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“見える化”で後払いを拡大。メルペイスマート払い

メルペイは23日、購入代金を後から支払える「後払い決済サービス」の認知・利用状況調査結果を発表するとともに、同社の「メルペイスマート払い」の今後の展開について説明した。

調査は、全国の10~50代、男女800名(後払い決済サービス利用者/非利用者)を対象にインターネットで実施。同調査によれば、4人に1人が後払いを利用しており、メルペイが展開する「メルペイスマート払い」の認知度はネットプロテクションズの「NP後払い」に次いで2位という。

後払いサービスの利用率はNP後払いが25.6%でトップで、メルペイスマート払いが17.0%で2位。年代別に見ると、10~20代はメルペイが多く、30代以上で年齢が上がるとともにNP後払いが認知・利用率が上がっていく。

利用者が感じている後払いのメリットは「利用金額を把握しやすい」。一方、非利用者の懸念事項は「利用金額を把握しにくい」となっており、真逆の認識を持っている。「非利用者にメリットが伝わっていない」(ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員 久我 尚子氏)と分析する。

後払い決済サービスは利用者の36.5%が継続利用意向があるが、非利用者の新規利用意向は3.3%と非常に低い。メルペイでは、「利用者と非利用者の認識ギャップが大きいが、これが解消されることにより、利用が拡大する余地が大きい」と見込む。

後払い決済サービスの利用金額は、3,000円未満が多い。クレジットカードの平均月間利用金額は1~3万円が多いことと比較して、少額決済での利用が顕著という。

リボ嫌い日本でも「見える化」で後払いを拡大

EC市場における後払い決済サービス(BNPL/Buy Now Pay Later)決済額は、2022年には1兆3,500億円に拡大すると予想されている。また、海外では若年層を中心とした利用が拡大しており、世界全体では2025年に後払い決済サービス市場の取引額が約72.8兆円に達すると見込まれている。

メルペイ 山本真人COO(左)、ニッセイ基礎研究所 生活研究部 主任研究員 久我尚子氏(右)

拡大が見込まれるBNPLに対し、メルペイでは、2019年4月に「メルペイスマート払い(翌月払い)」の提供を開始。2020年7月からは翌月以降に分けて支払える「メルペイスマート払い(定額払い)」に対応。20~30代の利用者を中心に利用されている。

同社では職歴や収入などの「属性情報」だけでなく、メルカリやメルペイ上での「行動実績」も与信判断に活用してきたが、さらに、4月には割賦販売法の改正により、「AI与信」の導入が認められる。これにより、従来の一律の支払可能見込み額を用いない与信が可能になると見込まれ、「より多くの人が与信を受けられるようになるほか、与信までの時間も短くなる」(メルペイ 取締役COO 山本真人氏)という。

メルペイスマート払いで力を入れているのは、「わかりやすさ」。メルペイによる与信枠に対し、支払い枠やスケジュールをユーザー自身が決められるほか、支払い金額や手数料もアプリ上でひと目で分かるようにしている。

また支払い方法も新たにMastercardのバーチャルカード対応によりオンラインで利用可能にするなど、活用の幅を拡大。メルペイの利用頻度や利用金額の向上を目指す。

同社が力を入れるメルペイスマート払い(定額払い)は、月々の支払額を決めて支払う形だが、日本では、クレジットカードで月々一定額の支払いを行なう「リボ払い」が嫌われる傾向がある。

メルペイ「リボ払いにおける抵抗感があることは我々も認識している。その不安感の源泉は、『知らない間に支払金額が増える、利子が増えている』、『気づかないうちに使いすぎている』ということ。これに対して、ビジュアルでわかりやすく見える化し、来月、再来月の支払いがどうなるかを自分でコントロール可能にする。『見える』『コントロール』により、リボ払いの『気づかない』という不安を解消する。アプリだからこそできること」(山本COO)と説明した。