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SBI証券や大和証券など6社、デジタル証券決済にデジタル通貨の実証

SBI証券、大和証券、SBI新生銀行など6社は、セキュリティトークン(ST、デジタル証券)の二次流通市場の発展に向け、デジタル通貨を活用して即時に売買する実証で協業を開始した。

SBI証券、大和証券、SBI新生銀行、BOOSTRY、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)、ディーカレットDCPの6社による取り組み。8月に検証用データで実施していたSTとDCJPYのDVP決済の検証について、STとDCJPYを実際に発行して検証する。

国内のST(デジタル証券)市場は商品性の多様化や取扱金融機関が拡大し、2025年11月末時点で公募発行総額は2,700億円の規模に成長している。一方で、ブロックチェーン上でSTの受け渡しが即座に行なわれるのに対し、資金決済は(アナログ的な手法である)銀行振込のため、証券業界では決済リスクの管理強化と事務負担の軽減が課題になっていた。

こうした課題に対応するため、デジタル通貨を活用したDVP決済方式(証券売買時の同時交換ルール)の標準化と早期の実用化が期待されているという。

プロジェクトでは、BOOSTRYとディーカレットDCPとのシステム連携による新たな決済スキームを、SBI証券と大和証券との間のSTの売買取引で実証する。

これにより、決済リスクと事務負担を低減するDVP決済を、STの二次流通市場における売買の決済方法の一つとして実証し、ST市場のさらなる拡大を目指す。

実証スキーム図

決済手段として利用するDCJPYは、ディーカレットDCPがプラットフォーム提供する、銀行預金をトークン化したトークン化預金。トークン化預金は、価値の安定性や会計処理方式など一般的な預金の性質を有し、ST決済における有力な選択肢と考えられている。

このプロジェクトは、一定期間でまとめるネット決済ではなく、「STの即時グロス決済」を将来目指すための最初のステップに位置づけられている。実証後には結果を周知し、今回検証する新しいDVP決済スキームを、ODXが運営するSTの二次流通市場「START」に参加する複数の証券会社やSTプラットフォームとの間で利用できるよう、関係者間で実用化に向けて検討を進めていく予定。