いつモノコト

AIを装着するメガネ「OWNDAYS CONNECT」 1.6万円の大きな魅力

OWNDAYS CONNECT

HUAWEI EYEWEAR 2を購入してからというもの、オーディオグラスが当たり前になっている筆者ですが、新たに「OWNDAYS CONNECT」を購入しました。

名前の通り眼鏡専門店のOWNDAYSが販売するオーディオグラスで、マイクやスピーカーを搭載し、音楽を聴くだけでなくビデオ会議や電話も対応できる製品です。

最大の特徴は16,000円という価格。HUAWEI EYEWEAR 2の一番安価なモデルが32,800円のため、半額以下で購入できます。

なお、HUAWEI EYEWEAR 2はOWNDAYS CONNECTの発売後も併売されています。ほぼ同じコンセプトの製品をOWNDAYS単独で発売することでHUAWEIとの関係性も気になるところですが、HUAWEI EYEWEAR 2は高性能モデル、OWNDAYS CONNECTは安価なモデルという棲み分けなのでしょうか。

以下、筆者がこれまで愛用していたHUAWEI EYEWEAR 2と比較しながらOWNDAYS CONNECTの使用感を紹介します。どちらも名称が長いため、以降は「HUAWEI」「OWNDAYS」と略すことにします。

音を「装着」する体験 機能は必要十分

機能面は安価なこともあって非常にシンプルです。左右のツルにボタンが1つずつ搭載されており、2つのボタンを長押しでペアリングおよび電源オンオフができます。また、ボタン1回押しで音量、2回押しで一時停止、3回押しで早送り/早戻し、長押しでAIアシスタント呼び出しが可能です。専用アプリなどは用意されておらず、ボタンの割り当てを変更することはできませんが、必要な操作は一通り揃っていると感じました。

左右のツルに操作ボタン、その後ろにマイク
ツルの内側に充電端子、外側にあるシルバー部分は音漏れ防止ホール

HUAWEIは装着に連動してBluetoothの接続や解除が行なわれるのですが、OWNDAYSはボタン操作で電源オフにしない限り、外した状態でもBluetoothが接続したままです。また、充電のたびに電源がオフになるので、充電してから装着する際には都度電源をオンにする必要があります。

以前のレビューではHUAWEIの装着感を「音を着る感覚」と表現しましたが、都度電源操作が必要なOWNDAYSは「音を装着する感覚」のほうが近く、服というよりデバイスを都度身につける利用感です。

ただ、都度電源オンにする操作に慣れればよいので、映画館や飛行機内などで明確に電源をオフにできることがメリットと感じました。

HUAWEI EYEWEAR 2(左)とOWNDAYS CONNECT(右)

装着感はややきつめ 充電は一癖あり

HUAWEI EYEWEAR 2には非常に満足していたのですが、筆者にとって唯一不満だったのが装着感です。

購入したときにHUAWEIはツルの部分のサイズ調整ができないと店員さんからも言われていたのですが、筆者には少しサイズが大きく、下を向いただけで眼鏡が落ちてしまうことも多々ありました。そのため、もう少し頭にフィットしたモデルが欲しいと思っていました。

OWNDAYSはその点見事にクリアしており、HUAWEIよりもきつめの装着感なので下を向いても落ちることはありません。ただ、こちらもサイズ調整できない機構のため、頭部のサイズが大きい人は逆に締め付けられる感覚があるかもしれません。

OWNDAYS CONNECT正面

また、耳にかける部分(モダン)が大きめのためか、ヘッドフォンを装着した際にモダンが押しつけられて痛みを感じ、長時間の併用は断念しました。これも人によるものの、購入の際には事前の試着と、ヘッドフォンを多用する方はヘッドフォン装着も合わせて試すことをお勧めします。

充電はマグネット式で、二股に分かれたコネクタをツルの内側に装着します。コネクタは見た目からはわかりにくいのですが上下があり、間違って装着すると磁力で反発されて装着できません。本レビューが終わったらシールなど貼り付けて上下をわかりやすくカスタマイズしようと思っています。

充電ケーブル
充電
HUAWEI EYEWEAR 2の充電方法

ビデオ会議レベルであれば十分な音質

HUAWEIとの音質も比較してみましたが、比較すれば多少HUAWEIが音質、音量ともに上かなという印象はあります。ただ、筆者があまり音質にこだわりがないということもあり、さほど違いは感じません。

マイクの性能も本体録音とビデオ会議「Zoom」での録音を試しましたが、本体録音だと音質の差は感じられるものの、圧縮音源となるビデオ会議ではその差もさほど大きくありませんでした。ビデオ会議などで使っても今のところ「聞き取りにくい」などのフィードバックはなく使えています。

・OWNDAYS CONNECTの音声(0.74MB)

・HUAWEI EYEWEAR 2の音声(MP3)(0.66MB)

また、HUAWEIは2台の機器に同時接続できるマルチポイントに対応していますが、OWNDAYSは最初に設定した1台のみに接続します。

マルチポイントは便利な一方で、パソコンでビデオ会議している最中にスマートフォンに電話があると音が切り替わってしまう、というアクシデントも発生します。接続はあえて1台に絞る方が使いやすいかもしれない、と最近は感じ始めています。

外出先での使用も音漏れ防止機能があり、よほど静かな場所でない限り周囲にはあまり聞こえません。公式サイトには約5dB漏れとの記述がありますが、知人に協力してもらって試したところ、喫茶店やレストランくらいの騒音状況であればほとんど気がつかれませんでした。

また、HUAWEIは装着のたびに電源がオンオフされる関係で、イヤフォンで音楽を聴いているのにHUAWEIを装着すると出力がHUAWEIに切り替わってしまい、手動で戻す必要がありました。その点、電源が入りっぱなしのOWNDAYSは、イヤフォンで音楽を聴いている時はそのままで、イヤフォンを外すとOWNDAYSに切り替わるためスムーズに切り替えできています。

連続再生時間はHUAWEIが音楽再生で最大11時間、音声通話で最大9時間に対してOWNDAYSは音楽連続再生時間が8時間と少なめですが、音楽をしっかり聴きたいときはイヤフォンを併用していることもあり、1日の間にバッテリーが切れて困ることはありませんでした。

ボタン長押しでAI呼び出し 手軽にAIを活用できる

日常に馴染みつつあるAIとの親和性の高さもオーディオグラスの魅力です。

片側のボタンを長押しするとスマートフォンのAIアシスタントを呼び出して音声で操作できます。筆者がGoogleのGeminiを設定しており、AIにその場で音声で質問するのはもちろん、後で思い出したいことを音声でリマインダー登録したり便利に使っています。

スマートフォンのボイスレコーダーを立ち上げれば、会議の録音にも便利。机の上に置く専用レコーダーに比べると自分の声の録音が中心にはなってしまうものの、わざわざレコーダーを置かずに音声議事録が録れます。もちろん、周りの方へのプライバシーの配慮にはご注意ください。

筆者は家の中にスマートスピーカーを何台も置いているのですが、台数が多すぎるため「OK Google」と発声すると複数のスピーカーが反応してしまい、うまく認識しない、ということもありました。Geminiを使えばスマートスピーカーも操作できるので、「OK Google」を使わずに、OWNDAYSのボタン長押しでGeminiを呼び出し、「リビングの電気を消して」と宅内の機器をコントロールする、という小技も地道に便利です。

低価格でスマートグラスの入門機に最適

スペックではHUAWEI EYEWEAR 2には劣る面もあるものの、眼鏡をかけるだけで音楽を聴いたりビデオ会議に参加できる基本性能はそのまま体験できるOWNDAYS CONNECT。また、明示的に電源をオンオフできるといったメリットもあります。

何より価格が1.6万円と安く、2台買ってもHUAWEI EYEWEAR 2相当の金額で済みます。2台購入して仕事用にはブルーライトカットや度を落とし、外出用は度を上げる、といった使い分けもできそうです。オーディオグラスの入門としてお勧めの1台です。

甲斐祐樹

インプレス記者から現在はフリーライターに。Watch時代にネットワーク関連を担当していたこともあり、動画配信サービスやスマートスピーカーなどが興味分野。個人ブログは「カイ士伝