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高級感のあるワンランク上のボールペン 三菱鉛筆・ゼブラ・パイロット
2025年9月11日 08:20
1万円クラスの高級ボールペンはコスト的にハードルが高いし、それでもデザインにこだわったお気に入りの1本が欲しい。そんな方に最適なのがミドルクラスのボールペンです。1,000~3,000円程度と比較的手頃な価格が魅力で、「ワンランク上のちょっといいボールペンが欲しい」というニーズにも応えてくれます。
そこで今回は、豊富なラインナップを取り揃える渋谷ロフトにて、ロフト 商品本部 文具雑貨領域部 バイヤーの土谷貴史さんにミドルクラスボールペンの特長やおすすめの商品などを聞いてきました。
「ミドルクラスのボールペンは、低価格帯のものと比べるとデザインや機能面で付加価値がプラスされているのが特長です。例えば、真鍮のパーツを使って質感にこだわったり、重みにより安定感を出したり、塗装やパーツにこだわって上品に仕上げたり。付加価値はモデルによって様々なので、より自分好みの1本を選ぶことができます。また、『持った時に満足感を得られる』『ペンケースの中や手帳に刺してある様を見てモチベーションが上がる』といったことも、ミドルクラスのボールペンが選ばれる理由のひとつ。購入者のほとんどは社会人で、『ここぞ』という時の勝負ペンとして使う人もいらっしゃるようです」
金属パーツで高級感を演出するゼブラの人気モデル
最初に紹介してくれたのはゼブラのベストセラーモデル「サラサクリップ」の高級ライン「サラサグランド」。前モデルから軽量化するなど設計とデザインをリニューアルし、従来の0.5mmに加えて、細かい文字を書き込める0.3mmのボール径も追加されました。
「サラサクリップは軸が樹脂で出来ていますが、こちらは金属製で重量感があり、金パーツで高級感を演出しています。『サラサクリップ』と同じゲルインクですが、万年筆で使われるようなビンテージカラーを採用しているのがこのモデルの特徴です。軸の色に対応したカラーインクが使われていて、どの色も落ち着いたシックな色合い。黒とは違ったやさしい雰囲気で個性を出すこともできる、この価格帯の売れ筋のモデルです」
ゼブラでもう1つの注目モデルは「フィラーレef」。しっくりと手に馴染む曲線のフォルムとキラキラ光る装飾リングが手元を彩る1本で、大切な人へのギフトにもおすすめです。
「金属ボディと金パーツを使った、上品な雰囲気が漂うモデルです。ボディはピンク、ホワイト、淡いグリーンなどの6色展開で、インクはすべて黒。滑らかで濃い文字が書けるゼブラ独自のエマルジョンインクを搭載したボール径0.5mmのボールペンで、色やデザインから女性人気が高い1本です」
定番のロングセラーモデルや新進気鋭ブランド
次はパイロットの、ビジネスやフォーマルなど幅広いシーンで活躍するスリムモデルの油性ボールペン「アクロ1000」が登場。
「様々な種類があるアクロボールシリーズの上位モデルです。アクロボールに使用しているアクロインキは、粘度を一般的な油性ボールペンの1/5にすることで水性に近いサラサラな書き味を実現。潤滑油のような成分が多く入っているのでダマになりにくいのも魅力です。ボディはダーク調のカラーで、あえて金パーツではなくシルバーを使っているのがポイント。ビジネスで持ちやすい、スタイリッシュなデザインに仕上げています」
続いて紹介するのは、2025年7月に発売したばかりの新商品、KAYOU+(カーユプラス)の「セラー」です。KAYOU(カーユ)はトレーディングカードを主力事業とした中国のメーカーで、文具好きの社長が日本に現地法人をつくり、日本でのみ製造販売するステイショナリーブランド、KAYOU+を立ち上げました。
「石のような質感が心地いいセラミック調の素材を採用し、ボディに合わせて金属パーツもマットに仕上げている個性的なデザインが魅力です。内側に真鍮製の金属軸を仕込むことで、バランスのとれた重さと上品な質感を実現しました。速乾性に優れ、インク溜まりやかすれが起きにくいオリジナルの水性ゲルインクを搭載しています」
種類豊富な三菱鉛筆の中で話題性の高いモデルはこれ!
シリーズ販売本数は世界で年間1億本以上と圧倒的な人気を誇るボールペン「ジェットストリーム」でお馴染みの三菱鉛筆は、ミドルクラスのラインナップも豊富に取り揃えています。ということで、ここからは三菱鉛筆の注目モデルをご紹介。最初に紹介するのは、1月発売の「ユニボール ゼント フローモデル」です。
「ゼントには4つの価格帯の商品がありますが、このフローモデルはアルマイト塗装を施したアルミ製のグリップと軸色に合わせた可動式カラークリップを採用したミドルクラスのラインになります。ゼントの一番の特長は、新開発されたゼントインクです。ここ数年は油性やゲルインクが主流で、水性ボールペンはあまり新製品が出ていませんでしたが、こちらは水性インク。乾きが遅いという水性インクの難点を克服して速乾性のあるインクに仕上げられていますので、ぜひ店頭で試し書きをして、やわらかな書き味とにじみのない速乾性をご確認ください」
三菱鉛筆にはジェットストリームインクを使ったボールペンが数多くありますが、1月に発売されて大きな話題となったのが「LAMY safari JETSTREAM INSIDE」です。
「24年に三菱鉛筆がドイツの人気ブランド『LAMY』を子会社化し、ジェットストリームのインクを採用した『LAMY safari JETSTREAM INSIDE』が誕生しました。LAMYが持つ機能美はそのままにジェットストリームインクを搭載することで、さらに滑らかな書き心地を追求。ミドルクラスボールペンの中ではカジュアルなデザインで、幅広い層に人気があります。購入時は『JETSTREAM替芯 M17』の0.7mm芯を搭載していますが、0.5mm芯も販売されていて変更も可能です」
ジェットストリームの高級ラインは回転繰り出し式がアツイ
ジェットストリームの中でも豪華版のような位置づけとなる「ジェットストリーム プライム」。24年末にリニューアルされ、形状や質感にこだわった紙パッケージに変更し、よりサステナブルを意識したものになりました。プライムには多彩な種類がありますが、今回は回転繰り出し式モデルを2型ご紹介。
「軸を回転させてペン先を出すタイプで機構としては単純ですが、昔は筆圧が強いと書いているうちに押し戻されてしまうものもありました。でも、この商品は精密につくられているためその心配がありません。また、回転繰り出し式は樹脂パーツを使うと歪んでしまうため主に金属製で、海外メーカーの高級モデルにも多く採用されています。そのため、『ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式シングル』は海外メーカーを意識したつくりに。先端に向かって緩やかに細くなるスタイリッシュなデザインで、ペン先の繰り出し動作に適度な重みをもたせて上質な操作感を表現しています」
「回転繰り出し式には3色ボールペンもあります。軸を回転するたびに色が黒、赤、青と変わっていくタイプで、一番の特長はさらさらと軽やかな書き心地の『JETSTREAM Lite touch ink』を搭載していること。デザインやカラーリングも書き心地と同様に軽やかな雰囲気で、上質ながらも手に取りやすい1本になっています」
「インクに関してはお客様の好みによって異なり、長年ジェットストリームを愛用している人はしっかりと濃い従来インクを好まれる場合もあるので、試し書きしてからの購入がおすすめです」
木製の軸にこだわりが。エコも意識したデザイン性の高い1本
三菱鉛筆のボールペンの中には廃材をリサイクルしたエコな商品もあります。廃材使用といっても興味深いストーリーがあり、持って、使って気分が上がるような、こだわりが詰まった特別なボールペンです。
「三菱鉛筆が20年以上前から販売している『ピュアモルト』は、何十年もウイスキー樽として使っていたオーク材をボールペンの素材にした商品です。中央が膨らんだフォルムや金属パーツはウイスキー樽を彷彿とさせるデザインです。やさしい木の質感と温もりが手にしっくり馴染み、使い込むとツヤが出て経年変化も楽しめる1本です」
「家具メーカー『カリモク』とのコラボレーション商品も廃材を使っています。『ジェットストリーム 多機能ペン 4&1』という人気モデルをアレンジしたもので、家具をつくる時に出た端材をグリップに再利用。家具と同様のウレタン塗装を施し、柔らかく上質な触り心地を楽しめます。木目や色合いに天然木ならではの違いがあり、それぞれの個性を楽しめるのも魅力です。カリモクは海外のお客様にも知名度が高いためとても人気で、購入される方も多くいらっしゃいます」
タイプが異なる様々な商品を紹介してきましたが、興味をそそられるモデルは見つかりましたか? ミドルクラスのボールペンは百円単位のものと比べると高級感があるのが一番の特長です。ちょっといいペンを手にすると仕事への意欲も高まるので、お気に入りの1本をペンケースに入れておいてはいかがでしょう。
記事内の価格はすべて取材時点(8月25日)の渋谷ロフト販売価格です。



















