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GENIAC、フィジカルAIを本格化 メルカリやKDDIなど採択
2026年9月9日 19:12
経済産業省とNEDOは9日、国内のAI開発力強化と社会実装を進めるプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の事業計画発表会・中間報告会・成果報告会を開催した。新たにロボット基盤モデルの研究開発事業で13件の採択を発表し、採択事業者がそれぞれの開発計画を紹介した。
GENIACは2024年2月に開始したプロジェクト。当初はAIの基盤モデル開発に必要な計算資源の確保などを中心に支援してきたが、26年には製造業データのAI-Ready化やデータエコシステムの構築、ロボットを自律制御する「ロボット基盤モデル」の開発などへ支援対象を拡大した。
今回キックオフを行なったロボット基盤モデルの研究開発では、カメラなどから得られる情報や人間からの指示をもとにロボットの行動を生成するVLA(Vision-Language-Action)モデルや、VLM(Vision-Language Model)、世界モデルなどを開発対象とする。単独のLLMや、ロボットのハードウェア制御を伴わないモデルは対象外で、開発したAIによって実際の機械を自律制御することが求められる。
今回採択されたロボット基盤モデルの13件の事業では、小売・物流、住宅、プラント、建設、製造、自動車など、幅広い現場を対象とした研究開発が進められる。実施予定先と採択事業テーマは以下の通り。
- Telexistence:国産ヒューマノイドを活用した領域特化型ロボット基盤モデルの研究開発
- メルカリ:AIロボットを活用した出品および検品作業の自動化に関わる研究開発
- KDDI:小売物流業等の現場業務を代替するモバイルマニピュレーター・ヒューマノイド向けロボット基盤モデルの研究開発
- Muso Action:物流倉庫のピッキング・ソーター投入におけるスライダー式ロボットアーム向け、多品種対応のためのロボット基盤モデルとデータ収集デバイスの開発・実証
- MW:日本住宅環境に特化したロボット基盤モデルの研究開発-AI Data Factoryによる大規模行動データ収集とVLA(視覚言語行動モデル)の構築-
- Preferred Networks、Preferred Robotics:環境高度理解基盤モデルの開発と屋内移動ロボット業務への適用
- FastLabel:プラント産業の巡視点検業務高度化ソリューション構築に向けた4足歩行ロボットロコマニピュレーション技術及びVLAモデル開発
- 日立建機:岩石等支障物除去工程、土砂掘削積込工程の自律作業を実現する自走式汎用マニピュレータ向けVLAモデルの開発
- アトム:製造・物流現場の省人化とGX実現を目的とする、5本指ハンド搭載国産双腕二足ヒューマノイドによる触覚つきVLAモデルの研究開発
- SB Intuitions:製造業の量産ライン工程を代替する双腕ロボット向け失敗予見型高速VLA基盤モデルおよび遠隔協調運用システムの開発
- XNOVA:建設・製造現場の電動工具作業を代替する電動工具特化型の双腕ロボット用AI基盤モデル(Tool-VLA)の研究開発
- ugo:双腕セミヒューマノイドによるコンタクトリッチな製造組立作業の自律化に向けたVTLAモデルの開発
- Highlanders:自動車製造の位置合わせを対象とするヒューマノイド向けVLA/物理状態世界モデルの研究開発
メルカリは、越境ECをはじめとする事業拡大を見据え、AIロボットを活用した出荷作業の効率化を進める。現在は人手で行なっている商品の検品や出品作業を双腕ロボットで自動化するための技術開発に取り組む。
KDDIは、労働力不足への対応を目的に、小売業や物流業などの現場業務を代替するモバイルマニピュレーターやヒューマノイド向けモデルを開発する。ローソンなどの実店舗から得られるデータを活用し、バックヤードや売場業務の省人化を図るほか、得られた開発成果をロボットメーカーやAI企業などに還元するという。
日立建機は、障害物となる岩石の除去や土砂の掘削・積み込み作業を自律化させる建設機械向けのVLAモデルの開発に取り組む。同社の建設機械は災害現場や鉱山、戦地といった作業者の負担や危険性が高い環境で稼働しており、こうした建設機械のロボット化および知能化を推進する。
次世代ヒューマノイドの開発に取り組むHighlandersは、自動車製造における位置合わせ作業を対象として、ヒューマノイド向けVLAと物理状態世界モデルを開発する。製造現場で求められる位置や姿勢の把握と、それに応じたロボットの動作生成技術を組み合わせる。
AIを巡っては、文章や画像を生成するAIから、カメラやセンサーなどを通じて現実世界を認識し、ロボットなどを実際に動かす「フィジカルAI」へと開発領域が広がっている。
日本政府も2026年に「AIロボティクス戦略」を打ち出し、AIモデルだけではなく、データや計算資源、ロボットの制御・駆動系などを組み合わせた開発を強化する方針を示している。2040年には約1,000万台のロボット導入を目標としている。























