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大阪に新たな街「グラングリーン大阪」 うめきた2期開発を見てきた

JR大阪駅前で進められている「うめきた2期地区開発事業」のプロジェクト名称が、「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」に決定した。約45,000m2の都市公園を含む新たな街が、2024年夏頃に先行まちびらきとなる。全体まちびらきは2027年度。

三菱地所を代表企業とするうめきた2期開発事業者JV9社が推進する事業。北街区賃貸棟、南街区賃貸棟、北街区分譲棟、南街区分譲棟、都市公園で構成される。賃貸棟は商業、ホテル、オフィス、およびイノベーション創出などを目的とした中核機能を有し、分譲棟は住宅となる。地区面積は約91,150m2。2024年夏頃に開業するのは、北街区のホテル、中核機能施設、商業施設および都市公園の一部。

グラングリーン大阪全景 完成予想イメージ(提供:グラングリーン大阪開発事業者)
プロジェクト概要

各棟の敷地面積、階数は、北街区賃貸棟が約8,400m2、地上26階・地下3階、南街区賃貸棟が約25,260m2、地上39階・地下3階(西棟)および地上28階・地下3階(東棟)、北街区分譲棟が約7,320m2、地上46階、南街区分譲棟が約5,170m2、地上51階・地下2階。

場所はJR大阪駅前で、駅からは地下道で直結。また隣接するグランフロント大阪とは、2階レベルでデッキで接続する。なお春のダイヤ改正日に、開発エリアに隣接する位置にて「うめきた地下口」が利用開始となる。

アクセス
グランフロント大阪とデッキで接続

プロジェクトのコンセプトとして「“Osaka MIDORI LIFE”の創造 『みどり』と『イノベーション』の融合」を掲げており、中央に配置している都市公園を中心として生まれる自然と都市の融合を目指す。

1/1,000模型。中央の緑がある部分が都市公園

グラングリーン大阪という名称には、「グリーン」という名前が表す“みどり”に、公園を中心として生まれる「自然と都市の融合」というテーマ、多様な人が集い、出会い、お互いの個性を生かし合うことで、いくつもの可能性を解放させ、ここで過ごす時間を積み重ねるほどに新しい世界を広げてもらいたいという想いが込められているという。

ロゴマークも決定。かたちにとらわれない有機的なフォルムで構成されたデザインにより、このまちから生まれる多様な「息吹」を表現している。また、2つの「g」を描くイエローは、“みどり”になくてはならない「太陽」をイメージしている。

三菱地所 うめきた開発推進室 室長 菅沼健太郎氏(左)、執行役常務 木村透氏(右)

公園内では、リフレクション広場や大屋根イベントスペースといった都市公園運営の拠点としてのにぎわい創出機能、新しい都市公園の利活用を創出するイノベーション機能、快適な公園利用をサポートする飲食機能を設置。広場では1万人規模のイベントの実施も可能だという。

大屋根施設の一部として、大屋根イベントスペースとともに情報発信棟を設置。凸版印刷が事業者JVとパートナーシップを組んで運営を行なう、都市公園の新しい在り方やライフモデル(“Osaka MIDORI LIFE”)を提案する体験型の情報発信スペースとして展開する。施設コンセプトは「Ethical-tainment(エシカルテインメント/EthicalとEntertainment を融合した造語)」。都市公園やまちの総合的な情報発信・案内機能、企画スペース、企業や団体向けに貸し出す多目的ギャラリーで構成する。

大屋根施設 外観イメージ(提供:グラングリーン大阪開発事業者)
模型で見る大屋根施設周辺
大屋根施設およびリフレクション広場周辺のの工事状況。白い部分が大屋根施設
情報発信棟 内部イメージ(提供:グラングリーン大阪開発事業者)

イノベーション機能の1つとして、都市公園内に立地する「(仮称)ネクストイノベーションミュージアム」がある。施設の運営は、「NIFREL」(吹田市)、「átoa」(神戸市)をはじめとした文化施設の設計・施工・運営実績を有するトータルメディア開発研究所と、グランフロント大阪ナレッジキャピタルの総合プロデューサーが代表を務める野村卓也事務所の2社共同体制に決定。「Inno-tainment(イノテインメント/InnovationとEntertainmentを融合した造語)」をテーマとした運営を行なう。

同施設では、新しい製品や技術、サービス、アートなど、ライフデザイン・イノベーションに資する「モノ」や、イベント・プログラム等の様々な「コト」に触れられる形態のミュージアムを展開。天井高さ15mを誇る大展示室、イベント利用も可能なホワイエ、公園利用者・施設来館者が利用できる飲食・物販機能を併設する。

ネクストイノベーションミュージアム 外観イメージ(提供:グラングリーン大阪開発事業者)
天井高さ15mの大展示室イメージ(提供:グラングリーン大阪開発事業者)
同施設周辺の工事状況

先行まちびらきに向けては、北街区の賃貸棟が上棟、南街区の賃貸棟の建設が進められている。分譲棟は未着工。

北街区 賃貸棟
南街区 賃貸棟

先行まちびらき後は、'25年春頃に賃貸棟全面開業(南街区のオフィス・ホテル・中核機能施設・商業施設)、'27年度に全体まちびらきの計画。なお、エリア西側を縦断している東海道線支線約1.7kmの地下化に向けた工事が進められている。

グラングリーン大阪および周辺の模型。左右の白い建物は分譲棟
エリア西側の鉄道地下化に向けた工事が進められている

2期開発事業者JV9社は、三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社。都市公園の工事においてはJV9社と大阪府・大阪市、都市再生機構(UR都市機構)が連携する。

なお開発エリア内の中央付近は、グランフロント大阪側から新梅田シティ側へと通行できる通路となっており、そこにはうめきた2基地区開発事業に関する情報が掲出されている。

開発エリア内の中央付近に一般利用可能な通路が設置されている