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ヤフー+ZOZOで「日本のECナンバーワンに」。前澤氏「月に行く」

ヤフー川邊社長、ZOZO 澤田宏太郎 新社長兼CEO、ZOZO前澤前社長

ヤフーがファッションECの「ZOZOTOWN」を買収する。ヤフーとZOZOの両社が12日共同会見を開催し、ヤフー川邊健太郎社長は、両社のシナジーを生み出し、「2020年代前半に国内ECナンバーワンに手が届く」と宣言。今後の取組を紹介した。

日本ECナンバーワンへ。千葉の偉大なるネットカンパニーZOZO

ヤフー川邊社長は、ZOZOが先日の台風で被災した千葉を本拠地としていること、そして自身も「被害が大きかった館山市の人間」と切り出し、「晴れやかな日だけれど、少し心が晴れない部分がある。しかし、だからこそ絶対に成功させたいという気持ち。千葉が生んだ偉大なるインターネットカンパニーZOZOを一緒に盛り上げる。そんな資本業務提携にしていく」と語った。

ヤフーは、ZOZOに対する公開買付けを行ない、ZOZO株式の50.1%を取得、連結子会社化する。約4,000億円というヤフー過去最大規模の買収だが、「いままでヤフーは広告の会社であった。そして今後はEコマースをもうひとつの事業の柱とし、むしろこちらをキードライバーにしていくと」とEC強化の方針を強調した。

川邊社長は、4つのポイントでこのパートナーシップを説明した。

  • ZOZOTOWNがECモール初出店
  • 購入者爆増
  • Eコマース取扱高爆増
  • Eコマース営業利益爆増

ZOZOTOWNのECモール初出店は、ヤフーが立ち上げる「PayPayモール」に入ることが決定。川邊社長は、「できれば、いまZOZOに出店している、全ブランド・全ショップに入っていただきたい」と説明した。

購入者爆増については、両社のユーザー属性が補完的であることを強調。ヤフーは30~40代男性が、ZOZOは20~30代女性が多く“非常にコア”とし、両社の顧客基盤拡大が図れるとする。

取扱高は、両社が市場を上回る勢いで成長し、両社を足すと2兆円を超えると紹介。ヤフーが買収した「一休」の旅行事業における成功事例を紹介しながら、シナジー効果を強調し、「このノウハウを徹底的にZOZOに注入していく。結果、ヤフーとZOZOのEコマースを伸ばし、2020年代前半に国内ECナンバーワンを目指す。いままではなかなかその言葉を信じてもらえなかった。しかし、今はナンバーワンに手が届きつつあると感じている」とした。

川邊社長は、「ヤフーは広告の一本足打法から、広告とコマースの二本の柱になる。さらに、ZOZOTOWNへのPayPay導入など、いろいろな分野でイノベーティブな取り組みができる」と強調し、「両社は、20年を超えたインターネット企業の古参。お互いの成長ステージにおける最高のパートナーになる」と語った。

前澤氏が語る「ZOZOの課題」。孫さんの話が「アレ?」

ZOZOの前澤 友作“前”社長は、「前社長になっちゃいました。ZOZOもヤフーも全員賛成。一番最後に大きな決断ができて嬉しく思う。ZOZOも事業のフェーズが変わってきている。そして、僕が成し遂げたい夢があることから今回の決定に至った」と社長退任について説明した。

“ZOZOの課題”については、「さらに成長していくために、『ファッションが大好きな人』だけでなく、『あらゆる人』に届けていく必要がある。そこはヤフーが得意なところで、ヤフーにも若い人という弱点がカバーできるようになる。理想的な結婚のような関係。独身の僕が偉そうに言うのものなんですが……」と語った。

ZOZOの澤田新社長は、「ZOZOは前澤のインスピレーションにより作り上げられてきた。だからこそできた部分があるが、これからはトップダウン型から組織の力で成長する企業を目指す」と宣言し、「21歳の大人になったZOZO」の新体制をアピールした。

前沢氏は「(澤田氏に)トップダウン、ワンマンだといわれたが、自分でもそう感じていた部分がある。現場に十分な裁量を与えられないこともあったし、自分がやりたいようにやってきた。社会で就職した経験が無く、社長も当然ない。好きなことをやってたら社長になって、21年間やってきた。21年間、名も無きときから応援してきた方にこの場を借りてお礼したい。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。社員へのコメントでは涙ぐみながら「至らぬ僕をさせてくれてありがとうございました。泣き笑い楽しく……(10秒)。あとで社員に伝えます」とした。

さらに、スペシャルゲストとして、前澤社長が「勝手に尊敬している」というソフトバンクグループ孫正義社長が登場。「経営者としても一人の男としても大好きな前澤さんが、『相談に乗ってください』というからなにかと思った。『月に行く』と。そうかと。で、ヤフーでやろうという話が出てきた。前澤くんがZOZO社長のままでいいんじゃない? と言ったけど、前澤くんは『もうここはスパッと新しい人生行きたいです』と。月に行くし、彼女とも楽しくやりたい。羨ましい限りですね」とコメント。ヤフー川邊社長に孫氏は、「なにか口出しすると『親子上場が』とか『忖度経営』とか言われるので、好きにやってくれと伝えている。両方でシナジーが出るなら話し合って決めてねと。前澤くんとはこれからも友人として楽しい関係を続けたい」とした。

「ピッチピチのチノパンはうん十年ぶり」と孫氏

なお、「孫さんを月にお誘いしたら、即答でお断りでした」とのこと。孫氏は「怖いじゃん」と応じ、前沢氏は「安全第一で行ってまいります」とした。

なお孫氏の話しぶりでは、孫氏が前澤氏からヤフーへの売却相談を受けて決まったようにうに聞こえたが、前澤氏は訂正。「ご登壇頂いて、孫さんにご挨拶いただいたけど、一部ちょっとアレってところがあって(笑)。孫さんには人生もっとロックにいきたい、いかがわしくいきたいという話をした。そしたら『ヤフーの川邊くん紹介するよ』ということで、その後お話にいった。ヤフーさんとは、以前から提携しており、都度話はしていたが、今回改めてしっかりテーブルについてお話をさせていただいて、具体的な提携の話になった。なので、孫さんのところにいって、じゃあヤフーでいいじゃん、って話になったわけではありません」とのこと。

ヤフー川邊社長には、「前澤さんが人生再スタートを考えているらしいから、ZOZOの事業について話ししてみたら? という話があった」という。

なお、福岡の「ヤフオクドーム」と千葉の「ZOZOマリンスタジアム」と、両社がプロ野球球団の本拠地のネーミングライツを有している。この件については、「それぞれのマーケティング投資の中でやっていくこと」(ヤフー川邊社長)、「ビジネスの価値が高く、認知度も上がった。やめるつもりはない」(ZOZO澤田社長)とした。