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東京駅前に新街区「トウキョウトーチ」。高さ390m「Torch Tower」

TOKYO TORCH開業時外観(街区北より)

三菱地所は、東京駅日本橋口前にて開発を進めている常盤橋街区について、街区名称を「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」、街区内に建設・計画中の2棟のタワーの名称を「常盤橋タワー」、「Torch Tower(トーチタワー)」とすることを決定。発表会を実施した。

「東京駅前常盤橋プロジェクト」として開発を進めている、常盤橋タワー、Torch Towerおよび、変電所棟、下水局棟からなる街区。事業名称は「大手町二丁目常盤橋軸第一種市街地再開発事業」。計画地は東京都千代田区大手町2丁目、中央区八重洲1丁目。

TOKYO TORCH開業時外観(JR東京駅丸の内側より)
TOKYO TORCH開業時外観 夜景(JR東京駅丸の内側より)
TOKYO TORCH開業時外観 遠景(JR東京駅八重洲側視点)
TOKYO TORCH開業時外観 遠景(スカイツリー視点250m)
案内図と配置図

常盤橋タワーの規模は、高さ212m、地上38階(建築基準法上、地上40階)、地下5階。Torch Towerは高さ390m、地上63階、地下4階。竣工予定は、常盤橋タワーが2021年6月、Torch Towerが2027年度。

Torch Towerでは、都心最高層クラスの展望施設、約100室の国際級ホテル、約2,000席の大規模ホール、約4,500坪の商業ゾーンを整備。加えて、呉服橋交差点地下歩行者通路の整備や、約7,000m2の大規模広場を活用した帰宅困難者支援機能の強化等を行なう。

Torch Tower外観(JR東京駅丸の内側より)
TOKYO TORCH 計画概要

展望施設は62階、および屋上階。都心を眼下に見ることができるほか、富士山をのぞむことができる。

南西方向の眺望イメージ(高さ365m/2020年8月撮影)
南東方向の眺望イメージ(高さ310m/2020年8月撮影)

ホテルは57階から61階。ホテルロビー階は外気を取り入れるデザインとし、300m超の高さでありながら、緑と風に包まれる空間になるとしている。

Torch Tower 57階 ホテルロビー

大規模ホールは3階から6階で、現代の芝居小屋をモチーフとしているという。また常盤橋タワーとTorch Towerの間に完成する広場とのコンテンツ連動によるイベント展開を可能とする。

Torch Tower ホール外装
TOKYOTORCH開業時広場(JR東京駅日本橋口より)

商業ゾーンは地下1階から地上6階。日本の文化を五感で味わえる飲食店舗とエンターテインメント施設を中心とした構成を予定。商業ゾーンの一部には、銭湯発祥の地といわれる常盤橋ゆかりの温浴施設「常盤湯」を、広場の一角には横丁空間の整備を予定する。なお、7階から53階はオフィス。

Torch Tower 横丁空間

TOKYO TORCHへのアクセスについては、JR東京駅日本橋口すぐ、東京メトロ東西線 大手町駅コンコースと直結予定。将来的に、大手町エリアと日本橋エリアを地下で結節する呉服橋交差点地下歩行者通路を整備し、充実した地下歩行者ネットワークとすることを計画する。

防災の観点では、地震時や強風時の揺れを大幅に低減する、建物全体を殻のように包み込むアウトブレースを効果的に利用した外殻制振構造を採用。また有事の際に、災害復旧活動の拠点機能を担うための大型ビジョン、Wi-Fi環境等の各種設備を実装。加えて、大規模ホールを、帰宅困難者の一時滞在施設、全天候対応の一時滞留スペース等として活用する。

常盤橋タワーはオフィス、店舗を主要用途とし、ビル就業者向けの共用スペースを、3階と8階の2フロアに整備。3Fにカフェテリア、8階にラウンジ・カンファレンスルームを設ける。

常盤橋タワー外観(街区南東より)
常盤橋タワー 低層部と親水空間(街区北東より)
常盤橋タワー 南西エントランス
常盤橋タワー 南東エントランス
常盤橋タワー 3階カフェテリア
常盤橋タワー 8階ラウンジ
常盤橋タワー 商業ゾーン
常盤橋タワー 36階(高さ約175m)からの西側眺望
常盤橋タワー 36階からの西側眺望
常盤橋タワー 36階からの東側眺望
常盤橋タワー 36階からの南側眺望

ポストコロナ時代におけるニューノーマル対応施策として、街区全体の取り組みとしては、屋外空間を最大限に活用。当初の計画にはなかった、Torch Towerの1階から8階へ続く約2kmの空中散歩道(約5,000m2)とその終着地に広がる屋上庭園(約2,500m2)を整備することを決めた。

Torch Tower 空中散歩道

大規模広場、日本橋川沿いの親水空間、街区北側に拡大整備予定の常盤橋公園と、空中散歩道および屋上庭園で、屋外空間の総面積は約2.0ha(約20,000m2)となる。これら屋外空間を、外気を感じながら仕事ができるアウトドアオフィスやリフレッシュの場として活用されることを想定している。

親水空間(街区東より)

また、各棟での非接触セキュリティの実装等を検討。さらに多様な通勤手段・働き方への対応として、Torch Towerへの自転車通勤に対応可能な大規模駐輪場整備を計画する。

日本を明るく照らす街区を目指す「TOKYO TORCH」

発表会ではメディア向けに、Torch Tower開発のため取り壊しが決定している日本ビルの屋上見学ツアーを実施。Torch Tower予定地の周辺を見ることができた。この場所の高さは50mほどで、Torch Towerでは低層部に位置するとのこと。

隣接する常盤橋タワーの外観はほぼ完成している。212mという高さは、現時点ではこのエリアで最も高い建築物となるという。

日本ビルの屋上から見た常盤橋タワー

日本ビルとともに、朝日生命大手町ビルの取り壊しも決まっており、これら2つのビルの跡地にTorch Towerが建設される。また朝日生命大手町ビルのすぐ先に、JR東京駅の日本橋口がある。

朝日生命大手町ビル(手前)
日本ビルの屋上から見た日本橋口。手前右側は朝日生命大手町ビル

東京駅の丸の内側を見てみると、駅舎や列車を見ることができた。

東京駅丸の内方向

地下歩行者ネットワークによる接続が計画されている日本橋も、すぐ目の前に見ることができる。

日本橋方向

発表会では、三菱地所 執行役社長 吉田淳一氏が、プロジェクトビジョンや街区名称について説明。

三菱地所 執行役社長 吉田淳一氏

プロジェクトビジョンは「世代や国境を越えて『日本を明るく・元気にする』」。日本・東京の玄関口としての新たな役割を担う、常盤橋固有の体験、日本各地と都心を繋ぐ、参加型まちづくりを目指すと話した。

TOKYO TORCHという街区名称は、常盤橋街区が日本を明るく照らす希望の灯りのような存在でありたいという想いが込められており、「TORCH」のもつ「灯り」のイメージと、プロジェクトビジョンを重ね合わせているという。

ロゴは、灯りのイメージと、「人や街のつながり」をモチーフとし、カラーは日本で古くから建築物に使用されてきた銅の色を採用している。

三菱地所 執行役員 常盤橋開発部長 茅野静仁氏は、プロジェクトビジョン実現に向けた施策の3つの柱として「世界が目指す灯りへ」、「人生を輝かせる灯りへ」、「ともにつなぐ灯りへ」を挙げる。

三菱地所 執行役員 常盤橋開発部長 茅野静仁氏

MICEとして機能する施設となることを目指すとともに、ワークライフを後押しする屋外空間や充実した共用空間・サービスを実装。加えて、地方自治体と連携した「体験できる場」の創出や、街区を超えて個人とつながるプロジェクトを実施すると説明した。

デザインについては、プロジェクトビジョンである「日本を明るく、元気にする」をデザインにおいても表現するため、コアアーキテクト・デザイナーの三菱地所設計と、3名のデザイナーとのデザインチームを組成。三菱地所設計 常盤橋プロジェクト室長 松田貢治氏は、「人びとのための超・超高層建築のあり方」にチャレンジしたと説明した。

デザインチームのメンバーは、松田貢治氏、藤本壮介建築設計事務所主宰 藤本壮介氏、永山祐子建築設計事務所主宰 永山祐子氏、Fd Landscape代表 福岡孝則氏。

(左から)福岡孝則氏、藤本壮介氏、茅野静仁氏、吉田淳一氏、谷澤淳一氏(三菱地所 執行役副社長)、松田貢治氏、永山祐子氏。

敷地面積は約31,400m2、総延べ面積は約740,000m2。各棟の延べ面積は、常盤橋タワーが約146,000m2、Torch Towerが約544,000m2、変電所棟が約20,000m2、下水道局棟が約30,000m2

TOKYO TORCH 365mの高さのドローン映像(三菱地所提供)
TOKYO TORCH 390mの高さのドローン映像(三菱地所提供)