoma」も見ることができた。manomaは、イートクリエーターと東急不動産が開設した「日本食品総合研究所」が運営する起業支援施設で、運営開始は2024年2月。広域渋谷圏で活躍するクリエイティブ産業に関わる企業や人、スタートアップの交流促進の場を目指す。
イベント開催の機能として180型スクリーンや音響設備を充実させるほか、併設するレストランやラウンジバーとも連携しながら、カンファレンスやパーティー、トークイベントや商品発表、展示会等の幅広いシーンで利用できる。
今回の内覧会では含まれていなかったSAKURAサイドのSAKURAタワーでは住宅「ブランズ渋谷桜丘」、サービスアパートメント「ハイアット ハウス 東京 渋谷」、および商業施設などを展開、SAKURAテラスにも商業施設が入居する。
渋谷サクラステージの所在地は東京都渋谷区桜丘町123番ほか。施行面積は約2.6ha。