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小田急ロマンスカー50000形「VSE」完全引退は12月10日

特急ロマンスカー・VSE(50000形)

小田急電鉄は、“白いロマンスカー”として親しまれてきた特急ロマンスカー・VSE(50000形)について、12月10日のイベント運行(最終到着地:成城学園前駅)をもって完全引退することを決定した。

VSEはVault Super Expressの略で、Vaultはドーム型の天井、天空の意から名付けられた。デビューは2005年で、当時はバブル経済の崩壊により箱根では全国の観光地と同様に観光客が減少しており、観光輸送に特化したロマンスカーとして復興の想いが込められていた。

ニューイヤーエクスプレスとして運行する様子

移動時間をより上質なものとするため、空間設計等を意図して建築事務所「岡部憲明アーキテクチャーネットワーク」に総合デザインを依頼。車両は、高いドーム型天井や温かみのある木を用いるなど居住性を高める革新性と、展望席や連接台車などの伝統の継承を両立していた。

菜の花とVSE
彼岸花とVSE

引退の理由は、特殊な構造や装置を採用していることからVSE本来の性能を維持して運行することが困難なため。約18年の歴史に幕を下ろす。

イベントとして、12月9日にロマンスカー・VSE(50000形)引退記念撮影会、12月10日にラストランツアーを実施。

撮影会は、完全引退するVSEの最後の雄姿を海老名電車基地で撮影できるイベントで、撮影会後に海老名電車基地からタラップを使ってVSEに乗車し基地内を走行後、新宿駅まで乗車できるプランも用意する。

発売日時は11月7日12時30分で、定員は内容により異なり100名から130名の先着順。価格は、撮影会が9,800円、乗車会が6,800円から、乗車付き撮影会が13,800円から。いずれのプランも中学生以上が対象。

ラストランツアーは、全3回、各回異なった行路で小田急線を運行する。第1回は相模大野駅(8時10分頃発)-片瀬江ノ島駅-唐木田駅(11時35分頃着)、第2回は唐木田駅(12時30分頃発)-新宿駅-秦野駅(15時50分頃着)、第3回は秦野駅(16時10分頃発)-箱根湯本駅-成城学園前駅(20時頃着)。

発売日時は11月8日12時30分で、定員は各回300名の先着順。価格は中学生以上が10,900円から、4歳以上・中学生未満が9,600円から。

そのほか、記念券「VSE引退 小田急ロマンスカー5車種ラインナップ記念硬券付きカードセット~VSEスペシャルフォトカード付き~」を、12月1日9時に発売する。価格は2,000円(送料別)、販売部数は3,000部、販売箇所は山口証券印刷専用サイト「きっぷと鉄こもの」。

記念硬券付きカードセット(表紙)
VSEスペシャルフォトカード