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電気シェーバーはどう選ぶ? パナ・ブラウン・フィリップス

日々のヒゲ剃りで、T字カミソリを使っているけど面倒くさい、電気シェーバー派だけど満足していない、という人も多いと思います。そこで今回は、ビックカメラ有楽町店で家電アドバイザーを務める鋤柄直之さんに、電気シェーバーを使うメリットや、種類ごとの特徴、最近のおすすめモデルなどを聞きました。

「電気シェーバーを使う一番のメリットは手軽さです。カミソリは直に使うと肌に負担がかかってしまうためシェービング剤などの前準備が必要ですが、電気シェーバーはその必要がありません。また、カミソリを使う場合は洗面所などに行かなくてはなりませんが、電気シェーバーなら場所を選ばずどこでも使うことができます。カミソリの方が肌への負担が大きいので、合わない人は肌荒れの原因になることも。それに比べて電気シェーバーは肌への負担が少ないので、どんなお客様でも使いやすいのが魅力です」

ビックカメラ 有楽町店 主任 健康家電コーナー 家電アドバイザー(生活) 鋤柄直之さん
ビックカメラ 有楽町店の電気シェーバーコーナー

肌質やヒゲの濃さに合わせて商品を選べる

電気シェーバーの売場にはたくさんの商品が並んでいますが、どのような種類があり、それぞれにどんな特徴があるのかを聞いてみました。

「大きくは往復式と回転式の2種類に分けられます。往復式は深剃りで素早く剃りたい人向きです。ヘッド幅が広いモデルが多く、広範囲を一気にカットできますが、肌への負担は大きくなります。逆に、回転式は肌に優しいのが特徴です。ただし剃るのに時間がかかるので、肌が弱いけれど深剃りしたい人は回転式、簡単に早くしっかり剃りたい人は往復式をおすすめしています」

どちらのタイプも安価なエントリーモデルから高価なハイエンドモデルまで揃っていますが、その違いは何なのでしょうか。

「一番の違いは深剃りの性能です。多くのシェーバーは刃の枚数が増えると価格も上がり、硬いヒゲやクセのあるヒゲにも対応できるようになります。刃の枚数が増えると肌への接地面積が広がるので、単純に負担が少なくなる効果もありますね。あとは振動数。シェーバー自体が振動して、肌のより奥まで入って剃れる機能が搭載されているモデルもあります。さらに細かいところにまで配慮された機能や洗浄機などのオプションが付いているとより高価になります」

購入の際は、まず濃い・薄いなど自分のヒゲの感じや、肌が強い方か、弱い方かに応じて選ぶのがいいようです。

手のひらサイズに高機能を搭載した爆売れモデルはこれ!

まずはストレートに一番売れているモデルを聞いてみると、迷わずにパナソニックのコンパクトなシェーバーを紹介してくれました。

「今、電気シェーバーの中で爆発的に売れているのが『ラムダッシュ パームイン』です。深剃りができる5枚刃なのにコンパクトな手のひらサイズで、サイズは幅72mm、奥行45mm、高さ57mm、重さはモデルにより135gもしくは145gと、楽に持ち運べるのが最大の魅力です。このモデルを購入する方は、ほとんどが指名買いになります」

パナソニック ラムダッシュ パームイン ES-PV3A(33,660円)
パナソニック ラムダッシュパームイン ES-PV6A マーブルブラック(41,580円)
パナソニック ラムダッシュパームイン ES-PV6A マーブルホワイト(41,580円)

「以前からコンパクトなモデルはありましたが、どうしても性能が劣ってしまい剃り心地が弱かったんです。でもこのモデルはハイエンドモデルと同等の5枚刃を搭載しているので、小さいのにハイパワーでヒゲをしっかり剃ることができます。フル充電にしておけば2週間はもつので、旅行や出張にも最適。デザインもスタイリッシュで、スタンダードモデルの『ES-PV3A』のほか、外装に陶器のような質感の素材を使ったハイグレードモデル『ES-PV6A』もラインナップされています。これなら間違いないと、プレゼントに購入される方も多いです」

あらゆるヒゲを取り込む5枚刃システム(写真はES-PV6A)

性能やサイズ感が気に入って「欲しい」と思っても、予算オーバーで悩まれるお客様もいらっしゃる、と鋤柄さん。“5枚刃も必要ないので、この形で3枚刃が欲しい”というお客様の声が多かったのか、6月には3枚刃のモデルも発売予定で、価格はより手軽な19,800円。予約受付中とのことですので、こちらも要チェックです。

パナソニックは日本人向けにつくられているのが魅力

ここからはメーカーごとにおすすめのモデルを紹介してもらいましょう。往復式をメインに扱っているパナソニックでまず案内されたのは、6枚刃の「ラムダッシュ PRO6」の中でもベーシックなスタンダードモデル「ES-L650」です。

パナソニック ラムダッシュPRO6 スタンダード(各46,530円)。左は風呂でも使えるES-L650U、右は充電しながら使えるES-L650D

「ラムダッシュは日本人向けにつくられているものが多いので、柔らかいヒゲもしっかり剃ってくれるのがいいところ。『ES-L650』はヘッドが360度全方向に傾いて肌に密着するほか、ヒゲが濃い部分と薄い部分を機械が判断して、濃い部分は強く、薄い部分は弱く運転してくれるなど、非常に機能性の高いモデルです。アゴ下のくせヒゲや濃いヒゲ、太いヒゲまで逃さずに素早く剃り上げるリニアモーター駆動は、毎分約14,000ストロークと、ラムダッシュ史上最速を誇ります」

新・薄型深剃り刃を4枚搭載し、刃穴のカバー範囲を拡大した6枚刃システム

「シェーバーの基本機能も価格も同じですが、お風呂で剃れるタイプと、充電しながら剃れるタイプの2型から選ぶことができます。ですからお風呂で使うことを前提とするか、マメに充電するのは面倒だけどガンガン使いたいかによって選ぶといいと思います」

最高の性能は搭載されていなくても、とにかくしっかり剃れるモデルが欲しいという方には3枚刃の「ラムダッシュ3」が最適。なかでもヘッドが上下・前後・左右に動く、可動域が大きいハイグレードタイプの「ES-L360」がおすすめです。

パナソニック ラムダッシュ3。左は風呂でも使えるES-L360W(16,080円)、右は充電しながら使えるES-L360D(16,880円)

「可動域が広い3Dヘッドを搭載し、肌への負担を減らしつつパワフルに剃りきるモデルです。外刃を外さずにヒゲくずを簡単に洗い流せる『ウォータースルー洗浄』と、丸ごと水洗いができる防水設計で日頃のお手入れも簡単。充電スタンドが付いているのも何かと便利です。こちらも風呂で使えるタイプと充電しながら使えるタイプを用意しています」

3Dに動くヘッドで肌に密着してシェービングできる
ラムダッシュこだわりの3枚刃システムで濃いヒゲもしっかり深剃り

アゴ下さえも深剃りが可能な密着度抜群のブラウン

続いて紹介するブラウンも、パナソニックと同様に往復式をメインに取り扱っているブランドです。密着性を高めることで剃り残しを防ぎ、深剃りを可能にしたモデルが多くラインナップされています。

「深剃りに強いブラウンの中でも『シリーズ9 Sport+』はヘッドが大きく動いてアゴ下にも密着し、濃いヒゲもしっかり剃れるモデルです」

ブラウン シリーズ9 Sport+ 9350cc(32,750円)

「しかもヘッドのパーツはそれぞれに浮き沈みして肌にぴったりと密着してくれます。一番のおすすめポイントは全自動の洗浄機が付いているところです。アルコール洗浄によって99.9%の除菌が可能で、さらに自動充電もしてくれます。長期の出張や旅行に便利な、6週間充電なしで持ち運べる充電トラベルケース(20,120円)も用意されています」

寝たヒゲを起こしてプレカットする金色の極薄刃は9シリーズのみに搭載
コンパクトなヘッドは自在にスイングする

「もう少し予算を抑えたいという方には、深剃りしながらも肌にやさしく可動してくれる『シリーズ7』もいいと思います。3枚刃のヘッドは全方向に動くので、ヒゲはそんなに濃くないけれどしっかり剃りたい、という方におすすめです。さらに3つの刃の浮き沈みにより、剃り残しが気になるアゴ下や鼻下にも密着。一度に剃りきるので肌のヒリヒリ感も抑えてくれます。こちらもアルコール洗浄機付きです」

ブラウン シリーズ7 72-G7500cc(21,230円)
ヘッドは全方向への動きが可能な「360°密着システム」を採用

フィリップスは回転式シェーバーでヒゲを効率良く取り込む

ひとり一人の個性に合わせた最適シェービングを実現しているフィリップス。メインの商品は主に回転式で、肌が弱くカミソリ負けしやすい方におすすめのブランドです。

「フィリップスの中でも最高峰モデルとなる『S9000プレステージ』は、シェーバーヘッドにマイクロビーズコーティングを施して肌への負担を低減。1cm2あたり最大50万個のマイクロビーズが肌との摩擦を抑えてくれます。さらに毎秒500回もヒゲの密度を感知して、ヒゲの濃さに合わせて自動でパワーを調整するという高性能。濃いところもきれいに深剃りして整えてくれます。回転式は往復式と比べると掃除に手間がかかるので、個人的にはこのモデルのように洗浄機が付いているものがおすすめです」

フィリップス S9000プレステージ SP9840/32(61,190円)
円形に配置された刃が回転することでいろいろな方向に生えたヒゲを効率よくカット
1分で洗浄できるコードレス洗浄システム「クイッククリーンポット」が付属。付属していないモデル向けに単品商品として販売(4,320円)もされている

「肌が弱い方が初めて使う入門機としておすすめなのが『5000Xシリーズ』です。肌に密着して早く剃れるのに肌にやさしい、しかも価格もお手頃なので初めての方も挑戦しやすいと思います。リフト刃がヒゲを引き上げてカット刃が深剃りするスーパーリフト&カット機能を搭載し、パワフルな剃り味と早剃りを両立。内刃が直接肌に当たりにくい構造になっている上、S9000と同様にマイクロビーズコーティングを搭載しているので、肌への刺激を最小限に抑えてくれます」

フィリップス 5000X シリーズ X5006/00(17,110円)
360度可動して顔にしっかり密着する「360-Dフレックスヘッド」

回転刃の場合は肌に密着させないとうまく剃れないので、しっかりグリップできるモデルを選ぶのも大事です。売場で実際に持ってみて、しっかり握れるモデルを選ぶようにしましょう。

使用時の注意点と購入時にチェックしておくべきこと

電気シェーバーを使用する上での注意点も聞いてみました。

「肌が弱い人は電気シェーバー用のプレシェーブローションなど、肌のケアをしてから使うとより安心です。使った後の電気シェーバーは皮脂などで汚れるため、直後にアルコール洗浄や水洗いを習慣化することで刃が長持ちします。刃の交換は、だいたい1年半~2年を目安にしているモデルが多いです。どのメーカーも取り替えの目安を提示しているので、購入日を控えておいて時期が来たら交換するようにしましょう」

洗浄液の使用や刃の交換など「ランニングコストがかかってしまうから」とおろそかにしてしまうと刃の寿命が短くなったり、肌への負担が大きくなったりといいことはありません。正しく使うことが剃り味をキープする秘訣なのです。

最後に、購入の際のアドバイスや注意点も聞いておきましょう。

「電気シェーバーは毎日使うものなので、ある程度いいものを選ぶことをおすすめします。やはり高機能なシェーバーの方がきれいに剃れますし、お手入れも楽にできますから。さらに、購入時は本体の価格だけでなく、使っていく中で必要になるものや、刃の交換方法など、ランニングコストや手間を確認することも大切です。販売員に声をかけていただければ売場でお手入れや交換の方法をご説明・実践できますので、それを面倒に感じるか、簡単に感じるかも選びのポイントになるはずです。価格やスペックだけではなく、お手入れ方法、交換方法、ランニングコストなどを総合的に聞いておけば後悔のない商品選びができると思います」

商品ごとの価格の差についてもスタッフの説明を聞けばほとんどのお客様が納得される、と鋤柄さん。自分に合ったものを選ぶためにも、ぜひ店頭に足を運び、販売員を質問攻めにしてベストなモデルを選んでくださいね。

ビックカメラ 有楽町店(東京都千代田区有楽町1-11-1)

なお、価格は取材(5月8日)時点の店頭価格です。

中野悦子