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日本における「AIのものさし」を作る 東大松尾研らが「Japan AI Index」始動
2026年6月4日 15:45
東京大学松尾・岩澤研究室、PKSHA Technology、Anthropicは4日、日本での生成AIの社会的インパクトを継続的に観測・分析するための基盤「Japan AI Index」の構築に向けた協業を発表した。初回のレポートとダッシュボードは、2026年10月~11月を目途に公開する。
Japan AI Indexは、AIが日本の雇用、産業、経済、教育にどのような変化や影響を与えているかを継続的に測定し可視化する、学術・技術・産業の3視点を統合した定点観測のインフラとしての基盤。
東京大学が中立的な分析設計を主導し、Anthropicが提供する匿名化されたClaudeの利用実態データと、日本の公的統計や調査データを活用する。PKSHA Technologyは産業界でのAI実装に関する知見を提供する。
分析では、日本の各産業におけるAI活用の進展状況の可視化、AIと人間の役割分担の変化、AI活用度とGDP・雇用・賃金の関係性の検証、職種別の生産性変化の検知、AI時代に求められる人材やスキルに関する示唆に関して、継続的に実施・公開する。
分析結果は東京大学が主体となってダッシュボードや年次レポートとして公開し、政策・産業・教育の各領域での議論に活用できる形で発信する。これにより、企業のAI投資判断、組織設計や業務設計、大学や教育機関のカリキュラム設計といった意思決定を支援する。
日本の労働人口の減少が加速するなか、AIを活用した生産性向上が産業維持に向けた重要な課題となっている。一方、AIの活用を適切に進めるには、AIの活用がどのように広がり、働き方や雇用、産業にどのような影響を与えているのかを、エビデンスに基づいて把握する必要がある。
Japan AI Indexは、この課題に応えるため、大学の学術的中立性、LLM開発企業が持つ利用統計データ、産業実装企業の現場知見を組み合わせて構築される。国内におけるAI活用の共通指標の確立を目指し、今後は分析対象の拡大や参画企業の募集を進めながら、継続的に情報発信を行なう。
日本における「AIのものさし」を作る
Japan AI Indexに関する報道関係者向け発表会では、PKSHA Technology 代表取締役の上野山勝也氏や、東京大学の松尾豊教授などが登壇した。
上野山氏は、AIが自律的に行動を起こし、フィジカルAIのように物理空間にも作用するLAM(Large Action Model)へと進化している現状を説明し、こうしたAIが将来の働き方を劇的に変える可能性がある一方で、その社会への影響をファクトベースで議論するための指標が存在しないことを課題として挙げた。
松尾氏は、経済や雇用といった社会領域には指標があるのに対し、AI領域には客観的な指標がないことを指摘。「計測できるものは進化させることができる」と計測の重要性を述べ、根拠に基づく議論を深めるための「AIのものさし」が必要不可欠であると訴えた。
Japan AI Indexが継続的に客観的なファクトデータを提供することで、政策立案や企業活動、教育のあり方について、推測ではなく根拠に基づいた議論を進められるようにする。
なお、Japan AI Indexでは、初期段階としてClaudeの利用実態データを活用するが、データの収集元をAnthropicに限定するものではない。OpenAIなど、ほかのAIモデルとのデータ連携については現時点で明言を避けたものの、中長期的には、目的に合致するデータであれば取り込みを検討していく考えを示した。














