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ヤフー、ZOZOを買収。集客と決済、PayPayモールで協力。前澤社長退任

ヤフーは、ファッション通販サイト 「ZOZOTOWN」を運営するZOZOに対する公開買付けを行ない、ZOZO株式の50.1%を取得、連結子会社化する。買収総額は約4,007億円。今秋にスタート予定の「PayPayモール」への集約や決済分野での協力などを目指す。ZOZOの創業者で筆頭株主の前沢友作社長は退任する。

ヤフーは、メディア事業やコマース事業を通じて国内最大級のユーザーを有しており、この業務提携により、ZOZOTOWNの集客強化を図る。また、ヤフーが2019年秋に開設予定の「PayPayモール」における協業シナジーなどを見込んでいる。

今後両社は、PayPayモールへのZOZOの出店、ヤフーのメディアからZOZOTOWN(PayPayモールに出店したZOZOTOWNを含む)出店ショップへのユーザー送客、ZOZOTOWNにおけるスマートフォン決済サービス「PayPay」の導入、付随するサービス導入のための協力、PayPayモールへの企業参加における営業協力などについて、協議を行なっていく。

ヤフーの会員基盤やPayPayを利用するユーザーを、ZOZOTOWNへ誘導。ZOZOサービスの購入者数及び会員数の飛躍的な拡大を目指し、「とりわけ中高年齢者層において高い利用率を有するヤフーから、ユーザーの誘導を受けることにより、若年層のユーザーを顧客基盤の中心としてきたZOZOTOWNにとって大きな補完効果が期待される」としている。

また、PayPayモールにZOZOTOWNが出店することで、ヤフーのサービスを利用する顧客層が一層拡大。PayPayモールの出店者がZOZOTOWNへ新規出店することによる取扱商品数の増加が期待されるとする。

ヤフーは、PayPayモールなどファッションECの強化に注力している。ここに、女性を中心としたユーザー、ささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)による統一的なユーザー体験の提供、ファッションメディア等への幅広い展開や、それらによる品揃えなど、ZOZOの資産を活用していく。

集客と決済というファッションECプラットフォームとしての根幹機能を、提携により大きく強化。ZOZOTOWNに出店しているアパレルブランドや、ZOZOTOWNで服を購入するユーザーへのメリットをもたらすとする。

また、ヤフーは、「ZOZOUSED」や、「WEAR」・広告事業等を含めた他事業に関しても、協議の上、提携の可能性について検討していくという。

なおZOZOは、公開買付けの成否に関わらず、今後も独立した上場会社として、東証一部への上場を維持する。

ZOZO前澤社長は退任

ZOZOの前澤社長は、株式の36.76%を持つ筆頭株主だが、このうち30.37%を今回の公開買付で売却。9月12日をもって代表取締役及び取締役を辞任する。

新任の代表取締役は現取締役の澤田宏太郎氏。前澤氏は、ZOZOとの契約関係はなくなるが、ファウンダー(創業者)として、今後も一定のイベントには参加する。