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首都高地下化・再開発で激変 「呉服橋プロジェクト」と日本橋の今
2025年5月22日 08:00
東京建物は、首都高地下化の計画が進められている日本橋川沿岸の「呉服橋プロジェクト」の現場をメディア向けに公開した。今回は取材先となる呉服橋プロジェクトを軸に、日本橋周辺を歩いてきた。
呉服橋プロジェクトは、「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」として進められている44階建て複合施設開発。オフィスを中心とする高層棟の南街区、日本橋川沿いの水辺空間および低層の商業施設の北街区で構成される。竣工は南街区が29年度、北街区が32年度を予定している。
所在地は東京都中央区八重洲一丁目1番他。最寄駅は東京メトロ 日本橋駅で、東京駅が最寄りの他の「八重洲」再開発とは異なる。なお、「呉服橋プロジェクト」は通称。
敷地面積は全体が約9,260m2、南街区が約7,560m2、北街区が約1,700m2、延床面積は全体が約186,500m2、南街区が約185,500m2、北街区が約1,000m2.
南街区は24年11月に着工し工事が進められている。北街区については計画地の建物は現在も使用されており、今後進められる。
東京建物は近隣の八重洲、京橋エリアで、26年竣工予定の東京駅前・51階建て「TOFROM YAESU(トフロム ヤエス)」、30年度竣工予定の京橋駅直結・35階て「京橋三丁目東地区市街地再開発事業」を推進している。
首都高地下化で日本橋川の水辺を活かした環境作り
八重洲・日本橋エリアで将来的に街が大きく変わる整備計画として、首都高日本橋区間の地下化がある。現在は日本橋川の上を走っている、首都高速都心環状線の神田橋JCTから江戸橋JCTに至る1.8kmの区間を地下化するという計画で、35年度の地下ルート完成、40年度には現在の高架部撤去等まで完成させることを目標に進められている。
呉服橋プロジェクトにおける北街区の整備は、首都高地下化事業完了により上空が開けることにあわせて進められるもので、日本橋川沿岸エリアのにぎわい・交流空間創出を目指す。
ほかにも首都高沿いで進められている再開発として、「日本橋一丁目中地区」「日本橋一丁目東地区」「大手町二丁目常盤橋地区」などがある。
このうち日本橋一丁目の両地区でも、テラス・デッキや広場などが設置された日本橋川沿いの親水空間、歩行者環境の整備が計画されている。中地区については三井不動産、野村不動産らが21年12月に着工しており、26年3月末竣工に向けて工事が進められている。
大手町二丁目常盤橋地区は、三菱地所が進める「TOKYO TORCH街区」のプロジェクト。街区内の「常盤橋タワー」は21年7月に開業しており、現在は62階建て、高さ約390mの「Torch Tower」の建設が28年3月末竣工予定で進められている。
東京駅・日本橋駅・京橋駅が地下通路でつながる
ここまで見てきた再開発の最寄駅は、東京駅、もしくは日本橋駅となる。しかしこれらは、写真からも想像できる通り、実は徒歩圏内だ。
このエリアでは、日本橋駅・大手町駅・東京駅・京橋駅を結ぶ地下歩行者ネットワークが計画されている。呉服橋プロジェクトにおいてもこの一環として、日本橋駅と東京駅を接続する地下通路の一部区間を整備する。
地下歩行者ネットワークは最終的には東京駅・日本橋駅・大手町駅・茅場町駅・京橋駅・二重橋前駅・有楽町駅・日比谷駅・銀座駅・東銀座駅を結び、日本最多となる10駅連結の広域地下歩行者ネットワークが実現するとしている。