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スカパーJSAT、雲の接近を数時間先まで予測する「KAZAMI」

スカパーJSATは、雲の接近を数時間先まで予測する雲移動予測システム「KAZAMI(かざみ)」を開発した。バニヤンズとの共同開発によるもので、気象衛星「ひまわり」の衛星画像を活用している。

宇宙空間の衛星と地上を結ぶ通信技術が大きな進化を遂げているが、レーザー光を用いた「衛星光通信」や量子の性質を利用して安全に暗号鍵を共有する「量子鍵配送」など、光を使った通信技術は、大気中の雲に遮られると不安定になる特性がある。このため、衛星光通信では雲が接近する前に別の地上局へ通信経路を切り替える必要があり、衛星量子鍵配送では雲の影響を受けない送信先を事前に見極めるなど、雲の動きを正確に把握することが不可欠となっている。

こうした課題を解決するため、スカパーJSATは、日射量予測サービス「Solar Meilleur(そらみえーる)」や雲日記アプリ「くもろぐ」の開発を通じて培った気象衛星画像の解析や雲の状態把握に関する技術的知見を応用。雲移動予測システム「KAZAMI」を開発した。

KAZAMIは、気象衛星「ひまわり」が定期的に取得する画像を解析し、雲の動きをベクトルで可視化することで、10分後から数時間先までの雲の移動を予測する。これにより、特定の地上局上空へ雲が接近するタイミングを事前に察知し、地上局の切り替え判断や通信計画の最適化を支援する。国内の特定地点を対象とした評価では、10分後の予測で90%以上、180分後でも80%以上の的中率が確認されている。

今後は、利用ニーズに応じた予測精度の向上やアルゴリズムの最適化、外部システムとの連携を進め、衛星光通信や衛星量子鍵配送などの運用現場における実用化を目指す。また、太陽光発電の発電量変動予測や電力需給計画・蓄電池制御、防災・減災対応、ドローンやHAPSの運用支援など、雲の移動が事業判断に影響を及ぼす幅広い分野への応用も見込まれる。