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新型ロマンスカーは淡い水色・台車方式はボギー車 29年3月就役

先頭車イメージ

小田急電鉄は、2029年3月就役予定の新型ロマンスカーについて、開発コンセプトを「きらめき走れ、ロマンスカー」とし、車両形式は80000形、編成両数は7両、台車方式はボギー車に決定した。車体カラーは「淡い水色」を基調とする。また、白いロマンスカーを26年3月下旬からロマンスカーミュージアムで展示する。

小田急電鉄は24年9月に新型ロマンスカーの設計に着手し、開発コンセプトやデザインを検討してきた。小田急グループの事業エリアが多摩川をはじめとした河川、富士山を望む箱根の芦ノ湖、江の島を含む海岸曲線を描く相模湾など、「水」と関連した風景に恵まれていることから、水のような人・地域・自然をつなぐ存在となるよう「水」をテーマに開発を進めている。

車両開発コンセプトの「きらめき走れ、ロマンスカー」には、陽に照らされ水面がきらめくように、乗るたびに人の心を動かす瞬間「きらめき」を生み出し、「きらめき」を波紋のように多くの人に広げていけるような存在を目指すという思いが込められている。

「水」をテーマに開発を進めていく新型ロマンスカー

車両の基本設計は、VSE(50000形)の後継という位置づけであることから、ロマンスカーの代名詞でもある展望席を設ける。外観は、展望席とその上に位置する運転席を雫のような大型の曲面ガラスで一体的に包む。

車体カラーは、水の清らかさを感じさせ、シーンによって見え方・感じ方が変わる「淡い水色」を基調に、車両連結部には「バーミリオンオレンジ」を施すことで伝統を継承する。

車体側面(窓下等)には、水面の波紋を想起させる「ゆらぎ」を設け、瑞々しさと柔らかさを表現する。

車内は、複数の座席種別、大型の窓などを計画。また、箱根登山線へ乗入可能な車両仕様とする。

今後、開発コンセプト策定に携わったデザイナーのCOA一級建築士事務所、および鉄道・非鉄道部門を社内で横断して、詳細設計に着手するとともに、車両製造に向けた社内手続きも順次進める。

小田急電鉄では、23年12月まで運行していたロマンスカー・VSE(50000形)を、ロマンスカーミュージアムで26年3月下旬から展示する。白いロマンスカーの愛称で親しまれたVSEは、2005年にデビューし、最終運行日までの約18年、2編成の合計で約623万kmを走行し、延べ約2,000万人が乗車した。

運行終了時の様子

VSEは50001編成のうち、運転席を含む展望車両をロマンスカーギャラリー奧の中央に配置し、車内を歩ける「見学ルート」を設定。車両の横に新設する階段を上がり、展望席付近にある非常用扉から乗車して、車両連結部にある車掌室を通り抜けて降車するルートで、VSEの高いドーム型の天井や、沿線風景を楽しめるように角度を付けて設置した座席などを間近で見られる。

展示を予定しているロマンスカーギャラリー

50002編成についても企画の検討を行なう。ロマンスカーミュージアムの所在地は神奈川県海老名市めぐみ町1-3で、小田急線海老名駅隣接。