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毎年人間を月に送る 月着陸計画「アルテミス」が大幅変更へ
2026年3月2日 13:17
NASAは、有人月着陸計画「アルテミス」について、その方針を大きく刷新した。持続的な有人活動の確立を長期目標として掲げ、ロケットや宇宙船の標準化を行ない、将来的に毎年1回有人による月面着陸を可能にすることを目指す。
こうした計画を実現するため、2027年には新たなミッションを追加。宇宙空間での統合試験やランデブー/ドッキング検証、生命維持装置・通信・推進などの統合運用の確認など、月面着陸前にリスクを下げるための段階的なアプローチを試みる。
2027年に予定していたアルテミスIII計画では有人月面着陸が計画されていたが、この内容も大きく変更。月面着陸は行なわず、2028年のアルテミスIV着陸に備え、低地球軌道上でシステムと運用能力の試験に注力する。有人月面着陸は2028年のアルテミスIVに移行する。
ロケットや宇宙船の構成は標準化(共通化)も行なう。特にNASAのSLSは、ミッションごとにブロック仕様や搭載物の違いが大きいことから、それぞれ個別に認証が必要で準備期間が長くなる傾向がある。共通化することで毎回再設計・再認証を行なう必要を無くし、開発・運用効率と安全性の向上を目指す。ロケットの運用安定化や商用ランダーの実用化などが行なわれ、アーキテクチャが完成した後は、少なくとも毎年1回の有人月面着陸を行なうことで、継続的な月面活動を実現する。
今回の見直しは、単発の有人月面着陸を達成するための計画から、月周回拠点や商業月着陸船を含む輸送システムを継続的に運用する探査体制への移行を意味する。これにより月面への定期的な人員・物資輸送が可能となり、長期滞在や将来の火星探査に向けた運用基盤の確立が期待されている。
