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日立とパナ、端末やパスワードに依存しない次世代デジタル身分証

日立製作所とパナソニック コネクトグループは、次世代のデジタル身分証実現に向けた協業を拡大。生体情報暗号化技術PBIと顔認証技術を融合し、端末やパスワードに依存しないデジタル認証の社会実装を目指す。

具体的には、日立の公開型生体認証基盤PBIとパナソニック コネクトが持つ顔認証技術、開発中のウォレットアプリを融合させることで、個人が自らの情報を安全に管理・利活用できる「自己主権型アイデンティティ」の実現に向けた新しいデジタル認証サービスの構築を目指す。これにより、個人はオンライン・オフラインを問わず、行政手続きやサービス利用時の本人確認、イベントや施設の入退場、資格・年齢確認などにおいて、必要な情報だけを安全に提示可能になる。

こうしたデジタル身分証の基盤の一つとなるのが「Digital Identity Wallet(DIW)」。ただ、一般的なDIWでは秘密鍵を端末内で管理する必要があり、端末紛失時の不正利用や復元時の負担が課題とされてきた。今回の協業では、認証時に生体情報から秘密鍵を生成し、処理後に破棄する仕組みを活用することで課題の解決を図る。

両社が目指すデジタル身分証は、公共分野や金融分野での活用を想定。行政手続きでの本人確認や属性証明、金融機関での本人確認やローン審査などに活用することで、手続きのデジタル化や利便性向上につなげる。

生成AIやAIエージェントの普及で問題となるディープフェイクや不正操作のリスクにも対応。本人の顔による生体認証とPBIによる電子署名を組み合わせることで、「本当に本人の意思による操作か」を確認できる仕組みを構築し、なりすまし防止やセキュリティ強化を図る。

今後は、2026年度中に実証やユースケースの検証を進め、2027年度以降の本格的な実装とサービス展開を目指す。