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「DAZN高い」への回答 「ドコモMAX」が面白い【Watch+】
2025年4月26日 09:20
NTTドコモから新料金プラン「ドコモ MAX」が発表されました。従来の「eximo」の実質的な後継プランとなりますが、最大の特徴は月額4,200円相当の「DAZN for Docomo」が”付いてくる”ことです。
データ容量無制限の場合、ドコモ MAXの料金は月額8,448円。従来のeximoでは7,315円だったため、単純には1,133円の値上げです。ただし、eximoにDAZNの4,200円を加えると11,515円なので3,067円割安になるともいえます。
DAZNと連携する料金プランは、auの「使い放題MAX 5G / 4G DAZNパック」のようにDAZNをセットとして“選べる”プランのほか、ドコモでも対象サービスのセット利用で、dポイントを追加で付与する「爆アゲ セレクション」を展開しており、DAZNもその対象でした。
しかし、ドコモ MAXはドコモの通信とDAZNが完全に「セット」で切り離せません。
ドコモ MAXは、「ahamo」と「ドコモ mini」に並ぶドコモの核となる料金プランですが、そこでDAZNという“他社サービス”が内包した形になります。これには驚きましたし、最初の感想は「これってありなんだ……」というものでした。
DAZNが不要という人にとっては、あまり歓迎できないプランともいえ、「DAZNを外したい」という人もいるでしょう。発表会でもそういった意見がかなり聞かれましたが、ドコモでは若い人の9割がスポーツを見ていること、プロ野球で1,000万人、サッカーも1,000万以上など「(スポーツ好きは)決してマイノリティではない」(NTTドコモ 齋藤 武 副社長)と自信を見せていました。
「記者」としての自分は、発表を見ながら「DAZNが不要な人はどうすれば?」「注釈が多くてわかりにくい」「ahamoのようにシンプルなプランが好ましいのに……」などと感じていました。
一方、「DAZN for docomo」の優待価格(3,000円)のために、ドコモのeximo契約をしぶしぶ続けている「消費者」としての自分にとっては、この「ドコモ MAX」は歓迎したいプランになっています。
現在の契約である「eximoポイ活」が10,615円+3,000円の13,615円から、「ドコモ ポイ活 MAX」は11,748円となります。d払い/dカードでの5万円程度の決済をすれば、ここから5,000ポイント相当を相殺できるため、これまで8,000円台の月の支払いは、6,000円台まで引き下げられそうです。これはDAZNとドコモ料金の“負担感”はかなり軽減されそうです。
発表会では、「2025年のドコモは料金にイノベーション」と切り出し、「従来のデータ利用量に応じた料金プランだけでなく、顧客の多様化に応える『ドコモならでは』のプラン」を目指したと語っていました。そこに「スポーツの熱狂」という価値を組み込んだのが「ドコモ MAX」というわけです。
ドコモ MAXは、DAZNユーザーであれば嬉しいですし、「スポーツを手軽に見たい」というドコモユーザーには最適なプランでしょう。逆に言えばDAZNもスポーツも興味がない、という人にとっては、選ぶ価値が薄いプランとも言えます。
こうした「人を選ぶ」プランをドコモのコアとなる料金プランに入れてきたのは驚きですが、ドコモはスタジアムの運営などで、スポーツ事業を強化している最中。スポーツ事業を強化している昨今の「ドコモならでは」のプランとなっています。
発表会では、ゲストとしてサッカー解説者の槙野智章さんらも登壇。その中で槙野さんは、DAZNの番組やコンテンツがいかに素晴らしいか、レフリーカメラなどの新たな取り組みとともに熱弁していました。一方で、ユーザーの声として「(DAZNは)巷では高いと言われている」とも言及していました。通常企業の発表会ゲストは、企業にとってネガティブな発言はご法度ですが、槙野さんはDAZNの価値を熱弁して「全然高くない」と語りながら、何度かユーザーの声としての「高い」に触れていました。
たしかに、相次ぐ値上げによりDAZNは「高い」と言われてきましたし、筆者もそう感じています。
ご法度の「DAZNは高い」というユーザーの声に触れつつも、DAZNの魅力を熱弁する槙野さんの姿を見ながら、こうしたユーザーの声への回答として、「ドコモ MAX」の提案は説得力があるようにも感じられました。