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AIで拡張するグーグル Gemini 3.5やYouTubeと会話などエージェント新展開

Google スンダー・ピチャイCEO

Googleは19日、開発者会議「Google I/O 2026」を開催し、サービスや新技術の今後の展開について紹介した。最新モデルの「Gemini 3.5」のほか、新たなコンテンツモデル「Gemini Omni」、AIスマートグラス、AIエージェント「Gemini Spark」などを披露した。

それぞれのサービスについては別記事でも紹介しているが、その他を含めてGoogle I/O 2026の主要トピックをまとめた。

AIで拡張するGoogleのサービス AIで検索は対話になる

Googleのスンダー・ピチャイCEOは、Googleのサービスでは2年前に月間9.7兆トークンを処理していたことを紹介。25年は約480兆トークンにまで増加したが、今日ではその数は7倍となり、「月間3.2京トークンを超えた」とし、Googleサービスを含め、AIがいかに使われるようになったかを数字の上で説明した。

また、月850万人以上の開発者が、Googleのモデルを使用して新しいアプリなどを展開し、APIは現在、1分あたり約190億トークンを処理。375社以上のGoogle Cloudの顧客がそれぞれ1兆トークン以上を処理しており、あらゆる業界からAIが求められているという。

Google 検索においては、AIの導入以降もクエリ数は減らず、むしろ大幅に伸びているという。

「AI Overviews」の月間アクティブユーザー数は25億人を超え、「AIモード」は開始から1年で月間アクティブユーザーが10億人を突破。検索でAI機能を利用することで、検索の利用頻度は高まるとしており、「検索は、個々のクエリから、継続的な対話のようなものへと進化した」という。

その上で今回、AIモード検索に新しい「Gemini 3.5 Flash」モデルを導入するほか、検索ボックスについてもGoogle 検索の登場以来の刷新を行ない、テキスト、画像、ファイル、動画などの形式を組み合わせて検索できるようになる。

What’s New in Search

Geminiアプリについては、月間アクティブユーザー数が昨年の4億人から、9億人を突破。リクエスト数は7倍以上に増加しており、よりパーソナライズされたサービスに強化している。

YouTubeで見たい部分をすぐに見られる「Ask YouTube」

「対話」を活かしたサービスとしては、「Google マップ」の「Ask Map」を一部地域で開始したほか、今後の展開として、「Ask YouTube」を紹介した。

Ask YouTubeは、YouTubeでの動画検索の体験を会話型AIで完全に再構築するもの。例えば、「3歳の子供にペダル付き自転車の乗り方を教えたい」といった質問をすると、要点とともに役立つヒントなどを表示。加えて、最適な動画と関連部分へのジャンプのリンクを表示する。

単に動画を知らせるだけでなく、動画内の「関連性の高い部分」に直接ジャンプして視聴できるようになる。AIが会話の文脈を記憶して、フォローアップ質問などにも対応する。

Ask YouTubeはテスト段階で、2026年夏から米国で開始予定。

Google新サービスの基盤となるのが、新しい「Gemini 3.5」だ。19日からGemini 3.5 Flashが提供開始され、6月にはProモデルも提供予定。

Gemini アプリも大幅に強化するほか、Gmail、Docs、Keepに音声機能を追加。「Docs Live」は、音声入力した内容をもとに文書構成や下書き作成を支援する機能。ユーザーが話した内容を整理し、アウトラインの作成やトーンの調整を行なう。許可を得たうえでGmail、Google Drive、チャット、Webの情報も参照し、音声でドラフトを修正できる。

Create documents with Docs Live

Gemini 3.5を核に全方位でサービス強化

ほぼ全てのサービスの核となるのが、最新のAIモデル「Gemini 3.5 Flash」だ。エージェント型の作業、コーディング、長時間にわたる複雑なワークフローへの対応を重視している。Proモデルは6月に公開予定。

Gemini Sparkは24時間365日稼働するエージェント。問いに答えるだけでなく、ユーザーの指示に基づいて作業を進める機能として位置づける。Gmail、Docs、SlidesなどのWorkspaceアプリと連携し、バックグラウンドで動作する。

パーソナライズされたAI体験が特徴で、利用例として、毎月のクレジットカード明細を解析して隠れたサブスクリプション料金を検出したり、子どもの学校から届くメールを確認し、重要な締め切りを抽出して日々のダイジェストを送るといった活用を紹介している。

また、26年夏後半には、SparkがChrome内で直接動作し、Web全体にわたるエージェント型ブラウザとして機能するようになる。

開発者向け環境の「Google Antigravity 2.0」も紹介し、スタンドアロンアプリ化。コーディングだけでなく、自律型AIエージェントを開発・管理するためのプラットフォームと位置づけていく。

動画を次の次元に「Gemini Omni」と「Google Flow」

また、Geminiの推論能力と生成能力を融合し、動画などのあらゆる入力からのメディア生成に対応する新たなモデル「Gemini Omni」も公開した。

映像制作ツールとなる「Google Flow」は、Omni対応により強化。動画に特化した「Nano Banana」のように活用し、プロンプトや動画、画像を組み合わせた、動画生成・編集を柔軟に行なえるようにした。

Introducing Tools in Google Flow

また、コンテンツの来歴記録についても、C2PAの導入を拡大するほか、OpenAIなど他社との連携による、コンテンツの信頼性向上の取り組みも行なっている。

ショッピングにもAI 「Universal Cart」

エージェントコマース関連では、インテリジェントなショッピングカート「Universal Cart」を発表。Google上でのショッピングにおける、新たなハブと位置づける

Universal Cartは、店舗やサービスを横断して機能するため、Google 検索で商品を閲覧しているとき、Geminiとチャットしている時、YouTubeを視聴している時などでも、そのまま商品をカートに追加できる。

カートに商品を追加した瞬間から、バックグラウンドで動作し、お買い得情報や値下げを自動で見つけたり、価格履歴のインサイトを提供したり、商品の在庫が入荷した際に通知する。

また、推論を用いてユーザーのニーズを予測し、問題になる前に解決をサポートする。例えば、初めて自作 PC を組み立てるために、小売店から部品を選んでカートに入れた場合、Universal Cartが部品同士の互換性の問題を自発的に検知し、代替品を提案。カートは、Google ウォレットをベースに構築されているため、ユーザーが使っている決済手段の特典やポイント情報、加盟店のお買い得情報などを把握し、割引やポイント獲得のチャンスを提案する。

購入は、Google Payなどに対応。Nike、Sephora、Target、Ulta Beauty、Walmart、WayfairなどのオンラインストアやShopify加盟店で順次利用可能となる。

Androidの先に

ハードウェアについては、開発中の「Android XR」について、ディスプレイ型ではなく、オーディオグラス型の新製品を今秋に発売する。「Hey Google」と声をかけるか、フレームの側面をタップすると、Geminiが起動。周囲の世界について質問したり、代わりにタスクを実行するよう依頼できる。

Androidでは、AIエージェントの稼働状況を画面上部に表示する新機能「Android Halo」をプレビュー公開。エージェントがタスクを実行中、ライブモードへの移行時やメッセージ送信時に、スマートフォン画面の上部へ通知。画面を離れずに、エージェントの稼働を確認できる。

また、Google I/Oの一週間前には、Android向けに「Gemini Intelligence」や新たなノートPCプラットフォーム「Googlebook」を発表。これらを踏まえて、2026年のGoogle製品は強化されていくこととなる。