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EU、大手テック企業を規制強化。「デジタル市場法(DMA)」

欧州連合(EU)は24日、大手テック企業を規制するデジタル市場法案(DMA:Digital Markets Act)に合意したと発表した。GoogleやAppleなど、オンライン上で力を持つ大手プラットフォーム(ビッグテック)の市場支配力の制限を想定し、ブラウザや検索エンジン、メッセージングなどのサービスにおける制限や相互運用などのルールを定める。

DMAの対象となるのは、「中核的プラットフォームサービス」を提供する、時価総額750億ユーロ以上、もしくは年間売上高75億ユーロ以上の大企業。力を持つサービスを「ゲートキーパー」に指定し、ブラウザやメッセンジャー、ソーシャルメディアなど、EU域内の月間エンドユーザー数が4,500万人以上のサービスが対象となる。

例えばWhatsappやFacebook Messenger、iMessagerなどには、メッセンジャーサービスの相互運用のため、小規模サービスなどに対して開放するよう要求する。また、ターゲット広告のための個人データの結合は、明示的な同意がある場合にのみ許可される。ユーザーがブラウザやバーチャルアシスタント、検索エンジンを自由に選択できるようにするための要件も盛り込む。

主な条件や規制は以下の通り

  • サブスクリプションの購読と同じような条件で、購読停止できることを保証
  • Webブラウザなど重要なソフトウェアを、OSインストール時にデフォルト要求しない
  • メッセージングサービスの相互運用性確保
  • アプリ開発者がスマートフォンの補助機能(NFCチップなど)に公平にアクセスできるようにする
  • 自社サービスを他社より優先しない
  • 収集したユーザーデータを他のサービスで転用しない
  • アプリストアにおける支払いサービスの強制はしない
  • 欧州委員会に買収や合併を報告する

ゲートキーパーが規則を守らない場合、欧州委員会は、前会計年度の世界総売上高の最大10%、違反が繰り返される場合は20%の制裁金を科す。また、組織的な違反の場合、欧州委員会は一定期間、他の企業の買収を禁止できる。理事会と欧州議会の承認を経た後、施行予定。