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ドコモのパワーを集めて金融強化 新生ドコモFGは"リアル”活用で成長
2026年7月9日 19:06
7月1日、NTTドコモ・フィナンシャルグループ(ドコモFG)が誕生した。dカード、d払いのほか、住信SBIネット銀行やマネックス証券などNTTドコモが関連する金融事業を集約した金融持株会社となり、金融領域の事業拡大やガバナンス強化を図る。
dカードやd払いなど、クレジットカードや決済事業のほか、銀行(住信SBIネット銀行)、証券(マネックス証券)、ローン(ドコモファイナンス)、保険(ドコモインシュアランス)の各社がドコモFG傘下となり、金融事業の連動性を高めていく。7月9日にドコモFG設立についての会見を開催し、今後の事業展開などについて説明した。
“生活者目線の金融”へドコモショップ活用
NTTドコモ・フィナンシャルグループの廣井孝史社長は、2004年のおサイフケータイから、2015年のdカード開始、2018年の「d払い」など、キャッシュレスを軸にしたドコモの金融の取り組みを紹介。「日常のキャッシュレス決済が、特別なものではなく身近なものとして根付かせてきた。iモードとともに社会に大きな変革をもたらせた」とこれまでの成果を強調。加えて、銀行や証券をグループに取り入れることで、ドコモの経済圏が広がると説明した。
dカードの会員数は1,900万でうち1,200万が「GOLD」以上(PLATINUMを含む)、d払いユーザー数は7,500万で取扱高は約4兆円。さらに、決済・ポイント会員は1億900万人で、利用可能箇所数は約744万と広がりをみせている。
この基盤に加えて、ドコモFGとなることで、ドコモSMTBネット銀行(住信SBIネット銀行)の約915万口座、マネックス証券の約300万口座、ドコモ・ファイナンスの無担保ローン約30万などの実績と接点が加わる。ドコモSMTBネット銀の1口座あたりの預金は約120万円、マネックス証券の平均預かり資産は約404万円と「資産形成余力」の高さも特徴で、ドコモの通信/生活データを加えることで、ドコモならではのシナジーを活かしていく狙いだ。
一方で、ドコモFGの廣井社長は、「今、金融はみんなのものになれているだろうか?」と疑問を呈す。多くの人が金融知識に不安を持ち、サポートを求めているが、「身近な場所がない」という課題があるとする。
そのため、これからの金融には対面ならではの行き届いたコミュニケーションとともに、時間・場所を選ばないアクセス、データを活かしたパーソナライズなどが必要と説明。ドコモFGでは、“生活者目線の金融”を目指すとした。
その代表例となるのがドコモショップで、ドコモFGの発足と、ドコモSMTBネット銀行への改称にあわせて、ドコモショップにおける銀行サービスを開始。8月以降、一部のドコモショップにおいて、銀行口座の開設と初期設定をサポートするほか、ネット銀行に関するスマホ教室などを実施する。「ドコモショップで培った接客ノウハウを、金融サービスにも適用していく。大きな安心感でデジタル金融利用を身近にする」(ドコモFG廣井社長)。
また、「金融AI」によりグループサービスの連携を強化するとともに、パーソナライズされた金融体験を提供。資産状況に寄り添った提案や日々のお金の流れの可視化などを、アプリやAIで提供していく。ドコモグループでは「Sync Me」などを展開しているが、どのサービスをベースにするかは未定。現在は「d払い」アプリに多くのサービスの機能を追加しているが、こうした取り組みを進めながら最適な形を模索していくという。
「ドコモの銀行」始動。リアルが強みに
8月には住信SBIネット銀行から「ドコモSMTBネット銀行」への改称にあわせて、愛称を「ドコモの銀行」として展開。ドコモショップと住信SBIネット銀のFCショップにおいて、同行の銀行サービスをサポートする。
ドコモショップの一部で「ドコモの銀行」のサービスを提供するほか、銀行FC代理店の店舗で、看板も「ドコモの銀行」として展開。銀行口座開設、初期設定サポートのほか、銀行店舗では住宅ローンの案内なども行なう。
8月時点では、ドコモショップが198店舗、住宅ローンプラザなどFC代理店が75店舗で開始予定だが、2030年度には合計1,500店舗まで拡大予定。内訳はドコモショップが1,000店舗で銀行FC店舗が500店舗としており、このうち150店舗が住宅ローンも扱うフルバンク対応銀行FC店舗となる予定。住信SBIネット銀行の円山法昭CEOは、「本当の意味でのネットとリアルの融合を実現したい」と語った。
マネックス証券では、「ドコモのNISA」により投資へのハードルを下げながら、利用者拡大を図る。そのため「d払い」アプリから「かんたん資産運用」などのサービスの利用を促すほか、ドコモショップでの相談体制を強化していく。
ドコモ・ファイナンスでは、個人向けローンの「dスマホローン」を強化。個人向けだけでなく、法人経営者・個人事業主向けのビジネスローンなども提供していく。
それぞれのサービスを強化するだけでなく、カードと銀行、カード・銀行・証券などの連携を強化し、複数利用でより多くの特典を付与。カード・銀行・証券を組み合わせると、dカードのスマホ決済で最大4.5%を還元するなど、「経済圏」強化も進める。
また、8月からは、ドコモの銀行とマネックス証券口座の自動入金(スイープ)設定にも対応予定。
ドコモの力を結集し、金融収益化
今後の成長に向けた取り組みとしては、パートナー企業への金融フルサービス提供などを想定。BaaSを通じて法人顧客に金融サービスを提供するもので、自社サービスの利用に応じた特典・サービスとしてdポイントの付与や銀行サービスを活用できるようにする。第1弾としてタイミーと基本合意を締結している。
今後の成長戦略としては、ステップ1では、「ドコモ回線に限らず」すべての個人のユーザーにデジタル金融総合サービスを提供。ドコモのシナジーとともに、リアルとデジタルのチャネルを活用していく。また、法人向けの金融サービスのホワイトレーベル提供も強化する。
ステップ2では、ステーブルコイン決済や加盟店向けのステーブルコイン決済プラットフォームなどを想定。規模とテクノロジーを活かした金融サービス展開を図る。加えて日ごとや時間ごと払いなどの「マイクロサブスクリプション」展開も視野に入れる。
そのほか、決済データに基づく即時与信によるレンディングやBNPL、取引データに基づく即時与信によるトランザクションレンディング・ファクタリングなども想定している。
これらの取り組みにより、2025年度の売上高5,965億円から、2030年度に1兆2,000億円への成長を目指す。「市況としても金利ある世界となり収益機会は増えている」(ドコモFG廣井社長)とし、各事業の成長とともに、ドコモグループのシナジーを活かした事業拡大を目指す。



















