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スターバックス、「モバイルオーダー」開始。アプリ事前決済で行列無し

スターバックス コーヒー ジャパンは、東京都内の56店舗において、アプリを通じて注文・決済を事前に完了し、店舗で商品を受け取れる「Mobile Order & Pay」を6月26日より開始する。ロイヤリティプログラム「STARBUCKS REWARD」参加者向けのサービスとして展開する。

「Mobile Order & Pay(モバイルオーダー&ペイ)」では、注文のためにレジの列で待つ必要がなく、待ち時間緩和や時間の有効活用が可能。店外でもスタバのコーヒーが楽しめる「TO GOスタイル」として展開する。利用には、スターバックスモバイルアプリが必要で、決済はスターバックスカード経由のみとなる。

対象商品は、ドリンクがドリップコーヒー、コールドブリュー コーヒー、カフェミスト、スターバックスラテ、カフェアメリカーノ、マキアート、ティー、フラペチーノなど。ミルクの変更やエスプレッソショット追加などの「カスタマイズ」にも対応する。

26日朝にアプリをアップデートし、モバイルオーダーが利用可能となる。新アプリのホーム画面に[オーダーする]が追加され、対応店舗を選択。店舗から商品、カスタマイズと進み、好みのドリンクを事前にオーダーできる。

アプリのトップから[オーダーする]
カスタマイズも可能

オーダーを確定すると、登録済みのスターバックスカードで決済。豆の原産国と番号による受取番号が発行され、店舗でドリンクを受取可能になる。

店頭でのカスタマイズに気後れしてしまう場合でも、アプリ上で気軽にカスタマイズが可能という。また、カスタマイズした注文を、履歴から簡単に再オーダーするといった使い方も可能。

注文完了。「メキシコ25」が受け取り番号

今回は「ダークモカチップクリームフラペチーノ」のトールを、ミルクを低脂肪乳に、フラペチーノをフラペチーノローストにカスタマイズして注文。筆者がスタバで注文するときは、そもそも「何をカスタマイズできるか」がわからないのでほぼメニューそのまま注文しているが、アプリにガイドがあることで「カスタマイズの仕方」が理解できるようになる。なお、店頭のほうがカスタマイズの幅は広いという。

モバイルオーダーしたドリンクは、カウンターで受取可能。スマホに表示される番号と、ドリンクの番号を照合し、そのまま持ち帰れる。

カウンターで受け取り

6月26日からスタートするのは、「大手町・丸の内エリア」を含むオフィス街や中央線、京王線沿線のショッピングモールや住宅街、繁華街に立地する都内56店舗。今後オペレーションの最適化などを進め、2019年末までに300店舗での展開と、2020年内の全国展開を予定している。

対象店舗のスターバックス 丸の内ビル店
TOGOスタイルを訴求
都心のビジネス街と都下の店舗で展開

なお、モバイルオーダーは、スターバックスモバイルアプリのみから利用可能で、「LINEスターバックスカード」からは利用できない。LINEではSTABUCKS REWARDプログラムに参加できないため現時点では利用不可だが、将来的な対応は検討していくという。

狙いは行列の解消。軽減税率での持ち帰り増に対応

モバイルオーダーは、すでに米国、韓国、カナダ、香港、イギリス、中国などで展開中。日本での展開が今になった理由を、スターバックス コーヒー ジャパンの森井久恵CMOは、「スターバックスリワード会員が430万人を超え、ロイヤリティの高い会員基盤できたため」と説明。これまで一番の課題となっていた、「行列」や「レジ混雑」の解消に向け、アプリから自由にカスタマイズし、注文できるというモバイルオーダーを推進する。また、10月からスタートする軽減税率により、持ち帰り客の増加が予想されることも、モバイルオーダー導入の一因とする。

まずは、ドリンクを中心に40品目程度でスタート。定番商品が中心と鳴っているが、限定商品は、万一オーダーを受けたあとに材料がない場合の対応が難しいため、まずは定番商品からスタートするとのこと。またフードの導入についても検討していく。

導入店舗もまずはビジネス街が中心で、毎日のように来店するロイヤリティの高い利用者の満足度向上を狙う。米国でのモバイルオーダー比率は約16%で、「売上ポジティブな影響がある」(スターバックス コーヒー ジャパン 濱野努 デジタル戦略本部長)としており、日本でも軽減税率の導入とあわせて拡大を図る。