いつモノコト
スマートリング「SOXAI RING」を1年間使ってみて
2026年3月1日 09:00
SOXAIのスマートリング「SOXAI RING 1」を2025年2月から使い始め、1年が経ちました。2025年12月からは「SOXAI RING 2」に切り替わっていますが、データは継承されています。最近はプライベートで、このリングを見かけた人から「それって心拍数とか測るヤツですか?」と聞かれることも増えるなど、徐々にスマートリングの認知度が上がっている様子。そこで、最近スマートリングが気になり始めた人向けの紹介の意味も込めて、1年間使った感想などを簡単にまとめてみたいと思います。
SOXAIを含め、睡眠や健康管理を目的としたスマートリングが、スマートウォッチ(フィットネストラッカーなどを含む)と大きく違うのは、確認できる情報が“リアルタイムではない”という点です。ほとんどの製品にディスプレイが搭載されていないことも影響していると思いますが、運動中にリアルタイムに心拍数を把握したい、といった目的には向きません。歩数や心拍数といった運動の計測自体はできますが、それらは後から確認する形になります。
指輪形状の本体に搭載するバッテリーは小型にならざるを得ないので、常に通信する、定期的に通信するといったことはせず、普段は計測と蓄積に専念しています。SOXAIの場合、アプリを立ち上げるとリングと通信を始めますが、リングから情報がプッシュされることはありません。リングの状態や蓄積している情報は、スマホアプリと同期するまで分かりません。
逆に、スマートフォンやスマートウォッチからひっきりなしに通知が来るのが煩わしい、そうしたことから距離を置きたい、といった“デジタルデトックス”の文脈では、それが狙ったものではないにせよ、この非リアルタイム性は有用に働きます。スマートリング自体は先端技術を駆使した機器ですが、運用面では“ハイテク漬け”から一歩離れる形になるのは興味深いところです。
睡眠計測に最適
SOXAIを1年間使い、最も良いと思えたのは、睡眠計測です。あくまで個人的な感覚ですが、入眠時に煩わしさがなく、ずっと“続ける”ことができたのです。
私がスマートバンドの類のアイテムを使ったのは、2013年のJawbone「UP」が初めて。以降、何種類も使ってきましたが、睡眠計測に限って言えば、計測内容以前の問題として、“手首になにか着けて寝る”ということにどうしても慣れることができませんでした。本来は何物にも邪魔されずリラックスしながら入眠したいのに、毎日その“手首の異物感”や“拘束感”とともに入眠するのが「我慢しながら寝ているみたいでやっぱり微妙かも……」という感想・結論になってしまうのです。
また、リストバンド型は汗や蒸れで痒くなるなどして“24時間装着し続ける”ことを諦めてしまう季節もありました。結果として多くの製品は1年以上使い続けることが難しかったのですが、この壁を初めて突破したのがSOXAIのスマートリングでした。汗や痒みの問題は起こらず、睡眠計測時も違和感がなく、最も“使い続けることが苦でなかった”デバイスと言えます。
指輪型ならではの問題がないわけではありません。手首ではなく指なので、日常生活の中のあらゆる触れる・持つ・握るといった手指の動きに干渉してしまいます。習慣的なシーンの場合は、さっさと外してしまうのが吉。私は1日の中で、顔を洗う時、食器を洗う時、お風呂に入る時はハナから外すようにしています。充電はお風呂に入っている時間を利用しています。いちいち外すのは面倒かと思いきや、そういうものとして習慣になってしまい、今ではあまり面倒に感じることはなくなっています。
SOXAIは2025年12月発売の最新モデル「SOXAI RING 2」で特徴の打ち出し方を少し変え、睡眠計測や体力回復にかなりフォーカスするようになっています。前述のように、スマートリングの睡眠計測時の煩わしさの無さは大きなアドバンテージなので、妥当な戦略だと思えます。国内メーカー、国内製造というのも、顔が見えていて安心感があるのではないかと思います。
体力回復のカギになる「深い睡眠」については、計測を長期間続けていると、寝る前に何かを食べていたり入浴を簡単に済ませていたりすると、深い睡眠が短くなるといったように、素人でもある程度の関係性を推測でき、改善を図れます。アプリのアドバイスでも深い睡眠を促進する行動、妨げるNG行動などの助言が得られるので、改善に繋げやすくなっています。
睡眠で回復した体力や一日の行動力は、心身の状態を表す総合的な「体調」スコア(最大100)で表示されます。私は2024年末にある生活習慣病と診断され治療に取り組んでいるのですが、25年の前半は、低下した体力を取り戻すのに苦労していました。体調スコアの推移をみると、7月までは月平均が50を超えることがなく(50以下は4段階で最下位の“注意”)、これは体感とも一致しています。
25年8月になると体調スコアの月平均が60を超え、9月~11月は70台、12月や26年2月は80台と、数値はけっこう改善してきています。体感としても、25年の夏以降は体力が戻ってきたという感覚だったので、この一連の体調スコアは概ね正確といえそうです。
誤解のないように書いておきますが、スマートリングは病気の治療目的で使うものではなく、本来はこうした生活習慣病に至るのを防ぐのが大きな目標です。私も治療目的で導入したわけではなく、そもそもかなり“手遅れな状態”から利用をスタートしていましたが、結果的に体力の戻りが可視化され、勇気づけられています。
長期利用で真価
総合的にみると、今使っている「SOXAI RING 2」は、睡眠計測の続けやすさ、しっかりとした精度に特徴があると感じます。睡眠の質の改善は、次の日の活力を高めるためのものですし、日々を集中力のある状態で過ごせるようになる、1週間を行動力のある健康な精神・肉体の状態で過ごせるようになる、というのが目的です。
この観点で、睡眠改善にフォーカスするSOXAI RINGは、何カ月といった時間感覚で改善を図っていくためのツールで、リアルタイムに通知を出すような機能はちょっと目的が違うということが分かります。個人的な事情を踏まえれば、1カ月間のデータはスタートラインで、半年や1年といったデータの蓄積で見えてきたものもありました。より長期的な視点で睡眠の質や体調スコアの改善に取り組む時、指輪型デバイスの使いやすさは、かなり適していると感じています。



