乳幼児用おもちゃの安全の証「子供PSCマーク」始まる

12月25日から、乳幼児用玩具(3歳未満向け玩具)に対する新たな規制が始まり、「子供PSCマーク」が導入されます。おもちゃの安全性を確保する新たな取り組みで、経済産業省は子供用のおもちゃやベビーベッドを購入する際には子供PSCマークを確認するよう呼び掛けています。

子育て中の親が知っておくべきなのはもちろんのこと、そうではない人にとっても、親戚や友人の子供へのプレゼントとしておもちゃを購入する機会が突然やってくることもあるので、頭の片隅に入れておくべき情報です。

対象となるのは「乳幼児用ベッド」と「3歳未満向けのおもちゃ」で、ベッドにはひし形の中にアルファベットのPSCの文字と子供の顔が描かれたマーク、おもちゃには丸の中にPSCの文字と子供の顔が描かれているマークが表示されます。販売事業者においては、子供PSCマークのない3歳未満向け玩具を販売することができなくなります。

このマークは国が定める基準に適合している製品に付けられる安全の証です。12月25日以降に製造・販売されるこれらのベッド・おもちゃについて、国が求める技術基準への適合と、「対象年齢」と「使用上の注意事項」を製品本体やパッケージなどに表示することが義務付けられます。これらの基準を全て満たした場合にだけ、子供PSCマークを表示できます。

12月25日より前に製造・輸入されたおもちゃに関しては、子供PSCマークがなくても販売できます。ベッドについては、これまで「子供のマークがついていないひし形のPSCマーク」の表示を求めていたため、27年3月までは経過措置期間として、これまでのPSCマークであっても販売できます。

12月25日より前に製造・輸入されたおもちゃも在庫がある限りは販売されることが想定されますが、そういったものの安全基準はないのかといえば、そんなことはありません。対象年齢や使用上の注意が見やすく表示されていること、および日本玩具協会が発行する「STマーク」がついていることが、安全性の確認に有用です。子供PSCマークは法令に基づく強制規格ですが、STマークは玩具業界による自主規制として、1971年に創設されました。

子供PSCマークの必須化は中古品であっても同様で、12月25日以降に製造・輸入された製品を販売する場合は子供PSCマークが必要です。これにあわせたリユース業者の動きもあり、例えばハードオフグループでは12月1日から、3歳未満対象の乳幼児用玩具に関して、本体あるいは外箱に「子供PSCマーク」のある商品のみを買取対象としています。

ハードオフグループ 子供PSCマークにかかる乳幼児用玩具の買取について

政府広報オンラインでは、おもちゃによる事故を防ぐために、マークの付いた安全な製品を選ぶだけではなく、対象年齢と使用上の注意を正しく守ることが大切であると呼び掛けています。

おもちゃによる事故で特に、命に関わるおそれのある誤飲事故、窒息事故の約9割が3歳未満の乳幼児というデータを紹介。対象年齢をしっかり確認し、子供の成長段階に応じたおもちゃを選ぶことが、おもちゃの誤飲などによる事故防止につながるとしています。

出典：政府広報オンライン

また、使用上の注意を守ることも大切。警告表示にある「破れたゴム風船を口に入れないよう注意する」「おもちゃの可動部に指を挟まないよう注意する」といった注意事項を必ず確認しましょう。兄弟がいる場合は、年上の子のおもちゃの対象年齢が年下の子の年齢よりも高い場合、置き場などを工夫するよう注意喚起しています。

また、万が一おもちゃなどを誤って飲み込んでしまったときは、基本的に無理に吐かせることはせず、速やかに医療機関を受診するよう呼び掛けています。また、子供の処置が落ち着いた後に、メーカーのお客様相談窓口や、購入した販売店・インターネットモールのショップなどへ事故の状況について報告することも、事故防止対策につながるとしています。