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改札は顔パス、決済も手ぶら 東武鉄道と日立「サクララ」本格展開

東武鉄道と日立製作所は13日、生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を鉄道改札、店舗決済、入退管理に展開すると発表した。指静脈に加えて顔認証を追加し、移動や入退室、決済などのさまざまな場面に対応する。指静脈と顔の複数認証を同一プラットフォームで提供するサービスは国内初となる。

SAKULaLaは、スマートフォンやICカードを使わずに、生体認証で個人属性情報へ安全にアクセスし、決済やポイント付与、本人確認、入退場などをワンストップで実現するサービス。顔情報はスマートフォンからいつでも登録できる。これまでコンビニでの静脈認証などを導入してきたが、顔認証に対応するとともに、鉄道改札や入退管理などに用途を拡大していく。

両社は、SAKULaLa顔認証活用の第1弾として、鉄道改札での利用を開始した。東武宇都宮線の東武宇都宮駅から栃木駅までの12駅に顔認証対応タブレットが設置され、ユーザーは定期券の交通系ICカード番号と顔情報を登録すれば、タブレットに顔をかざすだけで改札を通過できる。

2026年春以降、オムロンソーシアルソリューションズ、日本信号、東芝、パナソニック コネクトと連携し、カメラ内蔵型改札の運用も開始し、東武線以外の鉄道会社でも展開する。なお、撮影された顔画像は認証後に即時削除される。

店舗決済では、国内の決済端末の約半数を占める「JET-Sシリーズ」との連携を26年度より順次開始する。加盟店は、JET-S端末にSAKULaLaアプリをインストールするだけで顔認証決済を導入できる。

ユーザーは、電話番号入力と顔認証で本人確認後、SAKULaLaに登録したクレジットカードでの決済やポイントの獲得・利用を手ぶらで行なえる。両社はJCBとも協力し、JCB加盟店を中心にSAKULaLaの導入拡大を進める。

入退管理でも26年度より連携を開始。企業が従業員のSAKULaLa会員IDを入退管理システムに登録すると、従業員はセキュリティカードなしで顔認証入退室が可能になる。26年春より東武鉄道のオフィスから導入を開始し、同システムは日立ビルシステムの総合型入退室管理システム「秘堰(HISEKI)」と連携して実現する。