いつモノコト

空間に画面が浮かぶ「XREAL One Pro」が手放せない

XREAL One Pro

カフェや出張先のホテルで仕事をしていると、「もう少し大きい画面で、広々と作業したいな」と思うことがよくあります。以前はモバイルモニターを持ち歩いていた時期もありました。ただ、荷物は重くなるし、電源や設置場所の確保も必要。“便利だけど、ちょっと面倒”という存在でした。

そんな中、2025年1月にスマートグラス「XREAL One」が発売。“持ち歩ける外部ディスプレイ”としての快適さにすっかり魅了され、外出時の必需品になりました。Amazonでの価格は62,980円(4月10日時点)。

さらに同年7月には、上位モデルである「XREAL One Pro」が登場。すでにXREAL Oneを持っていたので迷いましたが、発売日に思い切って購入。以来、ずっと私のメイン機として活躍しています。Amazonでの価格は84,980円(4月10日時点)。です。

画面を空間にピタッと固定! モバイルディスプレイ以上の快適さ

XREAL One Proをかけると、目の前の空間に巨大な画面がピタッと固定され、空間上に浮いているように表示されます。XREALが独自開発した「X1」チップのおかげで、スマホ・PC・タブレットなど、映像出力できるデバイスならなんでもつながるのが最高です。出力デバイスのスペックに依存せず、常にサクサク快適に動いてくれます。

XREAL One Proをかけたときのグラス内の様子

グラス内の写真はスマートフォンのカメラで撮影しているため、少し粗く表示されていますが、実際の肉眼ではくっきり映っています。

グラス単体では、回転3軸(ロール・ピッチ・ヨー)の動き、つまり首を縦横に振ったり傾けたりする顔の向きに合わせて画面が追従する「3DoF」で動作します。さらに、別売りのカメラモジュール「XREAL Eye」を取り付けると、上下・左右・前後の平行移動(奥行きなど)を加えた「6DoF」に対応します。

普通のモニターを使っているとき、細かい文字を見ようと無意識に画面をのぞき込むことがありますよね? XREAL Eyeを付けた状態なら、あの“のぞき込む動作”をするだけで、目の前の仮想ディスプレイが自然に拡大表示されます。これが本当に直感的で便利。

別売りのカメラモジュール「XREAL Eye」

また、画面比率は32:9、21:9、16:18といったウルトラワイド表示にも対応。XREAL Eyeを使って体を後ろに引けば、画面全体を視界に収めることもできますが、基本的には巨大なウルトラワイド画面の“一部が視界に切り取られて”映し出されます。首を横に振ることで、見えていなかった残りの部分を確認できる仕組みです。私は出先では「21:9」にして、ウィンドウを2つ並べて広々と作業することが多いです。

XREAL One Pro のワイドスクリーンモード(32:9で全体表示)
普段は、ワイドスクリーン内の一部を切り取って表示。首を横に振ると他の部分も確認できます

表示モードも優秀です。空間上に画面を完全固定する「固定」「ワイドスクリーン」モードのほか、視線の先に画面が常についてくる「追跡」モードも搭載。 例えば、航空機や新幹線に乗っているとき。XREAL Eyeを付けて空間に画面を固定してしまうと、乗り物の揺れやカーブに合わせて画面がずれてしまいます。そんな時は「追跡」モードに切り替えれば、常に目の前に画面をキープできて快適です。

新幹線の中でも快適に作業

そして、外出先で仕事をする上で個人的に見逃せない最大のメリットが「省スペース」と「セキュリティ」です。 グラス内に映像を出力してしまえば、PC側の画面を非表示にしたり、PC自体を閉じてしまってコンパクトなキーボードとマウスだけで作業可能です。 カフェの小さなテーブルや新幹線の座席でも広々と作業できるうえに、隣の人に画面をのぞき見られる心配が一切ありません。機密性の高い資料作りやメール対応も安心してこなせるのは、スマートグラスならではの強力な武器だと実感しています。

画面をグラスに任せれば、新幹線のテーブルの上はキーボードだけでも大丈夫(写真はSurface Pro 11 + Flex Keyboard)

ちなみに、これらの表示機能は、XREAL One、XREAL One Pro、そして2026年1月発売の最新モデル「XREAL 1S」でも共通して使えます。

撮った写真が3Dに! 魔法のような「3Dスペース」

最新モデルのXREAL 1S発表時に同時に披露された「3Dスペース」機能が、なかなかの衝撃でした。 なんと、スマホで普通に撮影した2Dの写真や動画を、グラス内のAI処理で自動的に3D表示してくれます。とくに、背景がボケて被写体にピントが合っているポートレートのような写真は、ハッとするほど奥行きを感じます。

「画面が3Dに変換されます」の画面

旅行先で撮った写真を、帰りの新幹線やバスの中で3Dで振り返る、なんていう使い方もできます。 ちなみにこの機能、最新のXREAL 1Sだけでなく、アップデートでXREAL One ProやXREAL Oneでもしっかり楽しめます。

外で使うほど実感する、XREAL One Proの“薄さと付け心地”

XREAL 1SとXREAL One Pro

ここ3カ月ほどは、メーカーより商品提供を受けた最新モデルXREAL 1S(67,980円)と、以前から私自身で購入し愛用しているXREAL One Proを両方使い比べながら生活していました。

XREAL 1Sは、新色のミッドナイトブルーが美しく、「今日は気分を上げたいな」という日に手に取りたくなるデザイン。視野角自体はXREAL One Proのほうが少し大きいですが、XREAL 1Sの1200pパネルによる縦方向の広さが気持ちいいです。

4:3の写真を見る際のくっきり感は抜群ですし、PC作業でもタスクバー3本分くらい(ブラウザで4行分程度)下に余裕ができるのは大きなメリットです。

ただ、それでも私がXREAL One Proに手が伸びる理由は、レンズ部分の「薄さ」にあります。

横から見たグラス部分の厚さ(インサートレンズも装着)。XREAL One Pro(左)のほうがXREAL 1S(右)より薄い

XREAL 1SとXREAL One Proでは光学系の構造が違うため、レンズ部分の厚みが大きく異なります。私は普段メガネをかけているため「インサートレンズ」を装着して使っているのですが、XREAL 1Sだとレンズがまつ毛のかなり近くまで迫ってきます。

短時間の使用ならあまり気になりませんが、長時間の作業で何度も着け外しをしていると、目の周りに空間的な余裕があるXREAL One Proのほうが、圧倒的にストレスが少ないです。

そして、外出先で最も違いを感じるのが「映り込みの少なさ」。 XREAL 1Sは構造上、どうしても眼下の服の模様などが画面表示部分に反射して映り込んでしまいます(有志の方が販売している防止具を付ければ防げますが、目の周りが少し窮屈になります)。 一方のXREAL One Proは、画面表示域内はそうした映り込みがなく、常に視界がクリア。

長く使えば使うほど、XREAL One Proの「目の周りのすっきり感」と「映り込みの少なさ」のバランスが、じわじわと効いてきます。

XREAL 1Sをかけたときと、XREAL One Proをかけたときの映りこみの違い

持ち歩くなら、やっぱり私は「XREAL One Pro」

XREAL 1Sの1200pの縦に画面を広く使える気持ちよさは唯一無二の魅力です。 ただ、外出先で仕事をすることが多い私にとっては、XREAL One Proの「映り込みの少なさ」と「レンズの薄さ・手軽さ」が圧倒的に快適で、結局こちらを選んでしまいます。もし今、どちらか1つだけを選ぶなら、迷わず「XREAL One Pro」を推します。

XREAL One ProとXREAL 1Sをヘビーに使い、「ARグラスの未来はどうなっていくのだろう」とワクワクしています。近日登場予定とうわさされているAndroid XRの「Project Aura」がどんな進化を見せてくれるのか。XREALの次の一手にも、引き続き期待したいところです。

松崎 拓哉

1988年生まれ。鉄鋼メーカーの技術者を経て、2016年よりガジェット系メディア「MATTU SQUARE」を立ち上げ、ブログおよびYouTubeを中心に運営。スマートフォンやPC、XRグラス、AI、スマートウォッチ、イヤホン、電動モビリティなど幅広い分野でレビュー・取材を行う。テック系トレンドを横断した発信を続けるほか、FMラジオ番組のパーソナリティー経験も持つ。