文具知新

使いこなしが楽しいメモ帳「レザフェスU スライドメモパッド」

今回ご紹介するのは、キングジムの「レザフェスU スライドメモパッド」(以下、スライドメモパッド)です。「レザフェスU」は、落ち着きのある色味と上質な質感を持つ合成皮革を表紙に採用したファイルシリーズで、大人がビジネスシーンで普段使いするのに最適なアイテムがそろいます。

同シリーズのアイテムにはルーズリーフバインダー、クリアーファイル、クリップボードもありますが、今回取り上げたいのはこちらのメモパッド。サイズはA7(1,320円)とA6(1,540円)の2種類です。

「レザフェスU スライドメモパッド」。左からA7 グレー(1,320円)、A6 黒(1,540円)

抜き差し簡単なスライドクリップ式

最大の特徴は、メモ用紙を保持するスライドクリップ式の綴じ具です。カバー部分をスライドするだけでロックと解除をワンアクションで切り替えることができ、自由に用紙の抜き差しを行なえます。

クリップのカバーをスライドして用紙を抜き差し

一般的なクリップやリングと比べて出っ張りが少なく、差し替え式でありながらもスッキリした仕上がりがこの機構のメリット。これだけスリムなのに、挟める用紙はA6で最大30枚程度、A7で最大20枚程度と実用性も充分です。

30枚を挟んだ状態でもこのスリムさ

しっかりした表紙だからノートや手帳感覚で使える

スライドメモパッドはメモ帳でありながら、しっかりした表紙がついているので、筆記面を保護しながらノートや手帳のような感覚で使えます。

メモ帳というと簡易的でカジュアルな表紙のものが多いため、ヘビーに持ち運ぶと外観や中紙が傷みがち。使用感アリアリになったものをビジネスシーンで人前に出すのには抵抗を覚えることもありますが、これならばどこに出しても恥ずかしくありません。

表紙と裏表紙の“つなぎパーツ”にワザあり!

表紙と裏表紙をつなぐパーツは、ペンのクリップをひっかけてペンホルダーとして使うことができます。上側が切り欠きのようになっているので、ペンがはみ出してしまうこともありません。書くものと書かれるものは両方そろっていてはじめて意味をなすものですから、紙とペンを常にワンセットにできるのは嬉しい工夫です。

切り欠きのようになっているのでペンがはみ出さない

また、このパーツは芯材や裏地がない一枚生地で柔らかいため、表紙を360度折り返してクリップボードのように使うこともできます。デスクに置いた時も場所を取りませんし、立ってメモを取る場合も厚みがしっかりあるため非常に安定感があります。

手に持った状態でも安定感があり書きやすい

いろいろな使い方を考えたくなる内ポケット

開いた時に左側になる表紙の内側はポケットになっています。右側のメモパッドで書き終わったメモを引き抜いて一時保管するのにも使えますし、市販のメモパッドを差し込んでメモの“両面使い”をすることも可能です。また、予備の名刺などを差し込んでおけるスリットも設けられています。

開いて左側はポケットになっている

メモパッドというと通常は1画面の“シングルディスプレイ”ですが、スライドメモパッドの場合は2画面の“デュアルディスプレイ”としても使うことができる、という拡張性がユニークなポイントだと思います。

1面でシンプルなメモパッドとして使ってもいいし、2面をつかって見開きノートのように使ってもいい。別のメモ帳を差し込んで、「残したいメモ」「用が済んだら捨てるメモ」のように使い分けてもいい。差し込むメモ帳は方眼、メモパッドは自作のリフィル、のようにフォーマットを複数入れてもいい。“デュアルディスプレイ”であることで、様々な使い方が思い浮かびます。

同サイズのメモ帳などを差し込むこともできる

文房具にはあらかじめ「こう使ってください」というメッセージが明確なものもありますが、スライドメモパッドに関してはユーザーに委ねられている部分が大きいアイテムだと思います。それだけに、「自分ならどう使いこなそうか?」と考える楽しみがあります。

私は最近これを気に入りすぎて、サイズ違いで2個所有しています。あくまでも使い方の例として、私のケースをご紹介させてください。

A6サイズは常時スタンバイのデスクメモとして

急に電話がかかってきた時。ふと良いアイデアを思いついた時。とっさの書きたい! には、やっぱり紙が便利です。私が会社勤めで固定席があった頃は、電話の横に常にメモ帳を開いてスタンバイ状態にしておくのが定番でした。その後、勤めていた会社がフリーアドレスになり、現在は在宅ワークのフリーランスになっても、「メモは常にスタンバイ!」の習慣は変わりません。

スライドメモパッドは、そんな常時スタンバイ状態のデスクメモにピッタリです。私はToDoリストとして書いた紙を左側のポケットの上にのせて常に目に入るようにし、右側はフリースペースとして使っています。

仕事中は常にデスクの上でスタンバイ状態に

タスク管理にはアプリも併用していますが、やはり他のウィンドウの裏側に隠れることもなく、別枠として常時置いておける紙は便利です。ひと仕事を終えた後で線を引いて消すのも、区切りと達成感が感じられていいんですよね。そんなこともあって、最近はすっかり紙に回帰しています。

また、「ファイル名をつけて保存」するほどではないような些細な思いつきや一時的なメモも、紙であれば何も考えずにサッと書けるのが良いところ。

書き終わった紙は左側のポケットに一時保管して、ある程度溜まったらそのまま処分することが多いですが、バラ紙なのでとっておく必要があるものはスキャンも容易です。

スライドメモパッドはあらかじめ無地の用紙が10枚付属していますが、A6サイズであれば市販のメモ帳も豊富なので差し替えには困りません。A6はA4の4分割ですので、コピー用紙を裁断したり、裏紙を再利用したりすることもできます。

A6はA4のコピー用紙を4つ折りにしたサイズ

こちらの連載で以前紹介した「ヨンブンカッツ」(クツワ)とも好相性で、実際に私は合わせて使っています。

デスクを広く使いたい時にはパタンと閉じて片付けるのも簡単です。毎日デスクの上を完全にクリアにしなければならない、フリーアドレスな職場での“置きメモ”にもぴったりなのではないでしょうか。

A7サイズは外出時のお守りメモとして

A6の半分であるA7サイズのスライドメモパッドは、外出時の持ち歩きメモとして使用しています。本格的に書く予定がある時はノートや手帳を持っていきますが、それほどでもないけれどやっぱり何か書くものはあった方が安心だな、という時の“お守りメモ”としてちょうど良いのです。

A7サイズのスライドメモパッドは2つ折りの財布と同じくらいのサイズ感ですので、最低限の持ち物で身軽に外出したい時の小さめバッグにも無理なく忍ばせることができます。

A7サイズは小さなバッグにも無理なく入る

表紙がしっかりしていることに加え、手のひらサイズで持ちやすいので机がない場所でも安定して書くことができます。持ち歩いても外観や中の紙がボロボロにならないことも嬉しいポイントです。

こちらも市販のメモ帳やコピー用紙(8分割)をリフィルにしても良いのですが、私のひと工夫はM5サイズのシステム手帳用リフィルをはさんで使うこと。サイズもぴったりですし、残しておきたいメモは帰宅後に母艦となるシステム手帳に移せば良いので保管にも困りません。

M5サイズのリフィルがジャストフィット!

唯一の難点は、コンパクトであるが故に一般的な筆記具だとペンホルダーに差し込んだ時に上下がはみ出してしまうことです。気になる場合は、手帳用などに筆記具メーカー各社が販売しているミニペンを使うといいでしょう。

私の手元にあるもので比較的入手しやすいのは、「手帳用 油性ボールペン」(ゼブラ)、「バーディー」(パイロット)、「TL01 ボールペン」(オート)、「Penco ドラフティングボールペン」(ハイタイド)などです。

A7サイズに合わせて使う筆記具はミニペンがおすすめ

スライドメモパッド、あなたならどう使う?

今回はあくまでも例として私の使い方をご紹介しましたが、スライドメモパッドはまだまだアイデア次第でさまざまな利用シーンにフィットするアイテムだと思います。

カラーバリエーションもキャメル、オリーブ、グレー、黒と4種類ありますので、色違い、サイズ違いでの複数持ちもおすすめ。気になる方はぜひお手に取っていただいて、「自分ならこう使う!」を考えて楽しんでみてください。

ヨシムラマリ

ライター/イラストレーター。神奈川県横浜市出身。文房具マニア。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。元大手文具メーカー社員。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。