ニュース

存在感を増すGenspark、日本で2500社以上に導入「誰でもAIを使えるように」

AIスタートアップのGenspark(ジェンスパーク)は、導入企業がグローバルで5,000社を突破し、このうち半数以上が日本企業であることを明らかにした。創業3年目にしてすでに国内でも存在感を増している形で、大企業への導入も始まっている。

同社は13日、生成AIを企業が導入する際の課題や現状、Gensparkの強みについて解説する説明会を開催した。Gensparkはそのコンセプトとして、難しくなりがちなAIの機能・サービスと一般的な社会人との橋渡しをする“翻訳者”を標榜。「AIが使える未来はすぐそこに来ている。ただ行き渡っていないだけ」(Genspark CTOのカイホア・ズー氏)という考えを前提に、「誰でもAIを使えるようにするために我々は存在している。誰も取り残されないように、格差が広がらないようにしたい」(同)という方針を示す。

Genspark CTOのカイホア・ズー氏

Gensparkは、OpenAIやAnthropic、Microsoft、Google、Amazonなど生成AI関連の主要各社と提携しており、最新モデルを横断的に利用できる環境を提供している。プレゼンテーション用のスライド作成から画像生成、音楽生成まで幅広く対応している。

AIは進化が速く、業界の先端領域と市民レベルで触れるAIでは機能・サービスのギャップが拡大していると指摘し、Gensparkは、AIに詳しい人でなくても使えるようユーザーインターフェースなどを改善し使いやすくしているのが強みとする。また、導入後に業務時間や作業効率にどのような変化があったのかを測定し、効果を可視化する取組みもあるという。

主要各社と提携
OpenAIが定義したAGIまでの5つのステップ。最前線と一般ユーザーとのギャップが拡大しているという

一方で、先端領域の「自己進化型自律組織」(Self-Evolving Autonomous Organization)など、AIが自律的に稼働するプロダクトの開発にも注力している。すでに同社は、AIによるコーディングがほぼ100%とし、自社のソフトウェアプロダクトの開発サイクルを超高速化しているほか、今後は業務の内容や履歴など“組織の記憶を統合”し、AIと一緒に働けるような仕組みを実現していくと、未来像も語られている。

自律的に稼働するAIが目標。高レベルの連携を実現するGenspark Clawはすでにサービスが提供されている

Gensparkで最も使われているのはプレゼンテーション用のスライドを作成する機能とのことで、最新のバージョン4.0の提供が順次開始されている。デモンストレーションが披露された4.0は、テンプレートを選ぶだけでなく、追加の要件や質問に答えることで、テンプレートのお仕着せでなく、その業務の“文脈”を反映した内容に仕上げられるという。

AI Slide 4.0

日本国内の展開については、前述のように2,500社以上に導入され、大企業での採用が増えている実績も示された。一方で、企業におけるAIの利用率(生成AI活用方針の策定率)は、90%を超える中国やアメリカ、ドイツと比較して、日本は約50%と大幅に低い状態であることが総務省の調査などで明らかになっている。

グローバルで5,000社を突破、そのうち半数以上が日本企業とした
生成AI活用方針の策定率

Genspark GTMの中村圭佑氏は、「人材不足」「経営者のイメージ不足」の2つの課題があり、個人レベルでは使いこなす人がいても、経営レベルでは判断されず全社に広がりづらいことがAI導入のボトルネックになっていると指摘する。

Gensparkの中村圭佑氏
2つの課題と解決策

Gensparkは複雑・高度な指示が不要で、面倒な作業の多くを自動化でき、専門知識がなくても使え、オールインワンで提供でき、使いこなしに関する一連の課題を解決できるサービスと位置づけている。また、経営者とのコミュニケーションを含め、全社展開を支援する体制を本格的に整えていく方針で、こうした取組みのカギとなるコンサルティングサービスも近く立ち上げる予定。エンタープライズ向け窓口も設置しており、大企業が導入する際は共同開発にも対応していく。

誰でも使えるようにする“翻訳者”を標榜
オールインワンで提供、既存SaaSとの連携も可能