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アウトドア系ジャケットの最新トレンド 普段使いできるダウン&新素材
2025年12月23日 08:40
保温性が高いのにムレを防いでくれる、ストレッチが効いていてアクティブに動けるなど、機能性が高くタウンユースでも快適に使えるのがアウトドア系ジャケットの魅力です。特長はモデルにより様々なので、どれを買えばいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。そこで今回はアウトドア系のジャケットを数多く取り扱うエルブレス 新宿店の遠藤大地さんに、今期のトレンドやおすすめの商品を聞いてきました。
「今シーズン、お客様からは『軽くて持ち運びやすい』、『長く、様々なシーンで使えるものを』といったニーズが多く聞かれます。秋から春まで長く着られる、という部分では、昨年から引き続き3 in 1モデルが人気です。アウターとライナーを組み合わせた3 in 1は、それぞれ単体でも使えて汎用性が高いため根強い人気があります。アウターもライナーも使っている素材や機能、デザインに違いがあるので、お客様のニーズに合った1着を探すことができるほど品数が揃っています」
ここ数年は定番のダウンだけでなく機能性が進化した化繊のモデルにも注目が集まっているため、どちらかを選ぶポイントについても聞いてみました。
「ダウンの一番のメリットは保温力の高さです。ダウンはカサが増すほど保温性も高くなるので、あまり動き回らないシーンにはダウンの厚手のモデルが向いています。例えば屋外での観戦、初詣など長時間屋外にいる時の寒さ対策には最適です。化繊は保温力がありながらも乾きが早く水濡れに強い、そして動きやすいのが魅力です。アクティブに動き回るシーンが多い、ハイキングやキャンプなどアウトドアでも使いたい、という人には化繊のジャケットが向いているといえます」
以前は「化繊は重い」という印象もありましたが、今は素材がかなり進化して軽いモデルもたくさんあり、選びやすくなっています。ダウンに比べてお手頃なモデルも多く、価格を抑えたい方にも化繊のモデルはおすすめです。
薄手で軽量なのにあったかい、最新の化繊ジャケット
まずは、今期のトレンドである「軽くて持ち運びやすいジャケット」からご紹介。最初に登場したのは、シンプルながら洗練されたデザインで、登山、サイクリング、普段使いと幅広く活躍する、マウンテンハードウェアの「コアエアシェルウォームフーディ」です。
「軽量モデルの代表格で、通常は500~600gのところ、Mサイズで350gと驚きの軽さを実現しています。化繊のモデルですが、適度な保温性と通気性を備えたテイジンの素材『オクタ』を採用し、メッシュ地と起毛面を持つオクタの裏表を使い分けて蒸れやすい部分の通気を確保。ストレッチが効いていて動きやすいですし、表地にはパーテックスという耐久性のある撥水素材を採用しているので多少の雨であれば弾いてくれます。スーツの上に着ても通勤時にジャマになることなく、ラフに畳んで持つことができると好評です」
軽さはもちろん、しなやかな着心地や耐久性にもこだわったのがコロンビアの「ホープパインズフォレストIIジャケット」。裏地には熱反射保温機能「オムニヒートインフィニティ」、表地には撥水機能のある「オムニシールド」を採用するなど、コロンビア独自の技術が集結したモデルです。
「軽量性と耐久性に優れた化繊の中綿入りジャケットです。アウトドアウェアでは耐久性を高めるためにポリウレタンを多用しますが、ポリウレタンには経年劣化しやすいという欠点があります。このモデルは劣化を最小限にするためにマイクロリップウーブン素材を使い、耐久性がありながらもしなやかで快適な着心地を実現。重さも426gと、アウターとしては軽めで、秋口のライトアウターから真冬のミドルレイヤーと、ロングシーズン使える1着です」
続いては、1914年にスウェーデンで生まれたアウトドアブランド、ホグロフスの「ミミック アラート フード」が登場。4Wayストレッチの化繊綿「Mimic SILVER」シートをストレッチ性の高い生地に封入しているので、とにかく動きやすく、タウンユースに最適です。
「化繊綿入りのジャケットですが、綿と生地に通気性が備わり、動くたびにムレを逃してオーバーヒートを防ぐ快適な1着です。とにかく軽量かつ着心地抜群で、動きやすいのが最大のポイント。しなやかな表地には撥水加工が施されているので多少の雨や雪なら弾いてくれます。アウトドア系のジャケットではかなりシンプルなデザインなので、サラッと着たい方にもおすすめ。袖の部分も面ファスナーなどは使わず、キュッと締まったデザインにするなど、軽量・シンプルに徹底しながらも機能性を損なわない工夫が見られます」
ボリュームを抑えたスマートな「3 in 1」で軽快に
かつての3 in 1はゴツくて重いモデルが主流でしたが、最近は化繊のライナーを採用したスマートなモデルが多数登場しています。コロンビアの「アビクアフォールズインターチェンジジャケット」もそのひとつ。アウトドアメーカーの中でもコスパ抜群のコロンビアが自信を持ってお届けするモデルです。
「ライナーにコロンビア独自の熱反射保温機能『オムニヒートインフィニティ』を使っていて温かさが持続するのに、これだけ軽くて持ち運びやすいモデルに仕上げているのがポイントです。アウターの表面には防水透湿機能の『オムニテック』を採用するなど機能性も抜群。雨の日はカッパ代わりにアウターだけ羽織る、軽快にライナー単体で使うなど用途も多彩で、春先、秋口から真冬までいろいろなパターンで活用できます。サイズ感は少しゆったりめで丈も長めなので下からの風の侵入もガード。都心の冬を越すには十分な機能を備えています」
毎シーズン人気が高く、指名買いも多いザ・ノース・フェイスの3 in 1も今期の売れ筋。ライナーに化繊の中綿を使用しているため、ザ・ノース・フェイスの中でもリーズナブルに購入できる1着となっています。
「アウターにはスナップボタンを採用しているためデザインにも個性が出て、機能面でもファスナーの上からフラップを閉じることで雨や風の侵入を防いでくれます。また、襟の中にフードが収納されているため、ふだんはスッキリとした首まわりになるデザインが気に入って購入される方も多くいらっしゃいます。ノースフェイスの中ではかなりリーズナブルながら、アウターには防水透湿性を持つ2層構造のナイロン素材を採用、インナーには軽量で保温性が高い独自開発の中綿『HEATSEEKER』を使うなど、機能的にも一切妥協がありません。『ファスナーだけのほうが開け閉めしやすい』という方のためにファスナーのみのアウターも用意しているため、好みで選べるのもこのモデルの特徴です」
ダウンはすっきり見えるデザインが人気
化繊の勢いはありつつも、やはり“全幅の信頼を置けるのはダウン”という方におすすめのモデルを3着ご紹介。マウンテンハードウェアの「ストレッチダウンフーディ」は、10年の歳月をかけて開発したこだわりのモデル。名前の通りストレッチ性が高く、ダウンでありながら動きやすいのが特徴です。
「リュックを背負う時やショルダーを斜めがけする時も、ダウンならではのもたつきがなく、スムーズに動くことができます。700フィルパワーとダウンの量を備えつつもすっきりとしたデザインで軽いところも人気のポイント。糸を折り合わせることで縫い目をなくし、ダウンの弱点だったコールドスポットやダウンの抜けも大幅に削減しています」
ザ・ノース・フェイスからは温かく軽い定番のダウン「ジップインジップアコンカグアジャケット」をご紹介。表地には軽量な20デニールリップストップナイロンを採用し、撥水加工を施すことで多少の雨や雪をしのぐことができます。
「アウトドア系のジャケットは登山を前提としたモデルも多いため、都心の街中で着るにはオーバースペックのものもあります。このモデルは山岳での行動時に活躍するライナーダウンですが、中綿には遠赤外線効果で保温効果が持続する光電子ダウンを採用しているので、街中であればこれ1着でも十分温かいです。いざとなれば対応のアウターと連結して使うことができるので、これをベースに買い足すこともできます。フードがなく首まわりがすっきりしているのも選ばれるポイントです」
ラストはザ・ノース・フェイスを代表するヘリテージモデル、ヌプシジャケットのウール混モデルをご紹介。ウールならではの上品さが漂う落ち着きのある雰囲気で、マットな質感も個性的です。
「表地はウールとナイロンを組み合わせた素材を採用し、ウールの風合いを生かしながらもナイロンの軽さと強度を兼ね備えています。撥水加工を施しているので、多少の雨や雪にも対応。このモデルは中綿の一部にリサイクルダウンを使用しています。ザ・ノース・フェイスでは三重県にある羽毛布団などのクリーニングを担う大手のリサイクル会社が、山間から流れてくる水できれいに洗浄したダウンを封入しているので、汚れや匂いもありません。値段はやや高価になりますが、環境に配慮したつくりになっています」
ダウンのモデルは環境配慮も含めて変化・進化し、化繊モデルもより軽く、より温かく進化しているアウトドア系のジャケット。今まではダウン派だった方も、最新素材を採用した化繊モデルもチェックして、選びの幅を広げてみるのもいいかもしれませんね。
なお、価格は12月8日の取材時点の税込価格です。


























