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竹中工務店、手洗いに適した温水を供給する給湯システム「ぬく水」
2026年7月24日 09:00
竹中工務店は、病院において手洗いに適した温水を供給し、給湯エネルギーを削減する低温給湯システム「ぬく水」を開発。2月に竣工した小田原市立総合医療センターに導入した。手洗いに適した25~30℃の温水を専用配管で供給する。
従来の給湯システムは「中央給湯方式」で、水を60℃に昇温し、貯湯槽から厨房、洗浄、シャワー、手洗器など、病院内の給水・給湯を使用するすべての場所に高温給湯管を循環して供給する。病院は平面的に広いエリアに多数の手洗い場が分散配置されているため、配管からの放熱ロスも大きいことが課題だった。
竹中工務店は、手洗いに高温給湯を必要としないことに着目。ぬく水では手洗い用の給湯を中央給湯から切り離し、25~30℃の温水を供給する。
60℃まで昇温する必要がないため、空調からの低温廃熱を有効活用でき、配管からの放熱ロスも大幅に削減できるという。また、中央給湯方式では、手洗いへの供給に給湯配管と給水配管がそれぞれ必要だったが、ぬく水では25~30℃の温水を供給する「ぬく水配管」のみで済むため、中央給湯方式と比べて配管数量を約20%削減できる。
小田原市立総合医療センターと同規模病院を想定した試算では、病院全体を従来の中央給湯方式で構成した場合と比べ、給湯エネルギーを約40%削減できることを確認したという。
病院は、感染対策、清浄度確保、非常時の医療継続、24時間365日運用、様々な医療機器への電力供給や各種ユーティリティへの対応等、他の建物用途に比べエネルギー消費量が多い。空調や照明における省エネ化は進んでいるものの、病院の用途別エネルギーのうち給湯・蒸気エネルギーが18%を占めていることが課題となっていた。こういった背景から、ぬく水を開発した。
ぬく水の構成要素は「ぬく水配管」「ぬく水水槽」「残留塩素管理/制御装置」「換水機能」「空調からの低温廃熱の利用」。
ぬく水配管は給水や給湯配管とは別系統で設け、手洗いに夏期の水道水と同程度の25~30℃程度で供給する。中央給湯方式で用いられる循環式ではなく、循環配管を用いない非循環方式となっている。
ぬく水水槽も中央給湯方式の貯湯槽とは別系統で、25~30℃程度の温水を貯留し、建物内の手洗いに供給する。
残留塩素管理については、ぬく水水槽に塩素注入装置と循環式の残留塩素管理装置を設置し、残留塩素濃度を維持する。夜間や週末など長時間使用しない場合にはスケジュールによる自動換水機能を利用し、水温と残留塩素濃度を維持する。
今後、病院の新築計画において、同システムの導入提案、普及展開を進める。あわせて、手洗い場が多く、分散配置される他の建物用途への適用可能性についても検討する。

