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日本橋川沿い再開発第1弾着工。52階建ビルが'26年竣工

外観イメージパース(日本橋川から)

三井不動産と野村不動産は、日本橋川沿いで進められている再開発の第1弾となるプロジェクトに着工。街の象徴である橋「日本橋」に隣接する場所に、地上52階、高さ約284mの複合施設が、2026年3月末竣工に向けて建設される。

プロジェクト名称は「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」。日本橋川沿いで今後予定される5つの市街地再開発事業の中で最初の竣工を予定している、周辺開発のリーディングプロジェクトとなる。

鳥瞰パース(夜景)

A/B/C街区の3街区で構成され、区域面積は約3.0ha。敷地面積はA街区が約1,370m2、B街区が約2,060m2、C街区が約15,560m2。階数と最高高さは順に、地上4階・地下1階・約32m、地上7階・地下2階・約31m、地上52階・地下5階・塔屋3階・約284m。

敷地配置図/用途断面図

そのほか、日本橋川を臨むテラス・デッキや広場の設置により、空と水と緑に囲まれた豊かで潤いのある環境づくりを目指す。また、観光バス乗降場の設置を予定。既存の日本橋船着場の舟運ネットワークとあわせて、遠方からの観光客に加え、マイクロツーリズムを目的とした近場からの来街者のアクセス向上を図る。

メインタワーが位置するC街区は、商業施設(地下1階~地上4階)、MICE・ビジネス支援施設(5~8階)、オフィス(10~20階/22~38階)、ホテル(39~47階)、居住施設(48~51階)で構成。

商業施設はあらゆる目的での来街者に応えるコンテンツを備えるとともに、隣接するD街区(日本橋一丁目三井ビルディング/COREDO 日本橋)と地上3階・地下1階にて新たな連絡通路で接続。加えてD街区内のリニューアル工事を予定しており、既存商業施設とも融合した新たな商業空間を創出する。

中央通り側からの低層部外観イメージパース(夕景)

MICE・ビジネス支援施設には、最大収容人数合計約3,000人となる2つの大型ホールを設置。「都心最大規模を誇るMICE施設」とする。そのほか会議室、ビジネス交流機能を設ける。

MICEエリア屋外デッキイメージ(夜景)

オフィスの基準階面積は、20階までの低層部が約1,900坪、22階以上の高層部が約1,300坪。10階と22階には屋外スカイガーデンを設ける。

オフィスエリア屋外テラスイメージ

ホテルは、ヒルトンが運営する「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」が2026年に開業予定。全197室の客室、3つのレストラン、ラウンジ&バー「ピーコック・アレー」、屋内プール、スパ、フィットネスセンター、宴会場、チャペルを備える。

居住施設は約100戸を予定。コンシェルジュサービスを備える。

ホテルや居住施設は高さ200m以上に位置し、ロビーから湾岸エリアや東京タワー方面への眺望を楽しめるほか、オフィスの屋外スカイガーデンからは名橋「日本橋」や東京スカイツリーが望める。

高層階ロビー(居住施設・ホテル)からの眺望イメージ(南西方向) 2019年3月撮影

C街区地下1階レベルでは、整備予定の地下歩道を通じて東京メトロ銀座線・東西線 日本橋駅に直結。また、新たに都営浅草線 日本橋駅の改札を整備する。将来的には周辺街区の開発に伴い、東京駅日本橋口から日本橋駅までの地下通路が整備される予定。

A街区は業務施設、商業施設で構成。建築家 安井武雄により1930年に竣工した日本橋野村ビル旧館の外観を保存活用し、日本橋の伝統と文化を受け継ぐ。日本橋野村ビル旧館は、三層構成を踏襲しながら柱型をなくし、東洋風の意匠を纏わせた折衷様式のデザインであり、貴重な近代建築物として中央区指定有形文化財に指定されている。

B街区は住宅、商業施設で構成。中央区指定有形文化財であるA街区と一体感ある景観の醸成を図ったな街並み形成を行なう。またC街区と地上3階レベルでデッキ接続する。住戸は約50戸を予定。

(右から)A街区、B街区

プロジェクトのデザインアーキテクトには、日本橋三井タワー、日本橋室町三井タワーをデザインした「ペリ クラーク ペリ アーキテクツ」を起用。着物・川・暖簾をイメージし、角度を振りながらセットバックする「スウィングセットバック」で、特徴的でありながら日本橋の街並みに調和し、国際金融拠点に相応しいグローバルデザインを狙いとしている。

外観イメージパース(中央通り北西方向から)

所在地は東京都中央区日本橋一丁目30~32番(地番)。延床面積はA街区が約5,100m2、B街区が約6,500m2、C街区が約368,700m2