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「Gemini Intelligence」登場 “意図”を理解するAndroidがノートPCにも拡大
2026年5月13日 02:00
Googleは12日(米国時間)、Androidの最新情報や今後の展開を発表する「The Android Show: I/O Edition」を開催した。GeminiをAndroidの各機能に統合する「Gemini Intelligence」や「Android 17」の新機能、車載システム「Android Auto」の進化、そして、Androidエコシステムに新たに加わる新しいノートPC「Googlebook」などの新展開を発表した。
同社は2月、Androidを単なるOSではなく、ユーザーの意図を理解して動作する「Intelligence System」へ進化させる方針を示した。その中核となるGeminiを、スマートフォンに加え、スマートウォッチ、自動車、今後登場するスマートグラスなど、Androidエコシステム全体へ展開していく。
行動を促す「Gemini Intelligence」
新発表の「Gemini Intelligence」は、Geminiが質問に答えるだけでなく、AIがユーザーの意図を汲み取り、実際の行動へと変換する体験を提供する。日常の買い物の注文、夕食の手配、配車、フィットネスクラスの予約、イベントチケットの確保といったタスクを、AIが対応アプリと連携して自律的に実行できるようになる。
たとえば、旅行中に見かけたチラシを撮影し、「明日空きのある同様のツアーをExpediaで探して」と指示するだけで、Geminiがアプリを操作して予約候補を提示する。このタスク自動化はユーザーが許可したアプリでのみ動作し、作業が完了すると速やかに終了する設計となっている。
フォーム入力では、パスポート番号や運転免許証、レンタカーのナンバーといった複雑な情報をGeminiが記憶し、自動入力するオートフィル機能を導入する。
Gboardには、「Rambler」という音声入力機能を追加。従来の逐語的な音声入力とは異なり、「えー」や「あー」といったフィラーや、途中での訂正などを踏まえて、必要な内容だけを抽出し、メッセージとして整形する。リスト化や絵文字の追加も後から指示でき、多言語が混ざった発話にも対応している。
また、Generated UIの取り組みとして「Create My Widget」も発表された。これは、ユーザーが「週末の子供向けアクティビティ」や「特定のコンサートの直前チケット情報」など、常に最新情報を知りたい内容を指示することで、Geminiがその目的に特化した専用のウィジェットを自動生成する機能。
カスタムウィジェットにも対応し、自然言語で欲しいものを説明するだけで、オリジナルのウィジェットを作成できる。例えば、食事の作り置きをしている場合、「毎週、高タンパクな作り置きレシピを3つ提案して」とウィジェット機能に指示するだけで、ホーム画面に直接追加でき、サイズ変更できるカスタムダッシュボードが自動で完成する。
Gemini Intelligenceの機能は、26年夏に最新のSamsung GalaxyとGoogle Pixelスマートフォンから順次展開開始。26年後半には、スマートウォッチや車、ノートパソコンなど、様々なAndroidデバイスで利用できるようになる。日本での提供の有無を含めた具体的な提供地域は今後発表予定。
Android 17はクリエイティブ強化 乗り換えも簡単に
Android 17の発表では、クリエイター向けのアップデートが多く紹介された。Instagramとの連携が強化され、Ultra HDRやネイティブの手ぶれ補正、夜間撮影モードが直接利用でき、主要な競合製品と同等以上の品質の動画を投稿できるとする。
また、SNSのトレンド投稿に対して自分の反応を録画して重ねることができる「Screen reactions」機能や、Instagramの編集アプリ内でAndroidのオンデバイス機能を使える仕組みなども追加された。
このほか、YouTubeクリエイター向けに「Adobe Premiere」アプリが今夏Android向けに登場。YouTube Shortsに特化した専用テンプレートが利用可能になるほか、約4,000の絵文字がより感情表現豊かなデザインへと刷新される。
デジタルウェルビーイング関連では、気が散るアプリを開こうとした瞬間に一時停止を促す機能が紹介された。アプリタイマーのように事前に制限するだけでなく、アプリを使う直前に深呼吸や短い待機時間を挟み、ユーザーが意図を持って次の行動を選べるようにする。
デバイス間の連携や乗り換えのハードルを下げるアップデートも発表。Appleと協力し、iOSからAndroidへの移行プロセスを全面的に見直し、データを確実に移行できるようにした。パスワード、写真、メッセージ、お気に入りのアプリ、連絡先に加え、「ホーム画面のレイアウト」まで、iPhoneから新しいAndroid端末へワイヤレスで移行できる。
加えて、eSIMの移行にも対応可能となる。このアップデートは、26年中にまずSamsung GalaxyおよびGoogle Pixel端末で提供開始される。
さらに、Androidのアップデートでは、現在のPixelやGalaxy、Oppo以外のAndroidスマートフォンで、アップルのAirDrop対応を加速。26年度中にはより多くのメーカーのスマートフォンで対応する。また、対象デバイス以外のAndroid スマートフォンのQuick Shareにおいて、QRコードを生成し、クラウド経由でiOSデバイスと即座にファイルを共有できるようになる。
クルマでもAndroidにGeminiの知性
自動車向けには、車載システムの「Android Auto」と「Google built-in」のアップデートが説明された。Android Autoはさまざまな形状やサイズの車載画面に適応し、スマートフォン側のフォントや壁紙のカスタマイズが車内にも反映できるようになる。
車内でのGemini Intelligenceに対応。例えば、友人から住所を尋ねるメッセージが届いた場合、Magic Cue(マジックサジェスト)が質問の文脈を理解し、テキストメッセージ、メール、カレンダーの情報を使って回答を探し、正しい情報を記載した返信をワンタップで送信するよう提案する。
また、運転中に「DoorDashでいつものフィッシュタコスをテイクアウトで注文。量を2倍にして」などとGeminiに伝えるだけで、モバイルオーダーが完了。そのままピックアップして持ち帰れる。
Googleマップでは、建物の3D表示や車線・一時停止標識の詳細を鮮明に映し出す「イマーシブナビゲーション」が導入される。エンターテインメント面では、駐車時にYouTubeなどのHD動画を60fpsで視聴できる機能が追加され、運転モードに切り替わるとシームレスに音声のみの再生へと移行する安全な設計が採用されている。
Google built-inの対応車種では、ダッシュボードの警告灯の意味やトランクの容量についてAIに質問できる機能のほか、車のフロントカメラを利用して走行中の正確な車線を特定し、リアルタイムで案内を行なう高度なナビゲーション機能も今後提供される。Zoomにも2026年中に対応する。
Googlebook
ノートPCでは、Androidベースの新しいカテゴリーとして、「Googlebook」を発表した。Gemini intelligenceを中核に据えて開発された、プレミアムなハードウェアデバイスとして展開される。
Google PlayやChromeのエコシステム、Geminiを組み合わせ、スマートフォンやほかのデバイスとシームレスに連携するノートパソコン体験を目指す。
新機能「Magic pointer」は、従来の“受動的”なマウスカーソルをAIでアクティブに活用するツールとして再定義する。ポインターをファイルや画像の上で揺らすと、AIがその要素に対して実行可能なアクションを理解し、例えば2つの画像をホバーして選択するだけで、Geminiが自動的にそれらを合成したポスターのデザインを生成するなどの高度な操作が即座に可能となる。
また、スマートフォンをバッグに入れたままでも、ラップトップ上から直接スマホ内のアプリをシームレスに操作できる機能や、すべてのデバイスのデータが1つのファイルブラウザ内に集約されて直接アクセスできる機能なども追加される。
Googlebookは、HP、Dell、Lenovo、Asus、Acerといったパートナー企業と緊密に連携し、ハードウェアとソフトウェアが美しく統合されたプレミアムな製品群として今年後半に市場へ投入される予定。








