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トヨタ、水素エンジンを開発。レース参戦

トヨタ自動車は、「水素エンジン」の技術開発を発表した。

カローラ スポーツをベースとした競技車両に水素エンジンを搭載。5月21日から開催される「スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第3戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」に「ORC ROOKIE Racing」の参戦車両として投入する。

エンジンは総排気量1,618ccの直列3気筒インタークーラーターボで、使用燃料が圧縮気体水素となる。

トヨタの「MIRAI」などに使用している燃料電池(FC)が、水素を空気中の酸素と化学反応させて電気を発生、モーターを駆動させるのに対し、水素エンジンは、ガソリンエンジンから燃料供給系と噴射系を変更し、水素を燃焼させて動力を発生させる。微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時にCO2は発生しない。

水素エンジンにおける水素の燃焼の速さは、ガソリンよりも速く、応答性が良いという。また、優れた環境性能と同時に、音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性があるという。

水素エンジン イメージ動画

今回の水素エンジンには、GRヤリスなど、モータースポーツで鍛えた技術も活用。安全性については、燃料電池車の開発やMIRAIなどで積み重ねてきた技術・ノウハウを活用していく。なお、競技中には福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」で製造された水素を使用する。

トヨタのカーボンニュートラルへの実現に向けた取り組みの一環。FCVなどFC製品の普及による水素活用の促進を目指す取り組みに加え、水素エンジン技術をモータースポーツで鍛えることで、より良い水素社会の実現を目指すという。