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Microsoft版Claude Cowork登場 「Copilot Cowork」が業務を自律作業
2026年3月10日 00:11
Microsoftは9日(米国時間)、「Microsoft 365」のAI機能「Microsoft 365 Copilot」の強化を発表した。AnthropicのAIモデル「Claude」をCopilotに本格導入するほか、Claude Coworkの基盤技術をCopilotに搭載した「Copilot Cowork」の研究プレビューを提供開始するなど多くのアップデートを盛り込んでいる。
Microsoft版Claude Coworkの登場「Copilot Cowork」
もっとも大きな発表と言えるのが「Copilot Cowork」だ。
Anthropicが1月から提供開始した「Claude Cowork」は、Claudeが自律的に作業を代行するサービス。コンピュータ上の任意のフォルダへのアクセス権を付与することで、例えばダウンロードファイルを分類・リネームして整理したり、多くのスクリーンショットから支出リストをまとめたスプレッドシートを作成するといった人間が行なってきた作業を自動化する。
プロンプトでClaudeに指示することで、必要に応じてプログラムをバックグラウンドで作成し、Webブラウザーやデスクトップの操作など、パソコン上の作業を自動で行なうため、コーディング“以外”の多くのオフィスワークをAIに任せられると注目を集めている。2月にはSaaSやソフトウェア企業の株価が急落する事態も発生したが、これもClaude Coworkのインパクトにより、ソフトウェア産業の成長性への疑問が投げかけられた形だ。
そのClaude CoworkにMicrosoft 365 Copilotが対応。Copilot Coworkとして研究プレビューを一部顧客向けに提供開始する。
Copilot Coworkでは、MicrosoftのWork IQを搭載。Outlook、Teams、Excel、その他のMicrosoft 365全体から情報を収集・理解し、ユーザーからのタスクに対応する。
タスクをCoworkに依頼すると、プロンプトから計画が作成される。計画はバックグラウンドで進行し、利用者はチェックポイントごとに、進捗確認や変更、実行の一時停止などの指示が可能となる。また、不明点があればCoworkから確認を求めてくる。Copilotは制御を放棄することなく自律的に動作し、タスクを完了する。
利用例としては、カレンダーの整理など以下の4種類で紹介している。
- カレンダーの整理
- 会議資料一式を作成しチームを調整
- 迅速な企業調査
- 新製品のローンチ計画
カレンダーの整理は、会議の優先度をCoworkに委ねるもので、Outlookスケジュールを確認し、優先事項を尋ね、競合や低価値な会議をフラグ付けする。その後、変更案が提案され、承認すると、会議の承諾・辞退・再スケジュールを行なうほか、集中ブロックも追加する。手動作業を行なわず、会議等を整理しながら、重要な業務に充てる時間を確保できるという。
会議資料の作成は、メール・会議・ファイルなどから関連情報を抽出し、カレンダーに準備時間を設定すると、ブリーフィング資料や補足分析、顧客向けプレゼン資料などの成果物一式を生成する。生成したデータはMicrosoft 365上で共有され、チームで共同編集が可能となる。
企業調査では、情報収集、分析からレポートをパッケージ化。Coworkにより、Webや業務資料からの企業調査を外部委託できる。Coworkは、決算報告書やIR資料、アナリストコメント、関連ニュースを収集し、引用付きで調査結果を整理する。メール用のエグゼクティブサマリー、裏付けをもった構造化された調査メモ、ラベル付きタブのExcelワークブックなどが提供される。
新製品ローンチ計画は、新製品投入時の競合分析や販売プランなどをCoworkに委任するもの。CoworkがExcelで競合比較表を作成し、差別化要素を価値提案文書にまとめ、顧客向け資料を作成する。マイルストーン、担当者、次工程のアウトラインといった計画も作成可能で、すぐにチームの行動へ移せるようにする。
Copilot Coworkは、研究プレビュー版として一部顧客向けにテスト中。26年3月下旬にはフロンティアプログラムでより広く利用可能にする。
Claudeを本格導入 Agent 365も本格展開
Copilot Coworkを含む「Microsoft 365 Copilot」の新機能は「Wave 3」と命名されている。エージェント機能はWord、Excel、PowerPoint、Outlook、Copilot Chatなどに組み込まれる。
Wave 3では、Copilotの主力チャットサービスとしてAnthropicの「Claude」が利用可能となり、従来のOpenAIの最新モデルとともに並列提供される。MicrosoftはOpenAIの初期出資を経て、OpenAIのモデルを中心に展開してきたが、Anthropicのモデルもほぼ同じようにCopilotから扱えるようにする。Copilot Coworkの導入とともに、Anthropicの導入を強く進めた形だ。
5月1日からは「Agent 365」の一般提供を開始する。Agent 365は、組織全体でエージェントを管理する手法となり、セキュリティを損なわずにAIエージェントを一元的に監視・統制できる仕組みとなる。価格は1ユーザーあたり月額15ドル。
また、新たな「Microsoft 365 E7 Frontier Worker Suite」を、5月1日より一般提供開始する。価格は1ユーザーあたり99ドル。







