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AI検索巡り国に制度整備要請 日本新聞協会
2026年4月21日 12:38
日本新聞協会は20日、AI検索サービスに関する声明を公表した。生成AIサービスに加え、検索拡張生成(RAG)を用いるAI検索サービスでも、報道コンテンツの利用には権利者の許諾を得ることが原則であるとしたうえで、国に制度整備の早期実施を求めた。
同協会は、AI検索サービスの浸透により、他人のコンテンツを無断利用してAIが回答を生成する事例が見られると指摘した。ユーザーに最新情報を示せる一方で、権利者が把握しないままコンテンツが取得されたり、利用拒否の意思表示が無視されたりする行為が広がっているとする。AIに参照されるニュースの価値が高まる中でも、権利者の意思尊重や対価還元の動きは遅れているとした。
声明では、生成AIの登場によって、報道コンテンツへのフリーライドや著作権侵害のリスクが大きく高まったとも説明した。AI検索サービスの拡大で事態はさらに深刻化しており、正確で信頼できる情報を届ける報道機関の経営基盤を脅かしていると訴えた。
GoogleのAI検索サービス「AIによる概要(AI Overview)」「AI Mode」については、通常検索とAI検索でクローラー制御が共通のため、権利者がAI検索だけを拒否できない状態にあると指摘。AI検索での利用を拒否すると通常検索にもコンテンツが表示されなくなるため、検索市場での地位を背景に、AI検索上でのコンテンツ提供を強いられている構図だとした。独占禁止法上の「優越的な地位の濫用」が疑われるとも言及している。
同協会は、Googleと約3年前から協議を続けてきたものの改善は見られず、情報開示にも応じなかったと説明した。英国の競争当局が、報道機関を含むパブリッシャーに十分な選択肢がないとして、オプトアウトできる制御措置の導入などを提案していることも紹介。日本でも、権利者に負荷のかからない制御措置の早期導入と、コンテンツ利用に関する透明性向上が必要であるとした。
このほか、AI検索ではインターネット上のコンテンツを知識データとして参照するため、無断収集が構造的に生じやすいと説明。APIを通じた他事業者からのデータ取得や、「robots.txt」の無視、クローラー名称の非開示、クローラー偽装といった課題も挙げ、権利者の対応だけではコンテンツ保護に限界があるとした。短期的にはオプトアウト尊重の法的義務化や関連コードの強化を、長期的には誤情報流通やゼロクリックサーチの広がりも踏まえた制度整備を求めている。
