小寺信良のくらしDX
第36回
リカバリーウェアを半年試してわかった本当のところ
2026年1月31日 09:30
リカバリーウェアが人気である。昨年(25年)5月ぐらいにはすでにリカバリーウェアの選び方みたいなサイトが登場しているので、この頃から複数の製品が乱立状態にあった様子が見て取れる。
価格帯も色々で、安いものは上下セットで4,000円未満から、高いものは4万円以上する。効果があるのかないのか、自分には効くのか効かないのかよくわからない中、実に10倍も価格の幅がある商品を選べというのはなかなかしんどい話である。
筆者は昨年8月頃から、サプリムのリカバリーウェア「R WEAR(アールウェア)」を使用し続けている。R WEARはソニーが独自開発した生地を使用しているということで、開発者にインタビュー取材をさせていただいたのだが、その際にご提供いただいたものである。
R WEARは上質コンフォートタイプのRelaxing Meshシリーズと、通気性に優れた軽量タイプのDry Meshタイプがある。それぞれに夏用と冬用があるので、カラバリを無視すれば4タイプあるということだ。筆者が使っているのはDry Meshタイプで、8月から10月ぐらいまで夏用(28,400円)、それ以降は冬用(36,000円)に切り替えている。
着続けてこの2月で半年になるわけだが、果たしてリカバリーウェアは効果があるのか。多くの人の疑問に、筆者なりの回答を提示してみたい。
何を以て「効果がある」と言えるか
世にあるリカバリーウェアのポイントは、その特殊な生地にある。一般医療機器に分類される「家庭用遠赤外線血行促進用衣」であることからもわかるように、繊維あるいは生地内に遠赤外線を発する何らかの素材を練り込んでいる。これらの素材は、身体から発する熱を輻射して身体側へ戻すことで、体表の血行を促進させる。
体表の血行が促進されて起こる効果は、いくつかある。筋肉の緊張が緩和されることで、いわゆるコリが解消されることが一つ。緊張が緩和されれば疲労回復できるわけで、これもまた効果の一つだ。また体表面に熱が放出されることで体内温度が下がり、入眠しやすくなるという効果もある。
つまり機能としては、
1. コリの解消
2. 疲労回復
3. 入眠しやすさ
がある。
サプリムのR WEARは、トリポーラスという繊維素材を使っている。練りこみ素材に多孔質カーボンを用いているが、これは活性炭と同じ原理でありながら、消臭効果は一般の活性炭よりはるかに高い。元々は消臭繊維として開発されていたものに遠赤外線効果を加えて、改めてリカバリーウェアとして製品化したものだ。ある意味他のリカバリーウェア用繊維と、開発経緯が逆である。つまりR WEARは上記3つに加えて、
4. 強力な消臭効果
がある。
リカバリーウェアは、購入者がどの機能を求めるかによって評価が変わってくる。欲を言えば「全部」なのだろうが、症状の多寡によっても効果の感じ方が変わってくることになる。
半年でどのような効果が得られたか
R WEARの到着以来、日中の大半はこれを着て過ごしている。いわゆる部屋着と寝間着が一緒になったような感じだ。コロナ禍の最中には一日中フリースやらジャージを着て過ごすような人が多数爆誕したと思われるが、そんなようなもんである。
というのも筆者の仕事はほとんどが家庭内の仕事部屋で完結しており、取材もオンラインなので、外に出るのは畑を耕したり買い物に行ったりする時だけだ。その時だけは外出着に着替えるが、戻るとすぐR WEARに着替えるという生活である。
着用を始めて数日で訪れた変化は、肩と首のコリの解消であった。筆者は以前から極度の肩コリであり、低周波治療器や首のマッサージ機のお世話になっていた。肩をすくめただけでバキバキッと音がするほどである。
そのバキバキが、起こらなくなった。肩や首を回すと以前は痛みがあったものが、動かすと筋肉が伸びる気持ち良さを感じるようになった。その効果は現在も継続しており、低周波治療器もマッサージ機もすっかり出番がなくなった。
夏用はTシャツとハーフパンツで、しかもドライメッシュタイプなので、通気性が良い。エアコンで室温を下げなくても、扇風機の風が緩く当たっているだけで快適に過ごせる。
入眠効果に関しては、それほど変わらなかった。寝付きが悪い人には効果が感じられるのかもしれないが、筆者は以前から寝付きは悪い方ではないので、多少改善しても誤差の範囲である。
ただ、「たまに眠れない日がある」といったムラは減った。これは入眠効果というよりも、ずっと着ているので筋肉が常時リラックスしている効果の方が大きいのではないかと思う。
こうした効果は、着用してすぐにリフレッシュできるようなものではなく、しつこく着続けているうちに「あれそういえば…」と思い返すような程度のものである。着始める前の状態をよく記憶しておかないと、改善されていても気が付かない可能性がある。
秋冬は長袖・ロングパンツセットに変えているが、 皮膚に触れる面積は夏用よりも多いので、機能的にはこちらの方が効果が大きいはずである。だが実際にはそれほど大きな差はないように思える。手足の先まで…というよりは、上半身の胴体部分を覆っている意義が大きいのかもしれない。
冬場になるといつも電気敷き毛布を併用しているのだが、これを使うと全身熱くなりすぎて逆に眠れないということが起こった。そうは言っても生地は薄手なので、掛け布団だけでは寒い。
結果、電気毛布は最弱にして、毛布を掛けて寝るぐらいでちょうどいい。ただ足先までウェアがカバーするわけではないので、末端が冷えるという方はそれなりに工夫は必要だろう。
消臭機能に油断させられる
R WEARの最大の特徴は、強力な消臭機能である。これはマジで臭いがしない。
普通のジャージやスウェットなら2〜3日も着続けると、臭いに敏感な妻から臭い着替えろと叱られることになる。加齢臭のような体臭は、常時嗅いでいる本人は麻痺してしまってよくわからないので、余計怒られるわけである。
だがR WEARはいくら嗅いでも、何の臭いもしない。なんなら洗濯した際の柔軟剤の匂いも数時間で消えてしまう。そんな調子なので気がつくと1週間ぐらい着ているが、単に臭いがしないというだけで、汚れていないわけではない。ただ臭いで洗濯のタイミングが判断できないというのが、メリットでもありデメリットでもある。
洗濯してもドライメッシュ生地なので、数時間も干していればサラッと乾いてしまう。乾くのを待ってすぐ着用するという、非常にドラッギーな魅力がある。
もう一つわからないのが、見た目での汚れである。白やグレーならなんとなく汚れてきたのがわかるが、R WEARは超真っ黒なので、汚れているのが目で見てわからない。小麦粉が付いたみたいな白い汚れはわかるのだが、汗染みみたいなものが全くわからないので、これもまたうっかり1週間着てしまう。今のところ体調に異変をきたすようなことにはなっていないが、曜日を決めて定期的に洗濯するようにしたいところである。
リカバリーウェアに価格の差があるのは、おもに素材の価格によるものだと考えられる。繊維を作る段階から特殊素材を練り込む方法が一般的だが、これは非常にコストがかかる。だが機能が長期間維持できるというメリットがある。
一方で廉価な製造方法としては、布地になったものに特殊素材を塗布する、溶液に浸して吸着させる方法も存在する。これらは安く製造でき、機能的には変わらないのかもしれないが、耐久性が低いことから、長期間機能を維持できないというデメリットがある。
単純に高ければ効くというものでもないとは思うが、どれだけ長時間着ているかは効果には影響するだろう。飲み薬のように体内に入れるようなものでもなく、体表から影響していくものなので、効果があるにしてもないにしても、結果が出るまではかなり時間はかかる。
ただR WEARが全然臭わないということだけは、客観的にも評価できる。だから長く着ていられるということもあるわけだ。
そしてまた今日も、R WEARを洗濯して乾くのを待っている。少なくとも部屋着としての完成形だと思う。




