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特定原付「タタモ」の実物を見た 変形機構が秀逸
2025年10月29日 19:57
「タタメルバイク」など、モビリティの開発・販売を行なうICOMAは、たためる特定小型原付のコンセプトモデル「tatamo!(タタモ)」を「Japan Mobility Show 2025」に出展しました。今回現地で実機を見てきましたのでレポートしていきます。
タタモは、同社の代表モデルである折りたたみ電動原付バイク「タタメルバイク」のコンセプトを引継ぎながら、特定小型原付(特定原付)として進化させたモデルです。タタメルバイクは原付一種でしたので運転免許が必要でしたが、タタモは特定原付なので16歳以上であれば免許不要で乗ることができます。
大きさはタタメルバイクよりも大幅に小型化していて、コインロッカーにも収納可能なサイズ感です。
変形前は収まりの良いスクエア型をしていますが、この状態ではディスプレイが「顔」になっていて、周囲の人間に視線を合わせてきます。実際にみてみると、シンプルながらなかなか情感溢れる動きをしてくれます。これは、ロボット的なインタラクション機能を搭載することで、モビリティに愛着をもってもらうのと同時に、タタモの状況を表情で表現する試みでもあります。例えば手を顔に近づけると、目をつむる表情をします。これは、接近しすぎると危険ですよ、という意思表示にもなります。ちなみに頭を撫でると喜びます。
変形機構はタタメルバイクよりも大きく変化していて、車輪を引き出すことで簡単に素早く乗車可能になります。このあたりは動画をご覧ください。なお、変形については電動で自動変形、というのも技術的には可能ではあるそうですが、コストの問題などから現時点の開発方針としては見送っているとのことです。
また、変形すると、顔だったディスプレイは運転手側に移動して、速度メーターなど情報表示ディスプレイになります。ディスプレイは常にユーザーとのコミュニケーションをとるためのインターフェイスという位置づけです。
車両の真ん中にはアタッシュケースのような荷物積載スペースも備えています。これは、さまざまなアタッチメントと交換できるコンセプトとしていて、例えば、増設バッテリーなどを用意するということもありえるということでした。
小型の特定原付は航続距離が30km前後のものが多いことから、用途によっては少し物足りません。増設バッテリーが用意されれば、より活用の幅は広がるのではないでしょうか。
現時点ではコンセプトモデルですが、製品化に向けて積極的に開発を進めている段階です。現状のモデルからさらにブラッシュアップをして使い勝手を向上させ、完成度を高めていくとのこと。
ICOMAでは、製品開発を3Dプリンタと板金を駆使して行なっており、金型を使っていないことから、開発の機動力が高いのが特徴です。今回の製品も外装などは3Dプリンタで出力されています。タタメルバイクの開発でも、気軽に試作をして修正を重ねていくという開発手法がとられていて、タタモについても同様の開発方針となっています。
特に、自動運転によって、呼べば来てくれる、乗り終わったら帰っていく、という機能なども開発する予定ですが、初期のモデルとしてはこれらは搭載せずに開発する可能性が高いそうです。同社としては、「まずはしっかりと走れるものを作る」ということで、今後の展開に期待したいところです。
















