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Oculus創業者パルマー・ラッキー氏、防衛テック企業の日本法人設立

防衛テック企業の米Anduril Industriesは、日本法人「Anduril Industries Japan合同会社」を設立した。Anduril(アンドゥリル)は、Oculus創業者のパルマー・ラッキー氏が米国で2017年に共同設立した防衛テック企業。

Andurilは、日本の防衛関連の生産に関する「豊富な経験」や「喫緊の課題」に対し、同社のソフトウェア開発や先進製造分野でのノウハウを活用でき、日本の即応性強化やイノベーションを支援できるとする。

Oculus創業者としても知られるAnduril創業者のパルマー・ラッキー氏は「日本の技術的卓越性と当社が培ってきた迅速なイノベーションの経験を組み合わせることで、日本の自律的な防衛能力を強化できる」コメントを発表、新たな防衛力整備のモデルを構築するとしている。

Andurilはすでに日本において、海上自衛隊が外部のシステムやデータと統合した指揮統制を可能にする仕組みについて実証を進めている。これらには、AndurilのオープンでAI対応も可能なソフトウェア・プラットフォーム「Lattice」が活用されている。

日本法人設立は、アジア太平洋地域を対象にした事業拡大の一環とも位置付ける。これは米国の同盟国が抑止力と能力を高めることや、ソフトウェア主導型ソリューションへの需要の高まりを反映したものとしている。

Anduril Japanの代表はPatrick Hollen(パトリック・ホーレン)氏。今後は日本での採用も拡大させる予定。

Anduril Japanは、今後の重点戦略領域として、分散型・多層的な防衛モデルを目指す「統合防空ミサイル防衛」、拡張性とコスト効率を高める「低コスト・スケーラブル・大量生産可能な能力」、大型の無人システムやAI活用のセンシングセットワークで水上・水中の状況の継続把握を行なう「海洋自律システムと水中システム」、人と自律システムの協働で指揮システムを向上させる「ヒューマン・マシン・チーミングと高度な自律性」という4分野を挙げている。

このほかすでに、日本政府の支援により、既存の産業施設を防衛生産向けに転用する可能性の検討や、日本の主要大学との連携を通じた先進的なソフトウェアの開発、AI人材の育成に取り組んでいるという。