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凸版印刷、図書印刷を完全子会社化

凸版印刷が図書印刷を、8月1日に完全子会社化することを発表した。図書印刷の普通株式は、東京証券取引所市場第一部において、7月30日付で上場廃止(最終売買日は7月29日)となる予定。

凸版印刷と図書印刷とは、1970年に両社間で業務提携契約を締結し、図書印刷が凸版印刷からの出資を受け入れたことから関係強化が始まり、2007年10月の凸版印刷を引受先とする第三者割当増資によって、図書印刷は凸版印刷の連結子会社となった。3月31日現在、凸版印刷は図書印刷の発行済株式数の51.00%を保有している。

トッパングループが属する印刷業界においては、IT化の進展に伴うデジタルシフトの加速、携帯端末普及による電子媒体の利用増による影響や企業における広告宣伝費のデジタル分野への予算投下の影響等の要因によりペーパーメディア需要が減少。

凸版印刷と図書印刷を取り巻く経営環境の厳しさが増していることを背景に、凸版印刷としては、これまで以上に図書印刷と一体経営を行うことで、グループシナジーを更に発揮することの必要性を考えていたという。

一方、図書印刷は、この流れの中で収益性強化に向けて更なる取組みが必要であるとし、図書印刷単独の経営リソースによる事業展開を継続するよりも、凸版印刷との更なる協業を進めていくことで、今よりもスピーディな対応を図ることができ、それが図書印刷の収益性強化、ひいては図書印刷の企業価値向上に繋がるものと考えていたとしている。

このような認識のもと、2019年2月に、凸版印刷が図書印刷に対し、株式交換による完全子会社化に向けた協議の申入れを行なっていた。両社は、完全子会社化により、トッパングループ全体の総合力を結集させていくとしている。

具体的には、販売面においては、両社の販売体制を維持することを前提として、図書印刷は、顧客のデジタル化支援能力を始めとする凸版印刷が有するサービスやソリューションを活用。また、製造面においては図書印刷の生産管理機能等の製造間接部門を凸版印刷に統合し、効率化を図る。

現時点においては、図書印刷に少数株主が存在することによりグループとしての一体運営に一定の制約が生じているところ、図書印刷が凸版印刷の完全子会社となれば、このような制約がない中で両社の経営資源の活用が可能となるとしている。