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2000km歩いて選んだ“お散歩カメラ”【私の2025】

【私の2025】編集部員が2025年に使って気に入ったモノ・サービスなどを紹介します。

散歩が趣味で、週末になると10〜20kmほど歩いています。スマートウォッチのログを確認すると、今年の歩行距離はおよそ2,000km。思った以上に歩いていました。

散歩中は、風景や出来事を写真や動画で記録しています。さまざまなカメラを試しながら歩いているうちに、持ち出す機材は散歩向きのものに自然と絞られてきました。そこで本稿では、今年の散歩を通じてよく持ち出したカメラを簡単に振り返ります。

なお、筆者は綺麗な写真を撮ることよりも、撮りたいと思った瞬間にすぐ撮れることを重視しています。散歩がメインで撮影はあくまでサブであるため、オート撮影前提で気軽に使えるカメラを中心に選んでいます。

Huaweiヘルスケアアプリによると、今年は歩数換算で2,030kmほど歩いたらしいです。ちなみにランニングなども含む距離換算の項目では約2,080kmでした

今年も最強のお散歩カメラ「RICOH GR III」

今年の、というより今年も最も出番が多かったカメラは、リコーの「GR III」でした。「最強のスナップシューター」の愛称は伊達ではなく、起動から撮影までがとにかく速く、シャッターチャンスを逃しません。

写りも安定していて、深く考えずにサッと構えてシャッターを切っても、それなりに画になるのは流石です。夜間の描写も優秀で、薄暗い路地や夜景の散歩でも活躍します。

RICOH GR III

一方、動画撮影機能はそこまでなので、基本的に写真専用です。防水性も高くないので、雨の日はどうしても気を使います。価格帯のこともあり、天候が悪い日は慎重に使っています。

後継機のGR IVも9月に登場していますが、現状GR IIIで大きな不満はなく、買い替えは検討していません。それくらい完成度の高い1台です。

動画を撮るならこれ以上ない安心感「DJI Osmo Pocket 3」

Vlog用として散歩中の様子を綺麗に残したいとき、真っ先に持ち出すのがDJIの「Osmo Pocket 3」です。ジンバル内蔵で手ブレ補正が素晴らしく、暗所でもノイズの少ない映像が撮れるので、夜の散歩でも安心して使えます。

DJI Osmo Pocket 3

景色の良い場所を歩くときには特に出番が多い一方、ジンバルを備えている構造上、持ち歩きの際は保護カバーを装着するなど、少し気をつかいます。今年は景勝地に行く機会があまり多くなかったからか、利用頻度はやや少なかったです。

静止画撮影にも対応してますが、筆者は撮影した動画から切り出す形で画像を出力しているので、スチル機として使うことはほとんどありません。後継機の噂も耳にしますが、これ以上どこを進化させるのだろうと感じるほど、こちらも現行機の完成度が高いです。

利用頻度こそ高くはなかったものの、価格を気にせずお散歩カメラを1台だけ購入するとしたら、この製品をおすすめします。

とりあえず持っていく最小カメラ「Kodak Charmera」

先日、弊誌の記事でも紹介したKodakの「Charmera」も入手して以降、かなり使っています。今回紹介するカメラのなかでは最も小さく、携帯性は抜群です。

Kodak Charmera

見た目のかわいらしさに加え、以前の記事では触れませんでしたが、起動音やシャッター音も魅力で、使っているうちに自然と愛着がわきます。

画質などはトイカメラ相当で、夜間撮影もあまり期待できませんし、カメラで撮っているという感覚もあまりありません。それでも、散歩の記録としては問題ないと感じています。

コンデジすら持ち歩かず身軽に散歩したいときや、ちゃんとしたカメラを構えるほどではないけれど写真には残しておきたい場面で活躍しています。

2台目のお散歩カメラに「Kodak PIXPRO FZ55」

Charmeraと同じくKodak製の「PIXPRO FZ55」は、2023年頃から人気のコンデジです。ズーム機能を搭載し、モノクロ撮影もなかなか雰囲気のある仕上がりになります。

GR IIIより小型で特に薄く、胸ポケットに入れておける携帯性の良さが魅力。価格も2万円台と手頃で、雨などの天候を気にせずに気軽に使える点も好印象です。

Kodak PIXPRO FZ55

手ブレ補正などは価格相応で、ブレないようにするにはしっかり脇を締めて撮る必要がありますが、撮れる写真も含めてどこか昔のフィルムカメラを感じるので、嫌いではありません。

フラッシュ搭載ですが、夜間撮影はたまに面白い写りになるものの、こちらもあまり期待できません。端子がMicro USBなのも微妙な点です。Charmeraよりはカメラで撮っている感覚もあるので、2台目のお散歩カメラとして適しています。

GR IIIとのサイズ比較

写真も動画も1台で「Insta360 Ace Pro 2」

最後に紹介するのは、Insta360の「Ace Pro 2」です。今年最後に購入したアクションカメラで、専用のカメラグリップ「ストリート撮影グリップ Pro」を装着することで、コンデジのような使い勝手になります。

Insta360 Ace Pro 2

このグリップが非常に優秀で、アクションカメラとは思えない撮影体験が得られます。かなりの広角撮影もでき、散歩中に使っていて楽しいカメラです。

夜間撮影は、GR IIIやOsmo Pocket 3の気軽さや綺麗な描写には一歩及びませんが、2機種を100点としたら体感で90点くらいで、十分に実用的。起動後にグリップ接続まで数秒かかる点は気になりますが、両機種の良いところを程よく持っている1台という印象です。

グリップが拡張バッテリーも兼ねていることもあり、バッテリー持ちも良好で充電が必要にならず1日快適に使えています。撮影モードの切り替えもしやすく、写真も動画も撮る散歩で1台だけ持っていくとしたらこのカメラを選びます。

ストリート撮影グリップ Pro装着時
露出調整などができるダイヤルやズームノブも搭載する

来年も沢山歩いていろんなカメラを使いたい

今回紹介したカメラを、利用頻度や出力した写真・動画の数など、実際の散歩での活躍度をもとにランキング形式でまとめると以下の通りです。

  • 第1位:RICOH GR III
  • 第2位:Insta360 Ace Pro 2
  • 第3位:Kodak Charmera
  • 第4位:DJI Osmo Pocket 3
  • 第5位:Kodak PIXPRO FZ55

今年は、新たに購入したコンデジや少し変わったトイカメラ、散歩中に衝動買いしたフィルムカメラなど、大体15~20機種ほど試しました。とはいえ、出番が多かったのはやはり人気モデルで「結局これが便利だった」というランキングになりました。

なお、大きめの一眼レフなどがランクインしなかったのは、2024年に引き続き厳しい暑さが続いたことが理由です。できるだけ身軽に歩きたくなり、自然と小型カメラばかり使うようになった結果、プライベートで一眼レフを持ち出す機会が減りました。

また、「スマホで十分では?」と思われるかもしれませんが、カメラを持っているからこそ撮る場面が確実にありますし、筆者はデジタルデトックスとしてスマホを持たずに散歩する日も多いので、スマホもランク外となっています。

2026年も沢山歩き、カメラを楽しめたらと思います。そして、新しいお散歩カメラとの出会いも楽しみにしています。

浅井 淳志