小寺信良のシティ・カントリー・シティ

第15回

コデラ家 宮崎集結へ。引っ越し前の大処分

あらすじ

首都圏での37年の生活を終え、故郷宮崎へ戻りまもなく1年。小学校の都合で埼玉で別れて暮らしていた家族がいよいよいよいよ集合。ということで、再びの引っ越しが始まる。

引き取り先を探す

また今年も大移動が始まる

いよいよ家族全員を引き連れて、宮崎へ転居する時期が近づいて来ている。転居予定は3月30日。わざわざそんな年度末に引っ越すなんて、と思われるかもしれないが、この1年間夫婦で別居生活をしてきたのは、末っ子を地元の小学校で卒業させるためだったので、どうしても卒業式までは埼玉に居なければならないのである。

ご承知のように、3月末から4月頭にかけては引っ越し業者の繁忙期なので、価格が高騰する。残った家族3人分の荷物をそのまま宮崎まで運ぶとなれば、50〜60万円の出費を覚悟しなければならないところである。

だが考えてみると、輸送は何も生産しない。見慣れたものを右から左に移すだけである。そうであれば、なるべくモノを運ばないで現地で処分し、新居側で新しいものを買い直した方が、同じコストでも新しいものが手に入る。

そんなわけで、埼玉の家にあるモノをどんどん処分しているところだ。筆者は「モノ系ライター」に分類されるので、ガジェットなどの小物が大量にある。しかも大抵は分解したり改造したり目的外の使い方をしたりしているので、普通に中古品として売却できるものが思ったより少なかった。

そんな中、以前別メディアで連載を持っていた関係で、骨董品のフィルムカメラが大量にある。これらは重いし、宮崎まで持っていってもとても使ってる暇などないので、知り合いのカメラスタジオの店主に、撮影用の小物として提供することにした。しばらくメンテナンスしていないので、完全動作するものは少ないが、外装は綺麗にやり直しているので、撮影用小物としては役に立つはずである。

小説本も大量にあったが、先日埼玉に戻った際に、今となっては入手難の珍品だけを残して、あとは処分した。300冊以上あったのでブックオフが引き取りに来てくれたのだが、押し入れにしまっていたので日焼けもなく美品だったので、数万円で引き取ってくれた。筆者は読み始めると1人の作家の本を全部揃えてしまうので、シリーズ全部揃っているのも良かったようだ。

意外に引き取りがなかったのが、家電・家具類である。リサイクルショップのトレジャーファクトリーに見積に来てもらったが、あいにく購入してから10年以上経過するものばかりなので、ほとんど買い取り不可であった。後日、別の個人業者に買い取りをお願いしたところ、ある程度買い取りしてもらえたが、総額で5,000円程度にしかならなかった。

意外に高く売れたのが、Rogersのスピーカーである。購入して20年以上にもなる骨董品だが、BBC公式モニターだった名機であり珍品だったので、ヤフオクで8万円の値が付いた。購入価格は14万円だった記憶があるが、ありがたい事である。

引っ越し業者を使わずに引っ越す

大物家具で買値がつかなかったものとして、大型の本棚がある。横幅半間、高さ1.8mぐらいあり、20年前に村内ファニチャーアクセスで購入したものだが、作りがよくガタついたところは全く無い。だがこれだけ古いと、リサイクルショップも買い取りしない。おそらく古さが中途半端なのだろう。50年ぐらい経つと、骨董家具として値が付くのかもしれない。

しかたがないので廃棄処分することにした。引っ越しに伴う廃棄は、色々な種類のモノがごっちゃに出てくるので、分別が難しい。だが最近テレビCMでお馴染みとなった「暮らしのマーケット」で検索すると、2トントラック積み放題で定額で処分してくれる個人業者が沢山見つかる。相場としてはだいたい3万円〜5万円程度で処分してくれるようだ。以前ならこうした処分も引っ越し業者に頼むしか方法がなかったものだが、処分専門の業者に簡単にアクセスできる手段ができたのは喜ばしい。

筆者宅には機材保管用として、ホームエレクタ(アルミラック)が大量にある。これらは同業者なら必要になるはずなので、映像系カメラマンにとりあえず引き取ってもらった。自分で使うもよし、他の同業者に譲るもよし、としてある。小型のアルミラックは引き取り手がなかったので、妻が務めている介護施設に寄付することにした。スタッフルームの小物分類に活躍するはずである。

こうして処分するうち、宮崎に持っていくものは宅急便で送れそうなサイズのものばかりになった。妻の友人が近所のドラッグストアに務めている関係で、大きなダンボール箱には事欠かない。約1年前、引っ越し業者を使わずクロネコヤマトだけで引っ越しした実績があるので、基本的にはそれと同じ作戦で行けるものと考えている。

自分で梱包できないものとしては、お気に入りの2人掛けのソファがある。これはクロネコヤマト系列「ヤマトホームコンビニエンス」の「らくらく家財宅急便」を使って、17,750円で送れることがわかった。大型家具家電を1つから運送してくれるサービスである。梱包もしてくれるので、大物を4つ程度、このサービスで送ってしまおうと思っている。

こうして着々と引っ越し準備を進めているところだが、実際に進めているのは筆者ではなく、埼玉に残っている妻である。ほとんどは筆者の、ガラクタにしか見えないモノの処分なので大変だっただろうが、よく頑張ってくれた。3月末には筆者も埼玉へ移動し、モノの処分や荷物の送り出しを行なう予定だ。

だが話はこれで終わりではない。宮崎のほうでは、現在仮住まいとして年間だけ契約しているアパートから新居まで、引っ越ししなければならない。

しかも引っ越し日が3月1日なので、もう今週から色々梱包を始めないといけないのだが、確定申告の書類作成やら何やらが色々あり、本当にこの日に引っ越し完了できるのか心配になってきたところだ。一応今の住まいと新居の契約は1週間ぐらいオーバーラップさせているので、最悪次の1週間まで猶予があるといえばある。

1年前の引っ越しの様子

トラックも昨年同様のものを手配済みである。3月1日、晴れるといいのだが、こればかりは運を天に任せるしかない。

小寺 信良

テレビ番組、CM、プロモーションビデオのテクニカルディレクターとして10数年のキャリアを持ち、「難しい話を簡単に、簡単な話を難しく」をモットーに、ビデオ・オーディオとコンテンツのフィールドで幅広く執筆を行なう。メールマガジン「小寺・西田のマンデーランチビュッフェ」( http://yakan-hiko.com/kodera.html )も好評配信中。