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トヨタらが展示する「次世代モビリティ」 オフロード車いすや四足モビリティ【モビショー2025】
2025年10月30日 19:44
開催中の「Japan Mobility Show 2025」では、トヨタなど大手自動車メーカーが次世代モビリティの展示も行なっています。トヨタの折りたたみ特定小型原付「ランドホッパー」や、オフロード用車いす、スズキの4輪特定原付や4足歩行モビリティなど、コンセプトモデルから製品化も近いものまでさまざま展示がありました。
トヨタ
「ランドホッパー」は2年前のモビショーでも展示された、折りたたみの3輪特定小型原付です。前回からデザインがリファインされ、フレーム構造の見直しなどでより製品版に近くなったとのこと。ただし、現時点では発売予定は明らかにされていません。
「Challenge me」はオフロードを自在に走り回るために開発された車いすのコンセプトモデル。障害の有無は関係なく、誰でも地形を選ばず、段差も乗り越えて自由に動けるようにするためのモビリティです。背面には登坂時などに繰り出して、車両を支えるための機構も備えています。
「walk me」は、4本足の着座型モビリティのコンセプトモデル。4本の足によって段差も気にせず登れるほか、座りたい時にはモビリティが足を畳んで座ってくれます。
「boost me」は、スポーツ用に考案したモビリティのコンセプトモデル。スプーンのような部分に腰をかけ、重心移動によって操縦します。両手が自由に使えることから、バスケットボールのような球技も可能になるとのこと。
「TOYOTA Kids mobi」は、子供用モビリティのコンセプトモデル。自動運転によって子供を送迎したりしてくれます。会場では車内に搭乗して記念撮影も可能です。
トヨタブースでは、BANDAI SPIRITSとコラボレーションしたモビショーオリジナルのプラモデル「IMV Origin」を組み立てられるブースも用意。完全予約制。IMV Originはベースとなる車両にさまざまなオプションを取り付けることで多様な用途に対応できるように考案された車両です。プラモデルでも、模型のランナーなどを自由に使って思い思いの姿に組み立てることができます。
IMV Originの実物はこちらで、アフリカ向けに考案された車両です。アフリカでは自動車はあまり普及しておらず、バイクに過積載状態で荷物を大量に積み込み、事故も多いのが現状とのことで、バイクの代わりに安価で荷物を大量に搭載できる車両として考案されました。さまざまなパーツを組み合わせることで、いろいろな用途に利用できるようにしています。
レクサスブースでは、1人乗りモビリティ「LEXUS LS Micro Concept」を展示していました。自動運転のモビリティで狭い都市部での移動を想定しているとのことです。
スズキ
「SUZU-RIDE 2」は、前回のモビショーで展示された「SUZU-RIDE」をさらに進化させたモデルです。四輪で安定した走行を追求するというコンセプトはそのままに、より乗物として乗りやすいように工夫をしています。免許のいらない特定原付ですが、時速はあえて12kmに抑え、自転車程度の速度とすることで、安心して利用できる車両とすることを目指して開発されています。製品化の時期は未定ですが、スズキらしく質実剛健な車両として着実に開発は進めているとのこと。
「MOQBA(モクバ)2」も前回のモビショーで展示されていたコンセプトモデルの進化版です。用途としては、平地では車輪で走行し、段差のある場所は足を使って移動が可能になります。坂道や階段を登る際には、乗員の姿勢を水平に保つことが可能です。
外見は前モデルを踏襲しているように見えますが、各所のブラッシュアップを行なっています。側面のモーターの張り出しを抑えて車幅を短くしたほか、乗車時に膝が車両に当たらないよう工夫を凝らしています。
今回新たに、モーターには小型のブレーキを搭載。ロボットなど、モーターの関節を持った機械は、姿勢を維持するためだけにも常にモーターに通電する必要があります。このため、電力が無くなるとモーターが脱力して姿勢が崩れてしまいます。MOQBA 2では、モーターにブレーキを採用することで、電力を使うこと無く姿勢を維持することを可能にしています。歩行時や走行時も、不要な関節にはブレーキを掛けておくことで消費電力を抑えることができます。
「e-PO(イーポ)」は、パナソニックと共同開発が進められているペダル付き折り畳み電動バイクです。パナソニックの折り畳み電動アシスト自転車「オフタイム」がベースになっていますが、車輪が大型化され、フレームもほとんどが新規開発になっています。バッテリーはパナソニックの現行電動アシスト自転車と同じものが使えます。現在は公道での走行試験などが行なわれていますが、発売時期は未定です。
ヤマハ
ヤマハもオフロード向け電動車椅子として「NACTUS VS TRE-X」を参考出展していました。3輪の電動車椅子で、26インチのマウンテンバイク用オフロードタイヤを装備して不整地でも安定した走行が可能とのこと。トヨタとのアプローチの違いが興味深いところです。
同じくヤマハからは、電動車椅子「ONE-MAX Urban/Historical」が展示されていました。車椅子電動化ユニット「JWG-1」を装着した「旅する車椅子」。アタッチメント機構によって外観や機能のカスタマイズが可能です。
その他のブース
ホンダはeバイク「Honda e-MTB プロトタイプ」を展示していました。前回のモビショーで展示されていたものをベースに開発されたモデルですが、欧州向けで、日本国内での販売は予定されていません。
スバルは特定原付のコンセプトモデル「e-Rabbit concept」を展示。キックボードタイプの車両ですが、特徴はARグラスを装着しながら走行することで、走行中の注意喚起などを行なうことです。デザインはスバルがかつて製造していた「ラビットスクーター」をイメージしています。
SkyDriveは、「鉄道×空飛ぶクルマ」をテーマとし、実機サイズの「SkyDrive式SD-05型」の展示を行なっています。SkyDriveでは将来鉄道駅などから空飛ぶクルマを運行することを想定し、鉄道各社と取り組みを行なっていますが、会場では電車に乗るように自動改札で気軽に搭乗できるイメージを再現し、機内に乗り込むことが可能です。
コライドンとミライドンは「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」に登場する伝説のポケモンをモチーフにしたモビリティ。任天堂とトヨタ、ホンダのコラボレーションによるもので、トヨタは「トヨタミライドン」、ホンダは「ホンダコライドン」を開発しました。会場では実際に乗り込んでの記念撮影も行なえます。
モビリティではありませんが、商船三井は水素生産船「WIND HUNTER」の模型を展示していました。全長230mの巨大な船に、12基の風力補助推進システム「ウインドチャレンジャー」を装備して、100%風力で航行。船底には巨大なプロペラを装備し、船が風で推進することでプロペラが回転。発電によって海水を水素に変換して生産します。
ウインドチャレンジャーは伸縮式で、停泊時や橋の下をくぐる際には縮めて運用します。すでに実際の商船にも搭載が始まっていて、現在では1本を搭載した船が運航されていますが、1本のウインドチャレンジャーによって燃費が10%近く向上することが分かっています。商船三井では将来的にウインドチャレンジャーの搭載船を増やすことで、長距離航海での燃費向上を図るとのことです。



























































