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写真でパンパン、サブスク放置? デジタル大掃除でスマホも家計もスッキリ

スマホを数年単位で使っていると、スマホ本体やクラウドストレージの空き容量が尽きたりして、撮影やアプリ更新に支障が出てくることがあると思います。写真や動画が高画質化したことで、以前よりも容量の減りも早くなりました。気づいたら増えていたサブスクも厄介です。使っていないのに契約したままのサブスクなど、地味に家計の固定費として残りやすくなっています。

年末年始ということで、家の大掃除ついでにスマホの中身や毎月の固定費も整理する「デジタル大掃除」も大切です。スマホとクラウドの容量を確保するための写真・動画整理と、使っていないサブスクを洗い出す棚卸しの手順を紹介します。

画像・動画を整理して、容量を確保する

最初にやるべきは、容量の大半を占めやすい写真と動画です。Google フォトやiCloudといったクラウドのプランを上げる前に、写真・動画の整理で十分に回復できるケースが少なくありません。重複写真や不要なデータを減らしつつ、消しすぎる事故は避けていきましょう。

スマホ側では写真アプリの重複統合機能を使います。iOSでは写真アプリのコレクションからユーティリティ内の重複項目に進むと、同一と判断された写真や動画がまとまって表示され、結合できます。結合すると品質が高く関連性の高いデータと判別されたものが保持され、残りは最近削除した項目に移動します。

iPhoneの写真アプリでユーティリティ内の重複項目を選択
重複写真の一覧が表示されるので「結合」をタップする

AndroidでもiPhoneでも、Google フォトを使っている人は、空き容量確保機能が便利です。これは、すでにバックアップ済みの写真や動画を端末から削除して端末の容量を戻す仕組みです。同じ写真を端末とGoogleフォトの両方に残しておく必要は必ずしもないため、これも積極的に行ないましょう。バックアップが完了していない状態で実行すると困るので、実行前にバックアップ状況を確認してから進めましょう。

Google フォトを開いて自分のアイコンをタップ、「このデバイスから◯個のファイルを削除できます」から本体の写真を削除できる
バックアップが取られているかを確認してから削除しよう

画像・動画を一気にダウンロードする

容量整理で一番避けたいのは、あとで必要になるパターンです。特に家族写真や仕事で使う素材は、削除の判断が鈍りがちです。その場合は、先に写真を一括で手元(ローカル)に退避させ、SSDなどの外部ストレージに一時保管してから整理すると心理的な負担が減ります。

Google フォトの一括ダウンロードにはGoogle Takeoutが使えます。Google Takeoutでは、Google アカウントのデータを書き出す手順として、配布方法を選んでエクスポートを作成し、届いた案内からアーカイブをダウンロードする流れになります。写真と動画を大量にため込んでいる人ほど、年末に一度やっておくと安心です。

Google Takeoutのデータエクスポート。データをエクスポートするGoogleサービスを選択してエクスポートする
Googleフォトのコンテンツは、撮影日時やアルバムごとに選択できる
エクスポートに追加するデータを選択したら「次のステップ」をクリック
エクスポートデータの受け取り方を選択して「エクスポートを作成」をクリックする

iCloudの写真は、iCloud.comの写真から選択してダウンロードできます。iCloud.comでは一度に選べる上限があり、最大1,000件までが目安です。ダウンロード時はオリジナルのまま、最高解像度、互換性優先などの選択肢も用意されています。

iCloud.comにアクセスして「写真」をクリック
写真を選択してダウンロードする

Macがある場合は、写真アプリの設定からiCloudを開き、オリジナルをこのMacにダウンロードする設定に切り替える方法もあります。ライブラリ全体を手元に持ちたいときに向いています。

Google Oneでストレージを見える化して、原因から削る

写真の重複整理だけでは容量が確保できないときは、容量の原因を特定しましょう。Google アカウントのストレージはGoogleフォトだけでなく、GmailやGoogle ドライブとも共有されます。つまり、写真を頑張って消しても、実はGmailの添付ファイルやドライブの大容量データが残っていると、状況が改善しないことがあります。
そこで役立つのがGoogle Oneのストレージ管理です。ブラウザでストレージ管理画面を開くと、サービス別の使用量をまたいで確認でき、不要データの候補も提示されます。

Google Oneのストレージ管理画面

真っ先に削除の対象となるのは、ゴミ箱に入っているデータ・メールや迷惑メールです。削除したつもりでも、ゴミ箱や迷惑メールに残っている間は容量を使い続けるため、ここを片付けるだけで回復することがあります。次に大容量ファイルです。動画などサイズが大きいものから見直すと、少ない操作で容量が戻りやすいです。最後に写真側の整理候補で、ぼやけた写真、スクリーンショット、類似写真など、残しておく価値が低いものから削除していくとよいでしょう。

大容量ファイルなど、削除することで容量を確保できるファイルの候補を確認できる

ここまでやってから、増量するかどうかを考えるのが無駄が少ない進め方です。整理で改善するなら、プラン変更は不要ですし、増量する場合も、どこが増えているのかを把握したうえで選べます。

使っていないサブスクを発見する

サブスクの棚卸しもやっておきましょう。まずはクレジットカード明細の確認です。毎月同額で繰り返されている請求や、年1回の更新で発生する大きめの請求は、放置されがちな定期課金のサインです。

明細チェックのコツは、毎月同額と年1回の請求に注目することです。毎月同額はサブスクの確度が高く、短時間で洗い出せます。年1回は契約した本人でも忘れやすい一方で金額が大きくなりがちなので、年末に一度は必ず目を通しておきたいポイントです。カード会社のアプリやWeb明細で、過去数カ月から1年分を並べて見ると、定期的な支払いが見つけやすくなります。

サブスクは、明細の表記が分かりにくいことがあります。代表例を挙げると次のような形で、サービス名がそのまま出ないケースも珍しくありません。表記を見つけたら、同じ金額が継続していないかを確認しつつ、契約時のメールを検索して内容を確認しましょう。

  • APPLE.COM/BILL:Appleの課金全般。iPhoneのサブスクリプション、アプリ内課金、iCloudなどがここにまとまりやすい
  • GOOGLE:Google系の課金全般。Google Playの定期購入、YouTube Premium、Google Oneなどがここにまとまりやすい
  • AMAZON PRIME:Amazonプライム会費。Prime Videoチャンネルなどの追加課金が紐づくこともある
  • SPOTIFY:Spotifyの音楽サブスク
  • NETFLIX.COM:Netflixの動画サブスク
  • DROPBOX:Dropboxのクラウドストレージ有料プラン
  • ADOBE:Adobeのサブスク(Creative Cloud各種など)
  • MICROSOFT 365:Microsoft 365のサブスク(個人向け/家庭向けなど)

表記が曖昧なものはメールを検索するとよいでしょう。請求名の一部や金額、サービス名で検索すると、更新通知や領収書が見つかりやすく、解約ページへの導線も拾えます。逆に、メールやスマホの一覧でも見つからない場合は、ストア外の直接契約や、別アカウントでの支払い、キャリア決済など、支払い元が異なる可能性も考えられます。

スマホのサブスク一覧やキャリア決済合算も確認する

iPhoneのサブスクリプションやAndroidのGoogle Playの定期購入は、ストア経由で契約したサブスクを一覧できるため、明細で見つけた請求と照らし合わせてどの契約なのかを確認できます。不要なら、その場で解約まで進めてしまうと後回しになりません。

iPhoneの場合は、設定アプリを開いて自分の名前をタップし、サブスクリプションへ進むと契約が一覧で表示されます。ここで契約内容を開けば、更新日やプランが確認でき、不要なら停止まで完了できます。

iPhoneの設定アプリを開き、自分のアイコンをタップ
サブスクリプションをタップ
サブスクリプション一覧を確認できる

Androidの場合は、Google Playストアを開いて右上のプロフィールアイコンをタップし、「お支払いと定期購入」から「定期購入」へ進むと契約が一覧表示されます。表示されるのはGoogle Play経由の定期購入なので、不要なものが見つかったらここで解約しましょう。解約後も次回更新日までは利用できることが多いため、期限の確認も合わせて行なうと安心です。

Google Playで自分のアイコン→お支払いと定期購入をクリック
定期購入の一覧が表示される

ここで一覧に出てこない請求が残った場合は、ストア外の直接契約である可能性が高いです。NetflixやAdobeのようにWebサイトで直接契約しているサービスは、アプリではなくサービスのアカウント管理画面から解約するのが基本になります。また、複数のAppleアカウントやGoogle アカウントを使っていると、同じ端末でもアカウントを切り替えないと契約が見えないことがあります。明細にあるのに見つからないときは、まずアカウントの違いを疑い、それでも出なければ直接契約として処理すると迷いにくいです。

もう一つの盲点がキャリア決済です。通信料金に合算される形の継続課金は、クレカ明細ではなくキャリアの請求明細に出ることがあり、スマホのサブスク一覧にも表示されないケースがあります。年末の棚卸しとしては、カード明細で当たりを付け、スマホの一覧で確定し、それでも残るものはサービス側やキャリア明細で確認する、という順番で行なうとスムーズです。

My docomoでキャリア決済合算サービスを確認

年末年始のデジタル大掃除は、写真と動画の整理でクラウド容量を確保し、Google Oneで容量の原因を見える化してから削ると、短時間でも効果が出やすくなります。サブスクはクレカ明細で当たりを付け、スマホ側のサブスクリプション一覧で契約を確定させると、忘れていた支出を拾えます。2025年末に一度やり切っておけば、翌年以降は年1回の棚卸しとして定着し、容量不足と固定費の無駄をセットで防ぎやすくなります。

小出 悠太郎

1990年生まれ、青森出身のWebエンジニア。高専卒業後、放射線業務従事者、Webライター、編集者の職を経て現在に至る。2012年から運営しているブログでは、自作PCやカメラ、スマホといったガジェットのレビューを発信中。エンジニア、ブロガー以外にも、ライター、カメラマンなど、活動は多岐にわたる。