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「NTTモビリティ」設立 28年にレベル4自動運転バス運行
2025年12月17日 13:31
NTTは、安全でサステナブルな自動運転の仕組みの確立と、自動運転社会の実現をめざし、「NTTモビリティ株式会社」を2025年12月15日付けで設立した。資本金は14.3億円でNTTの100%子会社となる。
NTTモビリティは、人口減少と高齢化によって地域交通のあり方が変わっている現在、移動の自由を未来に残すことを目的として、自動運転技術で日本の地域交通を支える企業として設立された。地域の交通事業者や自治体などをターゲットとし、自動運転車両の提供や自動運転サービスの実装支援などを行なう。
具体的には、自動運転車両の提供・管理サービスとして、地域のニーズにあった自動運転のベース車両提供や自動運転システムを調達。車両の保守やメンテナンス、故障時の駆け付けサービスなども提供する。
自動運転の導入と運転支援サービスの提供では、ルートの設計やデジタルマップ作成、走行調律等を実施。NTTが目指す自動運転レベル4では、車両にドライバーが搭乗しないことから、遠隔監視システムを運用する人員をトレーニングするプログラムなども提供する。
運行支援としては、遠隔モニタリングシステムを提供。システムの構築から車両内外の遠隔モニタリング、乗務員業務のAI化等も行なっていく。
事業領域は、現在年間約1,500kmもの路線が廃止されている定時・定路線バスを重点目標として、オンデマンドバス、ロボットタクシーのサービス提供も視野に入れる。
サービスの提供体制としては、NTTモビリティが自動運転車両やシステム等を提供。地域の顧客との接点としては、全国のNTTグループ各社を活用し、地域に密着したサービスを展開する。
2026年からはNTT武蔵野研究開発センタにおいて、「CoCreation Hub」を設置。自動運転技術の更なる高度化や多様な車両・技術の検証、人材育成など、パートナーとの共創を通じて社会実装を推進する。
NTTの保有する通信システムやAI技術も活用し、路車協調技術・システム活用も推進。路車協調技術とは、道路上の死角となる場所について、路上に設置したセンサーなどを活用して安全性を確保する仕組み。見通しの悪い交差点などで他の車両の接近を知らせたり、工事現場などの道路状況を提供することで安全な走行ルートを通行できるようにする。
レベル4自動運転車両にはドライバーが同乗しない代わりに、安全確保のための遠隔モニタリングが必要になるが、モニタリングシステムは、多数の異なるベンダーの車両を一括して管理できる統合モニタリング化を推進。モニタリングシステムでは、複数車両の監視カメラから送信される膨大な画像データを処理する必要があることから、IOWN技術等による通信の安定化やAIによって注意すべき車両をピックアップするなど効率化も図る。
NTTモビリティでは、2026年からレベル4自動運転実現に向けた本格的な取り組みを開始し、2028年にはレベル4自動運転バスを全国へ拡大。2030年中には1,000台以上の車両を導入し、運行支援を行なうことを目指す。







