トピック

グーグルの「AIによる概要」を鵜呑みにするな【Watch+】

画像の「AIによる概要」には誤った内容が含まれているので注意してください

Googleの「AIによる概要」がGoogle 検索で表示されるようになったのは24年の夏以降。ざっくり何かを知るという意味では便利なのですが、時には「おや?」と思うような内容の時があります。今回、Impress Watchの記事も関連して、誤った情報が表示されたので紹介します。

事の次第を時系列順に見ていきましょう。

6月4日の午前中、りそな銀行のサイトに「キャッシュカードご利用限度額の引下げのお知らせ」が掲載されていることに気づきました。公開時間はわかりませんが、日付は「6月4日」となっています。

その内容は「9月8日より」、ATMにおける個人の1日あたりのキャッシュカード利用限度額を、現行の150万円もしくは500万円から100万円へと引き下げるというものでした。改定の内容は、リリース内にある表で示されている通りです。

Impress Watchでも、「9月8日より」を冒頭に記載する形で、この情報を記事化し、6月4日11時46分に公開しました。

約7時間後の6月4日19時2分、この情報をどのような媒体が、どのように書いているかを見てみようと、Google検索で「りそな 限度額」で検索したところ、AIによる概要が表示されました。その内容は下記の通りです。

りそな銀行のキャッシュカード(ICキャッシュカード、磁気キャッシュカード)の1日あたりの利用限度額は、ATMでの引き出し・振込を合わせて100万円です。個別に限度額を設定している場合は、その限度額が適用されます。また、提携先ATMやデビットカードサービスでの利用も、この限度額に含まれます

「1日あたりの利用限度額は、ATMでの引き出し・振込を合わせて100万円」となるのは9月8日以降の話で、現在の話ではありません。「りそな 限度額」で検索する人の多くは、現在の情報を知りたいと思われ、また、「9月8日より」が入っていない時点で、この情報は誤りとなります。

りそな銀行の個人のATM利用限度額(りそな銀行 Webサイトより)

なぜ、このようなことになったのか。スクロールしてみると、出典元となるWebページの1つとして、Impress Watchの利用限度額引き下げの記事が入っていました。

この出来事をもってして、“Googleけしからん”“AIアテにならん”と言うつもりはありません。

人間同士の会話でも、話の中に誤りが含まれていることはありますよね。その誤りに誰も気づかず、話が進んでいってしまうことも。

AIだって間違えることはあります。「人工知能」であって、「全知全能の神知能」ではありません。

「あの人が言っていたことは本当か」と一度立ち止まって確認するように、AIが示す情報も鵜呑みにせず、AIによる概要であれば出典元のページを参照するなど、自ら確認する姿勢が大切になるのかもしれません。

加藤綾