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成田空港にTOTOの最先端トイレ。日本発ウォシュレット文化を世界へ

TOTOは成田空港に、最先端のおもてなしトイレ空間と位置づける「experience TOTO」を4月3日にオープンする。設置場所は成田国際空港第1ターミナルビル南ウイング1階で、南ウイングから入国して最初のトイレとなる。

設置場所

experience TOTOの主な特徴は、トイレ正面壁面の大型液晶パネル、タブレットリモコン、トイレの混雑状況の表示、トイレ器具のモニタリング、音声ガイド機能、最新鋭のトイレ機器導入の6つ。このうち、タブレットリモコンと混雑状況表示はNTT東日本・バカン・TOTOの共同企画、トイレ器具のモニタリングはKDDI・TOTOの共同企画。

大型液晶パネルについては、トイレ正面壁面に縦長の液晶パネル4枚を配置。4枚で1つとなる映像を流す。制作中の動画は、水のゆらめきを表現した映像やウォシュレットの洗浄水流をイメージした映像。

大型液晶パネルのイメージと制作中の動画。左下は水のゆらめきを表現した映像、右下はウォシュレットの洗浄水流をイメージした映像

ウォシュレットの操作リモコンとして、experience TOTO専用のタブレットリモコンを試験導入。従来のボタン式のリモコンでは日本語と英語の2言語対応だったが、タブレット化により日本語・英語・簡体字中国語・繁体字中国語・韓国語の5言語に対応した。

また、上半分のインフォメーションスペースに、ウォシュレット未経験の訪日外国人に向けた情報や動画を流す。操作パネルはタブレット画面の下半分に納められる。

操作パネルの「使い方」をタッチすると、「おしり」、「ビデ」、「音姫」、「ノズルきれい」のメニューが表示され、それぞれの機能を説明。また、入室時にはおしりを洗うことの気持ちよさを伝える動画が、おしりなどの機能を使うと「ありがとう」のメッセージを伝える動画が、イラストアニメーションで流れる。

トイレの混雑状況の表示については、IoTを活用してトイレブースの使用状況および行列状況をトイレ入口両脇に設置した液晶パネルにリアルタイムに表示。トイレのドアに設置したセンサーと行列状況を感知する解析技術によりトイレ使用状況を把握し、クラウドを介して、空室/混雑状況および行列発生状況を液晶パネルに5言語(英語・簡体字中国語・繁体字中国語・韓国語・日本語)で表示する。

トイレ器具のモニタリングはIoTを活用したシステムで、試験導入という位置づけ。experience TOTOに設置したトイレ器具のセンサー情報やON/OFF情報をクラウドを介してモニタリングし、トイレの利用実態や消耗品の残量などを把握する。得られた情報は、清掃・補充の最適化や安全管理に活かされるとしている。

音声ガイド機能については、experience TOTOの多機能トイレおよび車いす使用者優先トイレに試験導入。入室後に言語(英語・中国語・韓国語・日本語)を選択すると、便座へ座る/便座から離れるなど、位置に応じた音声ガイドが流れる。これにより、大便器以外に様々なトイレ器具がある多機能トイレは、不慣れな訪日外国人にとって使い方が分かりづらい、という課題の解決を図る。

最新鋭のトイレ機器導入については、2018年2月より展開しているパブリック商品の新コンセプト「PUBLIC RESTROOM ITEMS」の商品群の機器を導入。

大便器は「壁掛大便器セット・フラッシュタンク式」、温水洗浄便座は「ウォシュレット アプリコットP」、男性用小便器は「マイクロ波センサー壁掛小便器セット」、洗面器は「ツインデッキカウンター(ボウル一体タイプ)」、多機能トイレは「RESTROOM ITEM 01 フラットカウンター多機能トイレパック」が導入される。

そのほか内壁材には、TOTO独自の光触媒技術「ハイドロテクト」による抗菌・抗ウイルスなどの機能性を兼ね備えた大型陶板「ハイドロソリッド」を全面的に使用。壁の柄として部分的に、experience TOTOのデザインコンセプトにあわせた、さざなみ立った水面を表現したオリジナル柄を使用している。

また、TOTOで30年前より取り組んできたパブリックトイレの提案活動の知見を活かした“おもてなし”のプランニングをexperience TOTOでも採用。多機能トイレへの利用の集中を解消するための機能分散や、女性トイレの混雑緩和と快適性向上のための洗面とスタイリングコーナーの分離、男性小用時のプライバシー配慮のための小便器間の仕切りなどを取り入れている。

女性トイレ イメージ
男性トイレ イメージ

TOTOは中期経営計画「TOTO WILL2022」で「日本を世界のショールームに」を掲げ、パブリックトイレの充実を目指している。experience TOTOは、TOTOと成田国際空港のコラボレーションにより、入国最初のトイレで温水洗浄便座「ウォシュレット」に代表される“日本のきれいなトイレ文化”を訪日外国人が体験することを目的とする。

なお、TOTOと成田国際空港のコラボレーションによるトイレ空間は、第2ターミナルビルに「GALLERY TOTO」を2015年4月に開設して以来、2件目。